記事サムネイル画像

「泣けたわ…」自分が介護したと話す夫に感動する親族→え?全部嘘なのに…私を救ったのは亡き義母!?

義母の介護が始まって10年。夫は手伝いもせず、文句だけ言って私に丸投げです。それどころか夫は、飲み会からの帰りに車で駅まで迎えにこいと言います。義母はたまに夜中にパニックを起こして大騒ぎをするので、あまり家をあけたくないのですが……。しかし、そんなことすら知らない夫は、勝手なわがままばかり。

義母は認知症気味ですが、記憶がはっきりとしているときもあります。そんなときは夫の名前を呼び、とても寂しがっています。話が通じなくても、相づちを打つだけでもいいから話してあげてと夫に頼んでも、義母をうっとうしがり、嫌がります。

 

その上、お葬式や亡くなったあとのことばかりを気にしていて……。最近、知り合いから相続のことなど、いろいろ助言されたようなのですが、結局何かをするのは私。あれこれ今から調べておくようにと、夫から言いつけられました。

 

義母が亡くなり、お葬式で夫は…

5カ月後、義母が他界。葬儀まで滞りなく終了したのですが、私は今、不快感でいっぱいです。きっかけは、夫の喪主あいさつでした。あたかも自分が10年間ずっとひとりで介護をしてきたかのような口ぶりで、「大変だったけど頑張って良かった」と言ったのです。私にすべてを丸投げして、義母をうっとうしがっていたのですが……。

 

親戚から介護と喪主を立派に務めたとほめられる夫は、ひとりでいい気分。私が文句を言うと、「ああ言ったらみんな感動するだろ? お前は黙ってろ」と、参列者を感動させるために嘘をついたと言うのです。

 

今まで何度も、夫に手伝ってほしいと伝えてきた私。介護が肉体的にきついということもありましたが、それよりも義母の気持ちを察してのことでした。義母は「ごはんを作ってあげなきゃ」「洗濯をしてあげなきゃ」と、最後まで夫の世話を焼こうとしていました。

 

それなのに夫は、仕事を言い訳に何もしてあげなかったのです。あえて避けているところもありました。介護を始めるとき、2人で協力してやろうと約束したのですが、結局は私がひとりで義母のお世話をしたのです。介護のために好きだった仕事も辞めて、10年間ひとりで頑張ってきたのは私。それなのに、夫からはねぎらいの言葉1つありません。

 

私の不満に気づいた夫は、「はいはい、おつかれさん。これでいいだろう? 満足か?」と……。さらには、「養われている分際で文句を言うな。本当のところは介護がなくなって清々したって内心は喜んでいるんだろ?」とまで言われ、涙が出そうになりました。あまりにも、私をバカにしています。

 

私にあたたかい言葉をかけてくれたのは?

数日後、夫の叔母から私に連絡が入りました。私たち夫婦を気づかって、「何か手伝えることがあったら言ってね」と声をかけてくれました。


「介護、頑張っていたのね」
「葬儀のあいさつで泣けたわ……」

やはり夫の叔母も、喪主の感動的なあいさつにすっかり騙されていました。「仕事もあるのに付きっきりで親の介護をしていただなんて、本当に立派ね」と言われて、私は虫ずが走りました。思わず、言い返してしまったくらいです。


「夫は10年間何もしてませんよ」
「全部嫁の私に丸投げです」

私は、真実をすべて話しました。参列者を感動させるために夫が嘘八百を並べ立てたことを知った夫の叔母は激怒し、何もせずに自分だけいいとこ取りをするなんて最低、許されないことだと言ってくれました。

 

それから私は、夫の叔母にありとあらゆることを話しました。夫が義母を毛嫌いし、寂しがる義母に近寄りもしなかったことや、平日は飲み歩いて週末は遊びほうけていたことまで、すべて話したのです。

 

ひとしきり話が終わると、好きだった仕事を辞めて義母に尽くした私を、「よく頑張ったわね」とほめてくれました。誰かにほめられたくてしていたわけではありませんが、誰かに自分の苦労を知ってほしかった私。あたたかい言葉に涙が溢れました。

 

反撃!

私は、夫の叔母からの後押しもあって、感謝もせず私のことをバカにしている夫にお仕置きをすることにしました。すべて知っていると夫の叔母が詰め寄ると、夫はうろたえるどころか、私が情緒不安定の嘘つきだと主張。しかし、夫の叔母の怒りがおさまることはありません。私たちには、夫がこれまで義母に対して何1つしてこなかったことを証明する物があるのです。

 

認知症予防のために、ずっと日記をつけていた義母。短い文章でしたが、亡くなる半年ほど前まで毎日欠かさずつづられていました。そこには、私にばかり迷惑をかけてしまい申し訳ないという気持ちや、息子が構ってくれない寂しさなどが。さらには、夫から浴びせられた暴言に対して震えた字で「ごめんね」と書かれていました。そして、私への感謝の気持ちが毎日たくさんつづられていたのです。

 

この日記の内容を、夫の叔母が親戚の人たちに知らせてくれて、今では親族全員から反感を買っている夫。それでも夫はまだ、親戚との仲を裂くなんてひきょうだと私を責めてきます。

 

しかし、親族と夫の冷え切った関係は、ただ元に戻っただけ。実は、昔の夫はすごくやんちゃをしていて、警察沙汰も多く、迷惑ばかりかけていたので親戚から煙たがられていました。そんな問題児が更生して親孝行者をしたと感動し、親族はみんな葬儀で涙を流していたのです。

 

そして、私は離婚を決意。親戚全員に味方をしてもらい、無事に夫と別れることができました。夫は親族から縁を切られてしまいましたが、私は今でもみなさんと仲良くさせてもらっています。これからは好きなことを楽しんで、自分のための人生を謳歌したいと思います。

 

◇ ◇ ◇

 

義母の日記の内容に胸が締め付けられます。息子に避けられ寂しい義母の気持ちと、そんな義母の姿に心を痛める妻の気持ちを考えると、悲しくなってしまいますね。夫が日記を読んで後悔しても、もう親孝行は叶いませんが、せめて自分の行ないを悔いて更生してくれたらと思います。

介護は家族の問題。誰かひとりだけに負担がかかるようなことになってはいけません。家族だけでの対応が現実的でなければ、専門のスタッフの手を借りるなどして、誰かひとりだけが疲弊することのないよう考えたいですね。

 

【取材時期:2024年12月】

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ベビーカレンダー記事制作の取り組み
  • \ この記事にいいね!しよう /
    シェアする

    • コメントがありません

    この記事の著者
    著者プロファイル

    ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

    読者からの体験談をお届けします。

    同じ著者の連載

    新着記事が配信されたら、メールやプッシュ通知でお知らせ!
  • 気になる記事をまとめ読み

    人気連載

    新着連載

    連載完結

    もっと見る

    注目記事を探す

    人気記事ランキング

    アクセスランキング
    コメントランキング

    お得な無料キャンペーン

    エンタメの新着記事

  • PICKUP

    他のテーマの
    記事を読む