初めて見るわが子の姿にパニック…
ある週末の夕方、末っ子が熱を出しました。そこまでの高熱ではなかったので、様子を見ながらお昼寝させていました。しかし、お昼寝から目覚めると、目が合わず、焦点がおかしいことに気づきました。すると突然、けいれんし始めたのです。
私は、初めて見るけいれんするわが子に予想以上に動揺してしまいました。けいれんが始まったら5分様子を見る、動画を撮影しておく、などのどこかで見たり聞いたりした情報が頭を駆け巡りましたが、結局パニックで何も実行できませんでした。その場にいた上の子たちもひどく動揺してしまい、休日だったので119番に連絡しました。
状況を話すと、すぐに救急隊の方が来てくれて、そのまま救急病院で診てもらい、症状は落ち着きました。それ以来、熱が出るとけいれんはないものの、熱せん妄を起こすようになり、叫んだり怖がったりするようになったのです。
初めての熱せん妄のときも、熱性けいれんのときと同様に焦りましたが、そのとき診てくれた先生が、まずは私が落ち着くことが何よりも大切だと言い、熱せん妄の対処法と、改めて熱性けいれんの対処法を丁寧に説明してくれたので、それからは慌てずに対処できるようになりました。少しでも熱を出したら、片時も離れず側にいて見守り、手を握ったり体をさすったりしながら安心させるようにしました。日頃から見聞きしていたとしても、不確かな知識で対処したり、自己判断せずに冷静に医師へ指示を仰ぐことがとても大切だと実感しました。
お子さんが熱性けいれんを起こしたら、唾液や吐物を詰まらせないように横向きに寝かせ、呼吸しやすいように顎を少しあげて気道を確保します。また、あとで医師に伝えられるよう、けいれんしている様子や時間を把握しておくことも大切です。5分以内にけいれんが自然におさまり、意識が回復したら、落ち着いて医療機関を受診しましょう。しかし、5分以上けいれんが続く場合や、意識状態や呼吸状態が悪かったり、けいれんを繰り返す場合は、ためらわずに救急車を呼びましょう。
熱せん妄を起こしたら、外に飛び出したり、危険な物を口に入れたりしないよう、必ず近くで見守りましょう。また、幻覚や幻聴でパニックになることがあるため、不安にならないよう手を握ったり体をさすったりしてあげると良いです。しかし、熱せん妄と脳症は見分けにくいため、異常行動が1時間以上続く場合や意識障害がある場合、改善後に再び異常行動をする場合は、すぐに病院を受診しましょう。
※高熱に伴う異常行動を総じて「熱せん妄」と言います。症状には、幻覚が見えたり聞こえたりするほか、錯乱して支離滅裂な言動をしたり、急に部屋を飛び出したり窓を開けて飛ぼうとしたりといった異常行動がみられます。多くは一時的なもので後遺症などの心配はありませんが、脳炎などでも似た症状が起きる場合もあります。意識障害、数時間の異常行動、しびれや麻痺などの症状があれば受診しましょう。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:佐藤 夏菜子/40代・女性・主婦。3人の子どもを育てる母。
イラスト:miyuka
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年10月)
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