【医師監修】赤ちゃん・子どもが指しゃぶりをする理由とは?
赤ちゃんは本能的に指しゃぶりをしますが、長期間にわたって指しゃぶりを続けることでさまざまな影響があると言われています。そのため、指しゃぶりはいつからいつまでするものなのかを知っておき、対応を確認することが大切です。ここでは、指しゃぶりをする理由やその影響、指しゃぶりをやめさせたい場合のちょっとしたコツなどについてご紹介します。
赤ちゃんが指しゃぶりをする理由
赤ちゃんの指しゃぶりは本能的なものです。乳児期は、母乳や育児用ミルクを飲むことが主な口の動きになるので、授乳中以外のタイミングで指しゃぶりをするようになります。
指しゃぶりは発達現象の1つなので心配はいりません。1~2歳での指しゃぶりは、緊張や不安を解消するための行為と考えられています。
指しゃぶりはいつからいつまでか
実は、赤ちゃんは生まれる前から指しゃぶりをしています。妊娠16週ごろになると、胎児が自分の指を口にもっていくようになり、妊娠24週ごろにもなれば、指を吸うようになります。このような胎児期の指しゃぶりは、母乳や育児用ミルクを飲む練習になっていると考えられています。
生後2~4カ月ごろは、口の周りに乳首や指などをもっていくと反射的に探して吸い、生後5カ月ごろには目に入った物を何でも口に運ぶようになります。これは、物の形や味、性状などを覚えるための行為と考えられています。つかまり立ちを始めるようになると、指しゃぶりによって姿勢が安定しなくなるため、指しゃぶりの回数が自然に減る場合が多いです。
1~2歳にもなれば、積み木遊びやおもちゃの車などで遊ぶようになります。指しゃぶりの回数がさらに減り、暇を持て余していたり、眠かったりするときにするようになります。そして、3~5歳にかけては友だちと遊ぶようになることで回数がさらに減り、5歳を過ぎると指しゃぶりをすることはほとんどなくなります。
ただし、6歳になっても指しゃぶりを頻繁にしている子どもは、原因を解消しなければ自然にやめる可能性が低いです。精神的な安定を図るために指しゃぶりをしていると考えられており、この場合は親子関係や生活環境などに原因があるかもしれません。
指しゃぶりを続けることによる影響
指しゃぶりはおしゃぶりと同様に、長期間にわたって続けることで歯並びや噛み合わせに悪影響が及ぶと考えられています。起こり得る問題は次のとおりです。
・上顎前突(じょうがくぜんとつ)
上の前歯が前方に突出した状態で、いわゆる「出っ歯」を指します。口を閉じにくくなるため、口呼吸をしやすくなります。口呼吸は、花粉症や気管支喘息、虫歯や歯肉炎、口臭などさまざまな症状の要因となります。これは、唾液の分泌が減少することで、細菌が繁殖しやすくなるためです。
・開咬(かいこう)
奥歯が噛み合っているものの、上下の前歯の間に隙間が空いている状態です。発音の際に前歯の隙間に舌が入り、サ行とタ行、ナ行、ラ行などの発音が悪くなります。周りの子どもと同じように発音できないことで、恥ずかしさを感じてしまうことがあります。
・片側性交叉咬合(へんそくせいこうさこうごう)
上下の奥歯が横にずれることで、上下の前歯の中心が合わない状態です。
統計的に指しゃぶりを長期間にわたって続けている子どもに、これらの問題が起こることが多いという報告がありますが、一方で指しゃぶりが大きな要因にはならないとの声もあります。また、指しゃぶりは生理的なものであるため、無理にやめさせる必要はないとの意見があるので、自然にやめるのを見守る方針がよいかもしれません。
指しゃぶりの回数が減る場合が多い3歳ごろになっても減らない場合は、小児科医や小児歯科医、臨床心理士などに相談しても良いでしょう。
指しゃぶりをやめさせたい場合のコツ
精神の安定を図るためにおこなっている指しゃぶりは、無理にやめさせないようにしましょう。成長に伴い、自然に指しゃぶりをやめる可能性は十分にあるので見守りましょう。
それでも、指しゃぶりをやめさせたい場合もあるでしょう。その場合は、指しゃぶりをしていないときはしっかり褒めましょう。褒められるのがうれしくて指しゃぶりをやめる可能性があります。また手を使った遊びをしたり指しゃぶりから意識をそらすような声かけも効果的です。
どうしても指しゃぶりをやめさせられない場合は、やめられない原因を臨床心理士などと一緒に模索して、原因を解消することが大切です。指しゃぶりをやめさせるのには、子どもだけではなく親の協力も必要になってきます。
まとめ
赤ちゃんの指しゃぶりは生まれる前からしているもので、発達現象の1つです。赤ちゃん時代はあまり難しく考えず、気をそらす程度でよいでしょう。ただ、3歳以上になっても一向に回数が減らない場合は、やめるように促したほうがよいかもしれません。無理にやめさせることで子供の精神状態に悪影響が及ぶ恐れがあるので、小児科医や臨床心理士などに相談して、方法を考えていきましょう。