GPSを持たせていれば安心?
長女が小学1年生になったばかりのときの話です。娘の通う小学校は、車通りの多い道路に面した通学路で、自宅から片道30分かかる距離でした。
少し不安はありましたが、友だち数人と一緒に登下校するので「ちゃんと帰ってくるだろう……」と思いながら、下校予定時刻ごろになるとスマホで娘のGPSの位置を検索してみるのが日課となっていました。
ある日いつものようにGPSの位置情報を見ていると、徐々に小学校から自宅へ向かって移動しているのがわかりました。始めはずっとスマホに食らいついて確認していたのですが、ゆっくり歩いているようであまり変化がありません。そこで、5分くらい経ってから改めて確認してみると、まださっきと場所が変わっていないのです。GPSの誤差かもしれないと思い、今度は10分待って再確認するも変化なし。だんだん私は「GPSを落としたんじゃないか」「けがをした?」「事故?」と悪い方にばかり考えるように……。
居ても立っても居られなくなった私は、GPSの示している場所へ自転車で向かいました。5分ほどで到着しましたが、近くに娘もGPSの端末も見当たらず、あたりを20分くらいグルグル走り回りましたが一向に見つかりません。娘が姿を消した!? と焦りましたがわれに返り、それまで必死に探し回っていて、到着してからはGPSの位置情報を確認していなかったことに気づきました。そこで、もう一度スマホで見てみると……。なんとGPSは自宅の場所を示しているではありませんか! 私は急いで自宅に戻ることに。すると、娘は無事に帰っており「おかえりー」とのんきな笑顔でお出迎え。状況を飲み込めない私が玄関に立ち尽くしていると、娘が「今日は友だちと違う道から帰ってきたよー」と言うのです。どうやら、GPSが動いていなかった時間は、友だちと草をいじったりおしゃべりをしたりして立ち止まっていたそう。そして、私が探しに向かっていたときには、すでに別の道から家に帰っていたのだとか。
私の悪い想像が杞憂に終わってよかったものの、娘には通学路から外れないで帰ってくるよう改めて教え、私がどんなに心配したかも伝えました。それを聞き、娘は反省したようで「ごめんね」と言ってくれたのでした。
娘には、「道草せずに帰ってきて!」と言ったものの、私も早とちりせずに娘を信じて待っていればよかったのかもしれません。しかし、信じられないような事件や事故が起こる昨今。娘の登下校を安心して見守るために用意したGPSで、こんなにも振り回されることになるなんて……。いざというときのためにGPSは持たせ続けるつもりですが、一旦冷静になって考えることも重要だと学んだ出来事となりました。
著者:海津さとみ/30代・ライター。プチ反抗期中の10歳の長女と、おませでしっかり者の5歳の次女を育てるシングルマザー。離婚を機に移住し、新たな環境での子育てに悪戦苦闘しながらも、自分たちらしい家族のカタチを目指す日々を送っている。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年2月)
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