先日、ベビーカレンダーがおこなった「立ち会い出産」に関する調査では、なんと全体の74%の人が「立ち会い出産だった」ことが判明し、多くの反響がありました。多くの人に選ばれる一方で、夫が出産に立ち会う際に「見ているだけの夫にイライラしてしまった」など、なかにはデメリットがあるという声も。そこで今回は、夫の出産立ち会いを後悔しないために知っておきたい準備や心構えについて紹介します。
「立ち会い出産」の現状
全体の74%の人が「立ち会い出産」を選んだという調査結果からは、パパから立ち会いを希望するケースも増え、”イクメン“という言葉が定着した今だからこそ、出産・育児に積極的に関わろうとする姿勢も見受けられました。
また、立ち会い出産を希望するママの理由は「ひとりだと不安だから」が多数。一昔前では「恥ずかしい……」などの声があったものの、今では「2人の子どもなんだから、立ち会うのが当たり前」といった考えに変化しているようです。また最近では、夫以外にも実母や赤ちゃんのきょうだいなども立ち会いOKという産院も。ある産院では15人もの人が立ち会ったという話もあります。
夫が立ち会う場合の「立ち会い出産」の準備
産院では妊娠中に、赤ちゃんがどうやっておなかから出てくるのかなどを妊婦教室や両親学級で教えてくれます。夫婦で参加して勉強しておくことも大切です。また多くの産院では、この講座を受けないと立ち会い出産ができません。
立ち会い出産のときに必要なものは、産院ですべて用意してくれるところもありますが、そうでない場合は自分で準備しなければなりません。準備するものは以下などがあります。
・ストロー付きドリンク
・汗ふきタオル
・おにぎりなどのつまみやすい食事
・長時間に及んだときのための夫の食べ物や着替え
・陣痛時に使うテニスボール
・ビデオカメラ
出産の瞬間を撮影したいという場合は、撮影は可能か事前に聞いておきましょう。
夫が立ち会う場合の「立ち会い出産」の流れと心構え
陣痛開始~産院に向かうまで
陣痛が始まり、赤ちゃんが生まれるまでの時間は個人差がありますが、何時間もかかるものです。初産婦の場合、長くて2日ほどかかる場合もあり、とても大変なことだと理解しておきましょう。状況や産院によって違いますが、規則的なおなかの張りの間隔が初産婦なら10分、経産婦なら15分になると産院に連絡します。そして産院に来るように言われたら向かうのが一般的です。
陣痛室での待機~分娩室移動まで
産院ではまず陣痛室に入って過ごします。陣痛の痛みは時間とともに強くなっていき、陣痛の間隔も短くなっていきます。夫は妻の陣痛に合わせて一緒に呼吸法をおこなったり、腰が痛くなるので腰をさすったりします。夫の手が触れていると、妻は痛みが和らぐ感じがしたり、安心感が出て頑張ろうという気力がさらに湧いてくるかもしれません。
いきみが出てきたときには、テニスボールを使っておしりを押すのも効果的です。テニスボールは陣痛室に置いてある産院もあります。ただそばにいるだけが立ち会うということではないので、夫は妻の要望に合わせて対応するなど、一緒に陣痛を乗り越えるつもりで妻を支えましょう。
分娩室移動~出産まで
子宮口が開き、助産師の判断で分娩室に移動したら、いよいよ出産です。※LDR(陣痛室・分娩室・回復室が一体となった個室)の場合は移動をせず出産までおこないます。分娩室に入ったら、医療スタッフの邪魔にならないように、夫は妻の頭側にいるといいでしょう。そこで飲み物を妻に飲ませたり、妻の顔が汗だくになっていることもあるので、タオルで顔を拭いたりします。
赤ちゃんが生まれる直前の痛みはとても激しく、この時期の妻の状態は見ているほうも苦しくなるかもしれません。また出血があり、おなかに力を入れるため、尿や便が出ることも。立ち会う場合、どんな現場になるか事前に想像しておいたほうがいいかもしれません。
夫にとって、立ち会い出産はわが子の生命誕生の瞬間に立ち会え、出産の大変さを理解することができる、非常に貴重な経験だと思います。いい面とそうではない面を理解したうえで、自分たちに合った出産方法をしっかり考え、話し合って出産に臨みたいところ。もちろん出産予定日のだいぶ前に陣痛が来るなどで準備が間に合わないなど、理想の状態でないこともありますが、「夫婦で一緒に考える」ということが大事なことだと思います。
※参照元:ベビーカレンダー「15年で約2倍以上に増加!イマドキの『立ち会い出産』事情」
「立ち会い出産のメリット・デメリット、準備や後悔しないための心構えは?」
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