ちょっと頼りない男性と結婚した友人
私の友人は、ダメ男に好かれるタイプ。過去に付き合ってきた男性は、いずれも手がかかるタイプで、面倒見がいい友人が母親のように世話をしている感じでした。
友人は、30歳で現在の夫と結婚。しかし、交際当初は、私を含め周囲は「本当にその人で大丈夫?」と心配が尽きませんでした。というのも、出会いは深夜のコンビニで、看護師として働き、夜勤帰りだった友人に彼が声をかけてきたのがきっかけ。そのまま家まで付いてきて、ずるずると付き合い始めたのです。仕事はしていましたが、日雇いで収入は安定せず、友人が家に住ませていたのでした。
しかし、彼は気がやさしく、私たちとも気さくに接してくれました。仕事をいくつか掛け持ちして頑張っていたので、「この人なら友人も幸せになれるかな」と思うようになりました。その後、2人の交際は順調にいき、結婚し、子どもも生まれ、順風満帆に見えたのですが……。
義父には義母も知らない前妻と子どもが!
結婚して8年目。ある日、友人の義父が亡くなり、相続の手続きをすることになりました。義父の財産を相続するのは義母と夫の姉、夫の3人だけのはず。しかし、弁護士に依頼し相続人調査などを進める段階で、実は義父には前妻がおり、子どももいることがわかったのです。それは、義母もまったく知らないことで、家族は大きな衝撃を受けました。
弁護士から前妻とその子どもに連絡を取ってもらったところ、前妻やその子どもは「そんな昔の人とは、もう関係ありません」と相続放棄を選んだそう。そのため、相続手続き上は大きな問題になりませんでした。
しかし、とりわけ義母は財産分与うんぬんではなく、自分の前に結婚した人がいたことを何も知らされていなかったことに、ショックを隠し切れない様子。何十年も前の話とはいえ、「そんな話は聞いていない」と怒りをぶつけたくても、ぶつける相手はすでにこの世にはいません。亡くなった義父の写真を目の前に、しばらく複雑な気持ちで過ごしていました。
「親が親なら子も子…」ひとり冷めて見守る
そんなとき、友人だけはひとり冷静でした。もちろん、嫁という立場であるとはいえ、あくまでも夫の父親の話。友人にとっては、深く関われない、ということもあります。しかし、理由はそれだけではありませんでした。
実は、友人の夫にも友人と結婚する前に籍が入った女性がいたのです。婚姻届けを出す過程で判明し、すぐにその女性とは離婚手続きはしたそうです。しかし、友人と付き合い始めた時点では、いくら前の奥さんとは関係がなくなったとはいえ、法的にははまだ婚姻状態にあったわけです。本来なら、友人との結婚を考える前に役所で手続きを済ませるのが常識的マナー。そして何より、友人に結婚経験があり、まだ離婚していないことを正直に伝えるべきでしょう。
当時友人は結婚自体をやめることを考えたと言います。結婚式の日取りも決まり、婚姻届けを出すだけ、という状況下で判明したのですから当然です。しかし、夫や義母など家族に「もう隠し事はしません」「ごめんね、こんな息子だけどよろしくね」と説得され、考え抜いた末に結婚したそうです。
そんな事情があったので、義父の秘密にも、友人はびっくりするどころか「息子が息子なら親も親だな」と冷めた気持ちで見守っていたのでした。義母はショックでしばらく落ち込んでいたようですが、「あのとき、あなたもこんな気持ちだったのね、本当に情けない」と友人に言ったそうです。
まとめ
私は、友人の夫やその父親には本当にあきれてしまい、初めて聞いたときは驚き、怒りすら覚えました。しかし、友人は結婚時に一度裏切られているため、「夫はこういう人」だと覚悟して日々の生活を送っている様子。諦めというより、割り切った「強さ」を感じます。
私自身の場合は、夫に対してこのような不安を抱いてはいませんが、いつ想定しないことが起こるかはわかりません。夫のことを日々疑いながら生活するのは難しいですが、どんなときもしっかり乗り越えられるようにしておこう、と思わせる話でした。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:島野 雪乃/40代女性・主婦。アクティブな夫と4人の子どもと6人家族。最近はキャンプやプール、スキーなど家族で楽しむのが大好き。
イラスト/マメ美
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年5月)
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