臭みを取っていつもの料理を格上げ!
今回参考にしたのは、NHK『おはよう日本 関東甲信越』で、元水産庁官僚・ウエカツさんこと上田勝彦さんが紹介したテクニックです。手軽に、ぶりの臭みをとれる裏技は必見!
また、記事の後半では、ウエカツさんが漁師時代に食べていたという、長崎県・野母崎半島の郷土料理「ぶりのさしがみ」のレシピをご紹介します。
水は一切加えず、甘辛いだしでワイルドに具材を煮込んだ漁師メシは、この冬ぜひ試していただきたい逸品です。
元水産庁官僚直伝「ぶりの下ごしらえ方法」
材料(お好みの量で)
- ぶり(切り身)…お好みの量
- 塩…適量
下ごしらえ①ぶりを水で洗う
ぶりを、流水で3秒ほど洗い流しましょう。
下ごしらえ②水気を取り除く
水気を、しっかりと拭き取ります。
下ごしらえ③脱水する
水で洗ったことで身がふやけるので、塩を振りかけて脱水します。余計な水分が出たら、再度水で洗って水気を拭き取りましょう。
これで、ぶりの臭みがしっかり取れました。
お手軽漁師メシ!「ぶりのさしがみ」の作り方
材料
- ぶり(刺身用)
- 玉ねぎ
- 白菜
- 酒
- しょうゆ
- 砂糖
- 赤唐辛子
さすがは、海の男の漁師メシです。分量はすべてお好みとのことで、豪快そのもの。
私は己の器の小ささを証明するかのごとく、薄目で大さじをすり切りながら慎重に調味料を加えました。
ぶり1柵に対し、玉ねぎ1/2個、白菜1/8個、酒大さじ6(90ml)、しょうゆ大さじ6(90ml)、砂糖大さじ2、赤唐辛子2本を使用しています。
ウエカツさんいわく「だしは、ちょっと甘すぎると思うくらいがちょうど良い」らしいので、すきやきの割り下くらいの味つけを目安に、お好みで調整してみてください。
作り方①ぶりを切る
下ごしらえしたぶりを、1cmくらいの厚さに切りましょう。
作り方②野菜を切る
白菜は、食べやすいサイズにざく切りにします。玉ねぎは繊維を断つように切っておいてください。
作り方③つゆを作る
鍋に、酒、しょうゆ、砂糖、赤唐辛子を入れて煮立てます。
砂糖をたっぷり入れて、甘辛い煮付けやすき焼きの割り下くらいの甘さにしてください。
作り方④具材を入れる
ぶり、白菜、玉ねぎを入れて煮込みます。お好みの時間、火を通したら完成です。
【実食】脂ののった「ぶりのさしがみ」を食べてみた!
湯気にのった甘辛いお出汁と磯の香りが部屋中を包み込み、空気が美味しい……(大自然の中でしか聞かないセリフ)。
あまりにいい香りなので、アパートの隣人が「何のご馳走?」と、箸を持ってやってくるのではないかとビクビクしながら、いただきます!
ぶりの煮付けとよく似た味付けなのですが、何かが違う。
玉ねぎや白菜のほのかな甘みが、ぶりの濃厚な脂と絡み合い、煮付けでは味わえない奥深い味わいを生み出しています。
そこに赤唐辛子のピリッとした刺激が加わることで、甘さと辛さのバランスが絶妙に整い、食欲をそそる仕上がりに。
また、ぶりにしっかりと厚みを持たせてカットしたことで、噛むと脂がじゅわっと広がり、食べごたえ抜群です。
煮込んだぶりが、かたくなってしまったのではないかと心配しましたが、腹側の切り身を使ったので、ほろっとやわらかい。
甘めのしょうゆ味が、ぶりによく染み込んでいて、ご飯が欲しくなります。
数切れは、さっと火を通してぶりしゃぶ感覚で食べてみたのですが、ジューシーなレア感が絶品!下ごしらえをしているので、特有の臭みもありません。
暖かい部屋で漁師メシを食べられるなんて、とても贅沢な話ですが、寒い中でハフハフしながら食べるのも美味しそうですね。
ぶりを買ったらウエカツ流の下ごしらえをお試しあれ!
海の恵み×漁師の知恵から生まれた「ぶりのさしがみ」。
ウエカツ流の下ごしらえをしたことで、臭みもなく美味しくいただけました。
新鮮な刺身用のぶりが手に入ったら、ぜひお試しくださいね。