「パパとママから、草津に旅行に行ったって聞いたわよ!私は置いてけぼり!?」と義妹。しかし、私はだいぶ前に、義妹に「草津へ温泉旅行に行くけど、一緒に来ない?」とメッセージを送っているのです。
そのことを伝えると、「今の今までブロックしてたんだから、そんなの知ってるわけないじゃない!」と義妹は怒り出して……?
どこまでも自分勝手な義妹
「大事な連絡なら、電話かけてきなさいよ!」と言った義妹。しかし、以前私が電話をかけたときに、義妹は「簡単に電話してこないで!」「着信履歴にあんたの名前が残るのが嫌なのよ!」と言ったのです。
それに、私は夫からも義妹に連絡してもらっていました。「妹の旦那が出て、『伝えておきます』って言ってたよ」と夫は言っていたのですが……。
「あ、もしかしてあのときの……でも、旦那が『お義父さんたちと一緒に家族旅行どう?』って言ったから!だから断ったのに!」と義妹。
「お兄ちゃん、どうせうちの旦那も誘ったんでしょ!」「私はできるだけ旦那と一緒にいたくなかったから断ったの!私だけを誘いなさいよ!」とあまりに理不尽なことを言ってきました。
「私だけを仲間外れにして……こうなったら、実家に帰ってパパとママの一番近くにいてやろうかな」と言い出したので、「仲間外れなんて、そんなつもりはないわよ」「それより実家に帰ってくるって……旦那さんを連れて、同居するってこと?」と言った私。
「私1人で帰るわよ」「もともと離婚するつもりだったし」
「えっ」と声をあげてしまった私。義妹のわがままを笑って許してくれる、仏のような旦那さんと離婚するなんて……!
「最近じゃ彼氏とのデートのほうが楽しいし♡」「浮気がバレる前に離婚して、慰謝料払わず財産分与でがっぽりもらって実家に帰ることにするわ!」「それで、高収入な男を見つけて再婚するの♡」
義妹から繰り出されるとんでもない発言の数々に、私は言葉を失いました。自分のしたことの重大さをわかっていないどころか、その責任から逃れようとするなんて……。
しかし、義妹の勢いは止まりません。「嫁は結婚した家族のために働く生き物なんだから、これからは私の言うことは絶対よ」と言って、私をこき使う宣言までしてきたのです!
義姉をあごで使う義妹
1カ月後――。
義妹は離婚手続きを済ませ、義実家へ帰ってきました。そして、宣言どおり、私をこき使うようになったのです。
「お義姉さん!私、ショッピングモールに買い物に行きたいから車を出してくれない?」「お兄ちゃんに、『離婚祝いのお小遣い、早くちょうだい』って言っておいて!」「今夜飲み会に誘われてるから、送迎よろしくね~!」
そんなことを急に言われても……。私にだって予定があるのです。
「今日は予定が詰まってるから無理よ」「病院に行ってから晩ごはんの買い物、そして帰り道に旅行代理店でパンフレットももらわなきゃならないから」「そもそも、なんで私が車出さなきゃいけないのよ……」と断ると、「はぁ?あんた、私の言うことが聞けないわけ?」「私の言うことを聞けないっていうなら、家族って認めてあげないからね!」と義妹は逆ギレ。
「それに、旅行代理店ってなによ!」「また私をのけ者にして旅行に行こうって魂胆ね!?」
そこで、私はまた旅行を計画していることを打ち明けました。「ハイキングに行って、温泉で汗を流してのんびりしようと思うの」「あなたも一緒に来る?」と言うと、「私、汗かくのも山も無理ー」と義妹。
「じゃあ、今回もお義父さんとお義母さん、夫と私の4人で行ってくるわね」と言うと、「いや!今度は私が旅行の計画を立てるわ!」「せっかくだからグアムとかのほうがよくない?」「サイパンとかシンガポールでもいいよ!あ、奮発してハワイなんてどう?」と義妹は言い出しました。
海外旅行はこのシーズンだと高いし、そもそも私たちはパスポートを持っていません。それに、義父が温泉が好きなので、できれば国内でのんびりできるところを考えていたのですが……。
「そうと決まれば、今すぐ旅行代理店に行かなくちゃ!」「送迎はいらないわ、タクシーでちゃちゃっと行ってくるから!」と言って、私が止めるのも聞かず、義妹は旅行代理店のあるショッピングモールへ行ってしまったのでした。
本当の家族旅行
1カ月後――。
「今日は待ちに待った家族旅行ね!」「もうパパとママも家を出てるし、私もそろそろ出るから空港で会いましょうね~!」と連絡してきた義妹。しかし、「あ、でも、飛行機の席も、ホテルも4人分しか取ってないや」と続けました。
