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「どうせ金目当てだろう!」私を貧乏人だと見下す婚約者の父親→見かねた彼がピシャリとひと言放った結果…

彼氏からのプロポーズを受けて、結婚の準備を進めていた私たち。しかし、彼のご実家へあいさつに伺うと、彼のお父さんに玄関先で信じられない暴言を浴びせられたのです……。

わけがわからず立ち尽くしている私に、「絶対に息子とは結婚させないからな!」と言ってきた彼のお父さん。

 

「息子から聞いているぞ! お前の実家はただの平凡な家庭らしいな……。先祖代々続く大地主で由緒あるわが家の地位を考えたら、お前の実家は底辺だ!」「そんな貧乏人の娘がわが家の嫁になるなんて……。そんなこと絶対にあってはならん!」「どうせ、わが家の資産が目当てなんだろ!」「貧乏人との婚約は破談だ!」と、私だけでなく、私の実家まで見下してきたのです。

 

そのとき彼が「なんてこと言うんだよ!」とお父さんに言ってくれましたが、私も売り言葉に買い言葉で、「結婚なんて、こちらから願い下げです!」とその場で言い返してしまいました。背を向けて走って帰ろうとすると、彼が慌てて「ちょっと待って!」と追いかけてきましたが、お父さんに捕まえられて、止められてしまったよう。2人は口論になっていましたが、私はそのまま立ち去ることにしました。

 

角を曲がったあたりで、「やっちゃった……結婚できなくなっちゃった……終わった……」と頭を抱えた私。当たり前ですが、彼と結婚したいのです。ただ、あまりにも頭にきたので、勢い余って言い返してしまったのです。

 

数時間後、彼から電話がかかってきました。

 

 

彼とお母さんが下した決断

「ごめん! 俺の親父が失礼なことばかり言って……本当にごめん!」と彼。

 

「あなたが謝ることじゃないよ」「でも……これから、どうしようか? あの様子じゃ、あなたのお父さまは絶対に、私たちの結婚を認めてくれないし……」「やっぱり、別れるしかないのかな?」私がそうつぶやくと、彼は半泣きで「そんなの絶対に嫌だ!」と声を上げました。

 

「俺が結婚したいのは君だけなんだ!」「あんなダメ親父のせいで別れるなんて、絶対に嫌だよ!」

 

そうは言っても、あのお父さんをどうにかしない限り、結婚は難しそうです。しばらく無言でいたあとに、彼はポツリととんでもないことを言い出しました。

 

「……俺、君の家に婿入りする」「だから、どうか俺と結婚してくれ!」

 

もともと、一人息子だから婿入りは絶対にできないと言っていた彼。しかし、お父さんの姿を見て、考えが変わったと言うのです。

 

「俺は小さいころから、『実家を継げ』って育てられてきた」「でも、あんなふうに代々続く地主一家っていう肩書きにこだわって威張り散らして……。むしろこんな恥ずかしい家は、俺の代で終わりにするべきなんだ」

 

真剣に語る彼の言葉から、決意の固さを感じ取った私。しかし、やっぱり心配なのは彼のお父さんのことです。私がその懸念を口にすると、彼は「まず、母さんに確認してくる」と言って、いったん電話を切りました。

 

 

 

再び電話をかけてきてくれた彼は、「母さんに相談してみたら、大賛成してくれたよ!」と、彼はうれしそうに言いました。

 

「母さんも君に謝りたいって言ってたよ」「あと、『父さんは価値観が古くてどうしようもないから無視しなさい』『親なら子どもの結婚は全力で祝うもの。それを理不尽に反対する人のことは気にしなくていい』って言ってた」

 

今までの彼から聞いていたお母さんの話から、お母さんに対して、「夫に従っているおとなしい女性」というイメージを抱いていた私。しかし、彼によると「大事に育ててきた一人息子が、理不尽に振り回されるなんて許せない」と言って、お母さんも激怒しているそうなのです。

 

「わかった、まずはうちの両親にも連絡してみる」「私も一人娘だから、あなたが婿入りしてくれるなんて知ったら飛び上がって大喜びするはずよ」と言うと、彼は弾んだ声で「すぐにでもあいさつに行かないとな!」と言っていました。

 

 

肩書きを鼻にかけていたお父さんの寂しい末路

翌日――。

 

「息子から聞いたが、うちの息子との結婚は諦めたらしいな。まぁ当然のことだけどな」「生意気そうな態度は鼻につくが、婚約破棄になったならもうどうでもいい……。二度とうちの息子に近づくんじゃないぞ!」と、なぜか私のスマホの番号を知っていた彼のお父さんから、突然メッセージが送られてきました。

 

「はぁ……相変わらずですね」「息子さんはやさしくて素敵な人なのに、父親があなたのような人で非常に残念です」と返すと、「俺だって息子が連れてきた女が貧乏人でがっかりしたよ」「金目当てのために玄関先で必死に騒ぐ姿はこっけいだったな」と向こうも言い返してきました。

 

「だが、よくわかったんだろう!? お前みたいな女はわが家にまったく釣り合っていないことをな」「わが家は由緒正しい家柄だ! お前みたいな一般家庭の貧乏人は二度とわが家に近づくな!

