【助産師監修】赤ちゃんのハンドリガードはいつから?

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監修者プロファイル

助産師松田玲子

医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。

【助産師監修】赤ちゃんのハンドリガードはいつから?

 

「ハンドリガード」という言葉を聞いたことがありますか? 英語の「hand regard」から来た言葉で、日本語に直訳すると「手をじっと見る」という意味になります。赤ちゃんが不思議そうに自分の手を見つめている姿を見たことがありませんか? その仕草が、ハンドリガードです。なぜ赤ちゃんはハンドリガードをおこなっているのか? いつからいつごろまでおこなうのか? ハンドリガードをしない赤ちゃんへの対処などについてご紹介します。

 

 

なぜ赤ちゃんはハンドリガードをおこなうの?

自分の手を不思議そうに眺めている赤ちゃん。とても微笑ましい光景ですが、何を考えながら手を見つめているのだろうと思いませんか?

 

私たちにとっては自分に手があるということは当たり前のことですが、生まれたばかりの赤ちゃんは、自分に体があることも、その体を自分の意思で動かせることも知りません。当然、自分に手があることも、それを動かすことができるということもまだ知らないのです。

 

新生児のころは、大きな音などでビックリすると、ビクッと手を動かすことがありますが、これはモロー反射と呼ばれるもので、自分の意思で動かしているわけではありません。

 

その後、無意識のまま手足を動かすようになりますが、目が見えるようになった赤ちゃんにとって、一番身近にあって、よく目に入ってくる不思議なものが自分の手であり、興味深い未知の物体として、手をじっと見つめているのです。

 

 

ハンドリガードは発達の証!

赤ちゃんが不思議そうに自分の手を見つめている仕草をハンドリガードと言います。

 

赤ちゃんの身近にある不思議な物体「自分の手」。その手をじっと見ていると、動くことに気が付きます。実は、筋肉や脳の機能、感覚器がまだ発達していない赤ちゃんにとっては、動いている手が、自分の動作によるものだという認識はありません。

 

赤ちゃんはハンドリガードを繰り返すにつれ、手が自分の意思で動かせるということに気づいていきます。指を広げてみたり、握ったり、口に持ってきてしゃぶってみたりしたときに独特の感覚があることに気づき、その感覚と手の動きには関係性があるということを認識していくのです。

 

ハンドリガードは、脳の機能や筋肉、物を見つめ追視する力など、赤ちゃんの体の機能が順調に発達している証とも言えます。

 

【助産師監修】赤ちゃんのハンドリガードはいつから?

 

 

ハンドリガードをおこなうのはいつからいつまで?

生まれたばかりの赤ちゃんの視力は0.01から0.02ほどしかなく、明暗を識別できるくらいの視力だと言われています。そのため、新生児は物の輪郭などを認識することはできず、目の焦点を合わせることもできません。

 

視力が発達し始め、色や物の輪郭を認識できるようになってくるのは生後2カ月ごろからです。視力が発達することにより、手を認識できるようになって初めて、自分の手を注視したり、手の動きを追視したりすることができるようになります。そのため、ハンドリガードが始まるのも、生後2,3カ月からが多いです。

 

ハンドリガードは、始めてから1~3カ月でおこなわなくなると言われています。自分の手を自由に動かすことができるようになり、手が自分の体の一部だと認識したことによって、興味は他の物へと移っていくのです。

 

指しゃぶりもハンドリガードに見られる行動の1つですが、この指しゃぶりがなかなかやめられないという赤ちゃんもいます。そんなとき、「うちの子はなかなかハンドリガードをやめない」と思うかもしれませんが、ハンドリガードの指しゃぶりと、普通の指しゃぶりは、同じ動作でも違うものです。

 

ハンドリガードとしての指しゃぶりは、口に触れたものに吸い付くという吸綴反応で、たまたま触れた指に吸い付いたり、指の感触を学んだりしている状態です。ハンドリガード以降の指しゃぶりは、安心感を得るためや、生え始めた歯がかゆいときなどにおこなわれます。

 

 

ハンドリガードをしない子は発達に問題あり?

生後2,3カ月の赤ちゃんがハンドリガードをおこなうのは、発達している証拠だと言いましたが、ハンドリガードをしない赤ちゃんは、発達に問題があるということなのかと、心配になるお母さんもいらっしゃるかと思います。

 

結論から言うと、ハンドリガードをおこなわないからといって、発達に問題があるとは言えません。そもそも、赤ちゃんの成長には個人差があります。生後2カ月でハンドリガードをおこなう赤ちゃんもいれば、生後5カ月ごろにようやくおこなう子もいます。また、自分の手よりも、周囲に見えるお母さんの顔や、他のものに興味を示し、自分の手には興味を示さないという赤ちゃんもいるでしょう。

 

最終的には、おもちゃに手を伸ばしたり、顔にかかったハンカチを自分で取ることができたりするようになれば、ハンドリガードをおこなわなくても問題ありません。とはいえ、気になるようであれば、赤ちゃんの手をやさしく持って、手遊び歌をしてあげたり、赤ちゃんの目の前で、手をマッサージしてあげたりして外部からの刺激を与えてあげると、触覚や好奇心も刺激され、発達が促されます。それがきっかけでハンドリガードをおこなうようになるかもしれません。赤ちゃんとの楽しいスキンシップはマイナスにはなりませんので、積極的におこなってみてください。

 

反対に、いつまでもハンドリガードをおこなっているという赤ちゃんも、心配はいりません。それだけ自分の手で遊ぶのがおもしろいのでしょう。何かほかに気になるものが近くにあったときに、そちらに手を伸ばすようであれば、問題ありません。

 

 

まとめ

ハンドリガードは、赤ちゃんが自分の手を認識し終えるまでの、短い間しか見ることができない、かわいい仕草です。赤ちゃんが自分の体を認識していく様子をやさしく見守ってあげましょう。とはいえ、ハンドリガードは個人差のあるものだということを忘れずに、あまり神経質になりすぎないでくださいね。

 

 

 

 

 

 

 

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