「飛行機もホテルもパパとママとお兄ちゃんと私の4人分しかとってないのw」
「あなたは家族じゃないしw残って自分の旅費でも稼いでなさいよw」
「全員ホテルに着いたけど…?」
「え?」
「パパとママが家を出たのは今朝早くよ?そもそも飛行機の時間だってまだだし、もうグアムのホテルにいるなんてありえないでしょ!」と義妹。
「えっと……グアム?私たちがいるのは湯布院だけど……?」「今回は湯布院での温泉旅行のはずだけど、あなたはグアムに行くの?」と聞くと、「だって、空港とか飛行機とかの話してたじゃん!グアムに家族旅行でしょ!?」と言ってきました。
「だって、九州までは新幹線より飛行機のほうが早いもの」「しかも朝イチの便だと安く乗れるから、朝早くにお義父さんとお義母さんに来てもらったのよ」「あなたは昼過ぎの便で来るって言ってたから、チェックインの時間に合わせてくるのかと思ってたんだけど……まさか行き先が違ったとは……」
義妹は私たちの話をよく聞かないまま、「空港」「飛行機」のワードだけでグアムに行くと思い込んでいたらしいのです。そして、私を除く4人分の飛行機とホテルの予約を取っていたそう。
「ちょっと待ってよ!私英語もできないし、1人で海外旅行なんてできないよ!」「パスポートだって初めて作ったんだから!」「今すぐパパたちをこっちに向かわせて!一緒にグアムに行くの!」と義妹。
湯布院のほうだってすでにお金も払ってしまっています。困った私は義両親に駆け寄り、簡単に経緯を説明しました。
すると、義父が私のスマホを取り、「グアムより温泉でゆっくりするほうが良い」と義妹に言いました。次に義母も「人の話をちゃんと聞かずに思い込みで突っ走ったんだから、少しは痛い目を見なさい」と続けました。
それでも、「パパたちが来てくれないと、今回の旅行代、全部私が出すことになるじゃない……!」「私が財産分与で元旦那からぶんどったお金、ほとんど注ぎ込んだのよ!?」「ここで貯金がゼロになったら、ラクに生活しながら次の高収入男を探す計画がパーになる!」と懲りない義妹。
「そうだそうだ、あなたの元旦那さん、うちに来たわよ」「記入済みの離婚届を置いて、貯金の半分を勝手におろして、家出同然で実家に戻ったそうじゃない」「だから、あなたが離婚した本当の理由とか、浮気の話とかも含めて私が知ってることはすべて話しておいたわ」
「う、嘘でしょ……」「こんなの絶対、慰謝料請求される流れじゃん……!」と慌て出した義妹に、私は「あと、来月末には実家も取り壊すから自分で住むところを探してね」と追撃しました。
「なによそれ!?聞いてないんだけど!」と言う義妹に、「あなた、日中はショッピングだヨガだピラティスだって、ほとんど家にいないじゃない」「夜も飲み歩いて帰ってくるのは夜中だし……私たちと生活サイクルが合わなくて話す機会がなかったのよ」と義母。
もともとは私たちとの同居を計画していた義両親。義妹が帰ってきたことによってその話はなくなりかけたのです。
義妹のひどい生活や私への態度、そして本当の離婚理由を知った義両親は「このままじゃいけない」と言って、義妹を独り立ちさせることを決断。義両親はいったんマンスリーマンションへ引っ越し、その間に義実家を二世帯住宅に建て替えることにしたのです。
「そ、そんな……私、一人暮らししたことないのに……」「私の計画、全部おじゃんじゃない……」と絶望する義妹。「まぁ、まずはグアム旅行を楽しんだら?私たちも湯布院を楽しむから!」と言って、私はやり取りを終えました。
その後――。
義妹の元夫は、義妹の浮気を徹底調査。結局、義妹は多額の慰謝料を請求されることになりました。義妹は義両親に泣きつきましたが、義両親は「自分のしたことの責任は自分でとりなさい」と一蹴。義実家を追い出された義妹は、アパートを借り、アルバイトをしながらなんとか食いつないでいるようです。
今、私たち夫婦は義実家の建て替えの進捗を確認しながら、また義両親との旅行計画を立てています。私のことを本当の娘のようにかわいがってくれる義両親に、せいいっぱいの恩返しをしたいと思っています。
【取材時期:2025年1月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。