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30〜40代の夫婦必見!?産後クライシスに不倫後の再構築…夫婦カウンセリングでよくある悩みとは

不倫やモラルハラスメント、セックスレス、産後クライシスといった危機的なトラブルをはじめ、コミュニケーション不和や価値観の相違、夫婦喧嘩、不仲など、些細なトラブルまで解決に導く「夫婦カウンセリング」。

今回は、夫婦カウンセリングの専門家である「すまいる相談室」代表の北村貴子さんに、夫婦カウンセリングでよく寄せられるお悩みについて、お話を伺いました。

この記事の監修者
監修者プロファイル

カウンセラー北村貴子
夫婦関係カウンセリング すまいる相談室・代表カウンセラー

「夫婦関係カウンセリング すまいる相談室」代表カウンセラー。プラットフォーム型カウンセリングの登録カウンセラーとして、長年にわたり離婚相談やDV・モラハラ問題に従事。その経験を経て、2019年独立。同年より、メンタルケア心理士として精神医療の研究にも取り組む。主にパーソナリティ障害・大人の発達症。現在は横浜市を拠点に、オンラインでは国内のみならず、海外からも依頼多数。
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よくあるお悩み1つ目

――夫婦カウンセリングでは、具体的にどういったお悩みが寄せられますか?

 

北村さん:私のもとによく寄せられるお悩みの1つは、「産後クライシス」です。

 

――産後クライシスというと、「出産後から2〜3年の間にお互いの愛情が急激に冷めてしまう現象」と聞きます。

 

北村さん:はい。例えば、共働き夫婦のもとに子どもが生まれて育児に追われるようになった。育児にかかりきりで夫婦間でのコミュニケーションが減った結果、お互いに意思疎通がうまくできなくなり、喧嘩が絶えない状況になってしまった、などです。こういった状況で、「2人きりだとどうしても冷静な話し合いができない」という理由から、カウンセラーに間に入ってもらって話を聞いてもらいたいと、ご相談に来られる方が多いです。

 

――ご相談に来られるご夫婦の年齢層はどれくらいでしょうか?

 

北村さん:特に30〜40代のご夫婦が多い印象です。

 

――妻側と夫側、どちらが「カウンセラーに相談しよう」と言い出すことが多いのですか?

 

北村さん:旦那様側が多いですね。産後クライシスの場合だと奥様が精神的に参っていることも多々あり、旦那様側が「何かしらの心理カウンセリングを受けたほうがいい」と危機感を抱き、夫婦カウンセリングをネットなどで調べて来られることが多いです。

 

産後クライシスの相談の流れは?

――産後クライシスのお悩みに対して、カウンセリングはどのようにおこなうのでしょうか。

 

北村さん:産後クライシスの場合ですと、まずは個別のヒアリングから始めます。具体的には、奥様と旦那様にぞれぞれ「どのような問題が起きているか」「問題に対してどう思っているか」などをお伺いします。

 

すると、お話の中から、奥様や旦那様それぞれの思考のクセがわかってきます。性格や思考のクセがわかったら、夫婦間で普段どのようにコミュニケーションを取っているかをお聞きし、コミュニケーションにおいてどのような問題があるかを分析します。

 

心の整理をしていくとともに、問題の本質を探っていくのが、個人ヒアリングの目的になります。

 

その後、両者が同席する夫婦カウンセリングに進みます。先ほどの個別ヒアリングでわかった、それぞれの思考のクセや性格を考慮した上で、「この点は奥様のほうが歩み寄る」「旦那様はこういう点を改善する」など、問題解決に向けた話し合いをおこないます。

 

他にも、それぞれの夫婦に応じたルールを決めることもあります。例えば産後クライシスの場合ですと、「毎日少なくとも5〜10分は会話をするようにする」、共働きで時間が合わず、会話の時間を持つことすらできないときは、「交換ノートでテキストコミュニケーションを取るようにする」、「喧嘩になってしまったらお互いが冷静になるまで距離を置く」などです。

 

どこをカウンセリングのゴールにするかは難しいのですが、「再構築にあたって何をすればいいのか」を明確にすることが重要だと思っています。

 

よくあるお悩み2つ目

 

――他にも、北村さんのもとによく寄せられるお悩みはありますか?

 

北村さん:圧倒的に多いのが「不倫発覚後の再構築」のお悩みですね。これは本当に多くて、実は昨日もご相談に来られたご夫婦がいらっしゃいました。

 

――そうなのですね。不倫がわかったとなると、された側はなかなか許すことが難しそうですが……。

 

北村さん:そうですね。不倫相手との関係はすでに絶ってもらったものの、精神的なダメージもあり、どうしても相手への信頼を回復することができず、関係に深い溝ができてしまった、というケースが非常に多いです。

 

お子さんがいらっしゃったり、経済的な面でひとりで子どもを育てられなかったりなど、様々な理由から離婚することができず、再構築を望まれてご相談に来られる方が多いですね。

 

不倫発覚後に再構築するには?

――不倫した側とされた側では、再構築に向けて、そもそも立場に大きな差がありますよね。感情的にも、まったく異なるものを抱いていそうです。

 

北村さん:当然、不倫した側は謝ることしかできませんよね。しかし、どれだけ謝っても「あのとき不倫したでしょ」と何度もののしられ、心の底から反省しているのに許してもらえない。心を入れ替えて頑張っているのに信用してもらえない、というストレスがあるようです。

 

一方、不倫された側はもちろん信用できませんし、いつまで経っても心の中は猜疑心(さいぎしん)でいっぱい。相手を許して良好な夫婦関係に戻りたい気持ちもあるものの、過去のフラッシュバックもあり、何度も責めてしまう。離婚せずに夫婦関係を修復しようと決めたものの、心の中の整理ができない。

 

このように、不倫した側とされた側では心理的に大きな違いがあります。

 

――なかなか解決が難しそうです……。どのように夫婦関係を再構築していけばいいのでしょうか。

 

北村さん:やはり不倫発覚後の再構築においても、そのご夫婦によって解決策は異なります。まずは、このような不倫問題が起こる前はどのような夫婦関係だったのか、お互いにどのような不満を抱いていたかなどをヒアリングして、「どうして不倫に至ったのか」という、根本的な問題を見直すところから始めます。その上で、関係修復に向けてどのようなステップが必要かを考えていきます。

 

不倫された側はどうしても心に大きなトラウマを抱えてしまい、心身に不調をきたすことが多いので、個人カウンセリングの機会を設けて、長期的な心のケアをすることも多いです。

 

繰り返しになりますが、不倫された側が過去のトラウマを乗り越えて相手のことを再び信用し、再構築に至るまでは長い時間がかかります。そのため、ゆっくりと時間をかけて、奥様と旦那様がそれぞれの課題に向き合っていくことが大切です。

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

今回は、夫婦カウンセラーの北村さんに、夫婦カウンセリングでよく寄せられるお悩みについてお話を伺いました。北村さんによると、産後クライシスや不倫発覚後の再構築のお悩みが特に多いそうです。

 

もしかしたら、本記事を読んでいる方の中にも、ずっと同じことで悩み続けてつらい日々を過ごしている方がいらっしゃるかもしれません。「相手を許せない自分がおかしいのか」「なぜ自分がこんなにも責められないといけないのか」と自問自答を続けるのは、精神的にとてもつらいものです。

 

そんなときは、中立的な立場から寄り添ってアドバイスをくれる専門家に相談してみると、少しは心がラクになるかもしれませんね。

 

イラスト/にしこ

 

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