「汚物入れ」という名称にうんざり
まだ生理が始まっていない小学校低学年のころ、私は小学校の個室トイレの隅にあった小さい箱を、「あれはなんだろう?」と疑問に思っていました。しかし、古くて汚れているような見た目の箱だったので、開けて調べてみようという気にはなりませんでした。
小学5年生のとき、生理について授業で教わり、初めてその箱の正体を知りました。使用済みの生理用ナプキンを捨てる箱で、その名も「汚物入れ」です。このとき、「ナプキンって汚物なんだ……」と、とてもショックを受けました。
もちろん、使用済みナプキンは捨てなければならないものというのは理解していましたが、自分の体から出た経血が汚いものと言われているようで、傷ついた気持ちになったのです。
サニタリーボックスに出合って
時は流れ、大学生になった私は、新しい商業ビルのトイレの中で、白くて清潔そうな機械仕掛けの箱を見つけました。その箱には英語で「サニタリーボックス」という表記が。「サニタリーボックスって何?」と思い、説明書きを読んでみると、機能は私が知っている「汚物入れ」と同じ「ナプキンを捨てる箱」でした。
しかし驚いたことに、そのボックスを開けて使用済みナプキンを入れようとすると、中の板が自動で動いてナプキンを覆い隠してくれたのです。私のナプキンが他の人に見られることはなくなり、私も他の人のナプキンを見ずに済む構造になっていました。使用済みナプキン独特の臭いもまったく感じられません。
サニタリーボックスを初めて使用したとき、私は「すごい! これは名発明だ!」と感動しました。
生理の印象がガラッと変わった!
ただ、私が最も感動したのは機能ではなく、「サニタリーボックス」という名称でした。「汚物入れ」と比べて「サニタリーボックス」という言い方が、とてもポジティブですてきだと思ったのです。言い方を変えるだけで、私の中で「生理=汚いもの」という印象だったのが、「生理=清潔なもの」という印象にガラッと変わりました。
こうして、ナプキンを捨てるときに感じていた「汚い」「嫌だ」という感情を、サニタリーボックスが物理的にも精神的にも払拭してくれたのです。
これ以降、私は生理用品を捨てる箱のことを「汚物入れ」と呼ばずに、「サニタリーボックス」と呼ぶようになりました。
今まで「汚物入れ」と呼んでいた箱を「サニタリーボックス」と呼ぶようになり、私は生理を「汚いもの」から「ポジティブなもの」として感じられるようになりました。「サニタリーボックス」という名称をつけた方々の発想に、感銘を受けた出来事でした。
著者/ココロナナコ
作画/モリナガアメ
監修/助産師 松田玲子
医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダー、ムーンカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように!
-
「暑いから脱ぐわ。持ってて」彼が突然上着を渡してきて…彼の行動の意図とは?
-
ずっと気になっていたトイレ奥の「謎の箱」。初めて開けてみると…衝撃の光景に呆然
-
「大丈夫…?」川で水遊びをしていた私⇒気がつくと下半身が大惨事になっていたワケ!