婚約者から突然「お別れ」宣言
彼女とは仕事の付き合いで出会い、交際が始まりました。そして交際1年で婚約。しかし、ある日突然、その彼女から「話がある」と呼び出されました。彼女はどこかそわそわしていて、落ち着きがなく、少し間を置いてからこう切り出しました。
「実は、別の人からプロポーズされたの。こんなこと言うのは酷だとわかっているけれど……別れて」
彼女が言うには、プロポーズされた相手は「某企業の御曹司」なのだとか。彼女の左手薬指には、その御曹司からもらったのであろう、大ぶりの宝石がついた指輪がはめられていました。
まさか結婚を約束していた状態で別れ話をされるとは思っていませんでした。けれど、僕とその御曹司とを天秤にかけた際、金銭面で余裕がある御曹司を選んだということなのでしょう。彼女の中で揺るがないのだと悟った僕は、無理に引き止めることはせず「わかった。慰謝料だけ払ってくれたら問題ないから」とだけ告げ、彼女の言葉を受け止めました。
不思議と未練はなくて
彼女は、引き止められなかったことに少し驚いたようでしたが「慰謝料は払うから」と、そのまま去っていきました。結婚を約束していた相手からの突然の別れ……。驚きはしましたが、僕は不思議と未練はありませんでした。その理由は……最近の彼女に疲弊していたからかもしれません。
もともと彼女には嫉妬深いところがあるなと感じてはいましたが、結婚を約束したころから、より束縛が激しくなったと感じていました。
仕事の打ち合わせや食事会でも「誰と行くか、どこに行くのか、何時に終わるのか」を知りたがり、逐一報告する必要がありました。また、「打ち合わせ中でも食事会中でもメッセージはすぐに返事をして」と言われていました。できるだけ返事をしていましたが、少しでも返事が遅れると彼女は激怒。その激怒っぷりは手がつけられないと感じるほどでした。
「結婚に際して、彼女を不安な気持ちにさせたくない」と彼女の要望に応えていた僕でしたが、疲れていたのも正直なところだったのです。
噂で知った、元カノのその後
数カ月後、職場で同僚たちと何気ない雑談をしていると、元カノの話題が挙がりました。仕事の付き合いで出会っていたこともあって、彼女のことを知っている同僚も多くいたのです。その同僚たちが言うには、元カノは例の「御曹司」とは結婚しなかったとのこと。どうやら、元カノの激しい束縛で、御曹司に愛想をつかされてしまったらしい……という話でした。彼のほうから婚約破棄を宣言され、彼女は勤めていた会社も辞めたようです。
どこからそんな情報を仕入れてくるんだ……と思うのと同時に、噂話というのは本当にあっというまに広がってしまうのだなと感じた瞬間でした。(もちろん、僕が彼女に振られ、別の男性に乗り換えられたということも、悲しいことに、すぐに広まっていました)
別の男性を選び、自分の前から姿を消した彼女。その結果として結婚が白紙になるとは……皮肉な話です。当然、僕としては元カノに対して未練はなく、彼女には彼女の幸せを見つけてほしいと思っています。
そして、僕自身はどこかでまた素直に笑い合える誰かと出会えたら……そんな日がくることを、心のどこかで願っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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