こんにちは!助産師のREIKOです。元AKBメンバーであり、現在は実業家としても活躍している川崎希さん。モデルのアレクこと、アレクサンダーさんとの間に生まれた男の子のママでもあります。そんな川崎さんを苦しめているのが、「ドケルバン病」という病気です。今回は、出産後のママに起こりやすいこの病気について解説したいと思います。
「ドケルバン病」とは?
親指を広げると、手首の親指側の部分に2本の筋が浮かび上がると思います。この2本の筋は、親指の関節を曲げたり伸ばしたりする「腱」で、「腱鞘(けんしょう)」というトンネルのような部分を通っています。
ドケルバン病は狭窄性腱鞘炎ともいい、腱鞘炎の一種です。親指を動かす腱とその腱が通る腱鞘に炎症が起こることによって生じます。ドケルバン病になると、手首の親指側が腫れたり親指を動かしたりするとこの場所に強い痛みが走ります。
女性に多い!?「ドケルバン病」
ドケルバン病は、産後や更年期の女性に多いといわれています。これは女性ホルモンが影響しているためだと考えられています。また、手をよく使う人にも多いのが特徴です。
産後は抱っこやおむつ交換など、慣れない赤ちゃんのお世話で、知らず知らずのうちにママの手首に負担がかかり、発症してしまうというケースが多いようです。
「ドケルバン病」の治療は?
ドケルバン病の治療は痛みの程度によって異なります。症状が気になる場合は、受診し、医師の指示に従いましょう。
ドケルバン病の治療の例として、まず痛みのある部分の安静が必要になります。場合によっては、サポーターやシーネで固定することも。加えて、消炎鎮痛剤の軟膏や湿布を使用し、痛みのコントロールをおこないます。
痛みが強い場合は腱鞘内にステロイド注射をおこなう方法があります。効果的ではありますが、ピンポイントで注射を打たなければ効果がないため、医師の技術に左右されるというデメリットもあるようです。また授乳中のステロイドの使用については医師の意見が分かれるところでもあるので、きちんと説明を受けたうえでの治療が必要です。
症状が改善しなかったり、再発を繰り返すような場合は、腱鞘の鞘を開く手術(腱鞘切開)をおこないます。
育児をしながら安静になんてできるの?
ドケルバン病の治療は安静が第一とはいえ、毎日の赤ちゃんのお世話を控えているママには難しいかもしれません。サポーターやテーピングなどで固定しながら、なるべく親指を使わないようにすることが大切です。文字を書くこと、お箸を使うこと、スマホの操作などは避けましょう。
赤ちゃんを抱っこする際には、腕全体で支えるようにしたり、抱っこひもを活用しましょう。また、授乳の際にはクッションを使ったり、添い寝授乳をするなどの工夫すると、ママの負担が軽減されるのではないかと思います。
そしてなにより、ご主人をはじめ周りの人の協力を得ましょう。買い物の荷物を持ったり、赤ちゃんのお風呂などはおまかせしてしまいましょう。
川崎さんも一時は症状が改善されたとのことでしたが、ここ最近、また症状が悪化してしまったようです。出産後は赤ちゃん中心の生活で自分のことは二の次!という方が多いかもしれません。症状が悪化すると、ものが持てなくなるなど、日常生活に支障をきたすことも。手首に痛みや腫れがある場合は、整形外科を受診しましょう。
医療短期大学専攻科卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。