 

 

 

「お父さん、わかってないなぁ」

「諦めたのは、彼女の嫁入りだよ」

 

私に代わって、返信したのは彼でした。「は? 『お父さん』ってお前……一緒にいるのか? どういうことだ。結婚を諦めたんだろう?」とお父さん。

 

「諦めたのは彼女の嫁入り。俺が婿入りすることにしたから」「俺、お父さんに『諦めたよ』としか言ってないのに、勝手に勘違いするからさ」

 

お父さんに追い打ちをかけるように、彼のお母さんが続けました。

 

「……あなた、私よ。お願いがあるの。私と離婚してください」

 

お母さんは彼と一緒に、昨日のお父さんの言動を、私に謝りに来ていたのです。

 

「私は代々続く由緒正しい家柄の妻として、あなたの亭主関白にも耐えてがんばってきました……。でももう限界です」「だから私と離婚してください」

 

淡々とメッセージを打つお母さん。しかし、そこからは確かに怒りが感じられました。

 

「かわいい息子の結婚すら祝えないなんて……」「しかも息子の大事な人に暴言を吐くなんて……」「家柄を盾に自分は偉いと威張り散らして、周りを見下して……」「そんな人と私は釣り合うつもりはありません。だから、私と早く離婚してください」

 

普段は物静かな妻に一方的に言われて、一瞬気後れしたのか、しばらくお父さんから返信はありませんでした。しかし、数分後、我に返ったのか、お母さんのスマホにお父さんから電話がかかってきました。

 

「な、なんなんだ急に! この俺と離婚だなんてふざけるな!」「今まで俺に歯向かったことなんてないくせに……俺に向かってなんて態度を!」「離婚は認めないし、息子が貧乏人の女と結婚するなんてありえないからな!」と怒鳴りつけていました。

 

「息子たちを見ていたら、勇気が湧いてきたの」「あなたから『別れろ』と命令されても絶対に諦めず、婿入りという方法で彼女との結婚を選んだ息子には感動したわ」

 

「わが家の唯一の跡取りが婿入りなんて、絶対に認めるわけにはいかない!」と言い出したお父さんに、「何が跡取りですか!」とぴしゃりと言ったお母さん。

 

「貧乏女の家に息子が婿入りなんて、許すわけがないだろう!」大声を出すお父さんに、「あなた……貧乏なのはどっちでしょうね?」と冷静に返したお母さん。「は?」と、間の抜けた返事をするお父さんに、お母さんは説明を続けました。

 

「代々続く伝統や家柄を守っていくのは大変なこと、それなりに私もこの家には敬意を払っているつもりです」「しかし、もう今では何も守るものもないでしょう……。あなたの祖父母もご両親も、そしてあなた自身も、バブルがはじけた途端に好き勝手土地を売っていたではありませんか」「子どもが困らないようにと、若いころから堅実に資産形成をなさっていた彼女のご両親のほうがよほど立派ですし、生活に余裕があるんじゃないかしら?」

 

「な、なんだって……? 俺が、俺の家が、あんな小娘ごときの家よりも貧しいって言うのか!?」と声を震わせたお父さん。しかし、お母さんの追撃は止まりません。

 

「対してわが家は見栄っ張りの貧乏家庭、売れそうな土地も残っていないし、生活のために私がパートに駆り出される始末……」「あなたの散財のせいで、家計はひっ迫してるんです。そんなこともわかっていないなんて……」「とにかく、こんな恥ずかしい家、もう耐えられません。だから私と離婚してください」「離婚届は後ほどそちらに郵送しますから」

 

「ま、待て! お前本気で俺と離婚するつもりなのか!?」「うちの家計がひっ迫してるって本当なのか?」と焦るお父さんに、「えぇ、前から何度も話しているのに、あなたってば聞く耳がないんですもの」「もうあなたの顔なんて見たくありません」と返したお母さん。電話を切って、私にウインクしたあたり、本当は茶目っ気のある女性なのでしょう。

 

その後――。

 


彼のお母さんは宣言どおり、お父さんと離婚しました。あれほど威張り散らしていた彼のお父さんも、弁護士の介入を受けて、あっさりと離婚届にサインしたそうです。今では「嫁にも息子夫婦にも逃げられた元地主」と陰口をたたかれ、引きこもりがちだそうです。

 

そして、彼はお父さんと絶縁し、私の家に婿入りしました。私の両親はとても喜んでいました。結婚して、私の義母となったお母さん。よくしてくださった恩返しをしたいと夫に相談し、私たちは義母がひとり暮らしをしている家から徒歩10分ほどのところに住み始めました。今は、義母とお互いの家を行き来して、良い関係を築いています。というのも、義母はもともと明るい性格だったようで、よく笑うので、私も自然と笑顔になるのです。一時はどうなることかと思いましたが、結果的に幸せをつかめて本当によかったです。

 

 

【取材時期:2025年4月】

※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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    ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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