兄と再婚したがる妻
A子からの電話に出てみると、いきなり「離婚してほしい」と言われました。急な展開に動揺しながらも僕は、「理由を説明してくれ」と発言。すると彼女は、僕の兄であるB男と結婚すると言うのです。どうやらA子は、「B男が次期院長になる」との噂を聞いたことで、B男に近づき、数カ月前から不倫関係にあったよう。
僕は「兄さんが次期院長? とりあえず、一度冷静に話し合おう」と説得を試みますが、彼女は「私はB男さんと再婚して、院長の妻になる。この家からは出て行く」の一点張り。
仕事が終わり急いで家に帰りましたが、すでにA子の荷物はなくなっており、僕は仕方なく離婚を受け入れることにしたのでした。
噂の出所は?
こうして、A子と僕の離婚はあっという間に成立。B男とも話をしたかったのですが、仕事が忙しくなかなか会うことができないでいました。
そんなある日、看護師たちが「次の院長はB男さんだっていうのは本当なの?」と話している声が聞こえました。僕は慌てて彼女たちに、「その話は誰から聞いたの?」と質問。すると、「誰が言い出したのかはわからない」「噂はされているが、B男さんが院長になるという根拠はない」とのこと。
それを聞いて、僕はほっとしました。というのも、B男は医師ではなく事務員であり、僕は院長である父から直々に、「あと数年したら、院長は医師であるお前に任せる」と言われていたのです。
真実を知ったB男とA子は…
翌日、ようやくB男と会う時間が取れたため、僕は父と一緒に実家で待機していました。すると、B男と一緒に元妻のA子も登場。
あいさつよりも先に、B男は父に向かって「俺を次期院長に選んでくれてありがとう。やっと俺の実力を認めてくれてうれしいよ」と言ったのです。さらにA子も、「私も院長の妻として頑張ります!」とひと言。
しかし、父は「何を言っているんだ? 次期院長は、お前の弟だ」ときっぱり否定しました。僕も続けて、「残念だけど、兄さんが次期院長になるという話は、病院スタッフたちが流した作り話だよ」と説明。
「そ、そんな……。噂に踊らされていたとは……」と、B男とA子は愕然としながら、その場に座り込んでしまいました。
僕とよりを戻そうとするA子
数日後、B男から電話があり出てみると、「A子が離婚すると言っている。僕はA子のことを本当に愛しているのに……」とのこと。B男が次期院長ではないとわかり、結婚している意味がないとA子は判断したのでしょう。
そして、B男からの電話を切ると、A子からメッセージが。「やっぱり、よりを戻そうよ。B男さんと生活してみて、あなたの良さに気がついたの」との内容でした。
僕はA子に怒りを覚え、「どれだけ僕たち兄弟を振り回すんだよ。今後一切、僕たちに近づかないでくれ」と言って連絡を切ったのでした。
その後、結局、B男とA子は離婚。B男は、「A子のことを想うばかりに、お前を傷つけてしまって申し訳なかった。お前が院長になったら、できる限り力になる」と謝罪してくれました。まだ完全にB男を許すことはできませんが、兄弟で力を合わせながら、病院を経営していきたいと思います。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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