妊娠中のマイナートラブルについて

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妊娠中はお腹が大きくなるだけでなく、いろいろな体の不調が出ることもあります。ここではよくある妊娠中の体の不調やトラブルについて説明します。

 

つわり

つわりの期間は人によって全く異なります。つわりの始まる時期は一般的には妊娠5〜6週頃からで、妊娠7〜9週くらいにピークを迎えます。終わる時期も人によってさまざまですが、妊娠12〜16週頃に終わる人が多いようです。

 

妊娠悪阻

妊娠悪阻とは、つわりが重症化した症状のことで食事だけではなく水分も受け付けない状態になることを言います。急激な体重減少が起こることも。

 

 

便秘・痔

水分の需要が増えることもあり、便が硬く小さくなるため、便意が出づらくなることや、妊娠中はホルモンの影響で腸の動きが悪くなり、子宮が大きくなり腸を圧迫する影響で便秘になりやすくなります。便が硬いときは、ごぼうやきのこ、海藻類など食物繊維を多く含む食品を食べたり、ミネラルを含む水分補給(=硬水)をこまめにすることで解消する場合もあります。

 

足のつり(こむらがえり)

妊娠中期から後期までふくらはぎがこむらがえりを起こすことがあります。特に明け方が多いのですが、原因は不明です。足を伸ばし、親指をひっぱると楽になります。睡眠前にパートナーにマッサージを頼んでもいいかもしれません。

 

むくみ

手足の皮膚を押したときに跡がなかなか戻らなければ、むくんでいる証拠。赤ちゃんに栄養を運ぶために血液量が増えることや、子宮が血管を圧迫したり、運動不足や冷えで血流が滞ったりすることも原因に。むくみを感じたら、運動やゆっくり入浴をして血行を良くしましょう。塩分の取りすぎや栄養バランスの崩れにも注意してください。

 

貧血

妊娠中は鉄分たっぷりの食事を心掛けましょう。鉄分はほうれん草、わかめ、ひじきに豊富に含まれています。コーヒー、紅茶、緑茶に含まれるタンニンは、鉄分の吸収を阻害するので食事の前後の摂取は控え目にしましょう。

 

腰痛

腰痛の原因のほとんどは、子宮の重みと骨盤のゆるみからくるものです。妊娠20週を過ぎると、おなかを支えるためふんぞり返った姿勢になり、腰や背中は外に歪曲した無理な状態になります。分娩に備えて、骨盤の関節に緩みが出て、お腹の重みや重心がかかると骨盤まわり(恥骨や尾てい骨付近)の痛みが出ます。骨盤を締めるベルトなどを強めに巻くと楽になることも多いので、産院に相談しましょう。

 

肌の乾燥やかゆみ

妊娠初期はホルモンバランスの変化により、これまで使っていた化粧水などが合わなくったり、肌がカサついたりかゆくなることがあります。湿疹や強いかゆみがある場合は、妊娠中でも影響のない薬を処方してもらいましょう。刺激の少ない石けんや衣類を使うと、症状が和らぐこともあります。

 

胃もたれ

大きくなった子宮に内臓や胃が押しあげられるため、動悸や息切れ、胃がもたれる感じがします。一度にたくさん食べるのではなく、こまめに食事を取るといいでしょう。

 

頻尿・尿もれ

大きくなった子宮が膀胱を圧迫することでおきます。ホルモンの影響で骨盤底筋が緩んでくることも原因の1つです。我慢すると膀胱炎になってしまうので、まめにトイレに行きましょう。くしゃみや笑った時に尿もれをしてしまう人は生理用ナプキンをしておきましょう。きっかけがないのに漏れる感じがあったり、下着が濡れる場合は破水ではないことを病院で確認してもらいましょう。

 

静脈瘤(じょうみゃくりゅう)

大きくなった子宮に下半身の静脈が押されることや、ホルモンの影響で静脈瘤が出やすくなっています。血管が青黒くこぶのようにふくらんだもので、現れやすいのはふくらはぎや太ももの内側、外陰部などです。鼠蹊部(そけいぶ)を強く締め付ける下着は避け、足先から体に向かってマッサージをして悪化させないようにしましょう。

 

正中線

おへそを挟んで上下に伸びる一本線を「正中線」といい、これは細胞分裂の合わせ目によるものです。妊娠するとメラニン色素の分泌が盛んになるため、茶色に浮き出て見えることがあります。産後見えなくなりますので、あまり気にしなくて大丈夫です。

 

 

不眠

お産が近づくと眠れなくなることがあります。おなかが大きくなったことによる身体的なこともありますが、不安や緊張など心理的なことによって不眠になることも。また妊娠後期になると、産後の授乳に備え「プロラクチン」というホルモンが分泌されることにより、眠りが切れ切れになる人が多い頃です。生理的不眠パターンの変化なので、あまり気にしないようにしましょう。

 

足の付け根の痛み

妊娠後期になると赤ちゃんが下りてきて骨盤を圧迫することで、足の付け根が痛むことがあります。出産予定日が近い場合は、お産が近づいているサイン。強いおなかの張りを伴う場合は、分娩が近づいているサインのこともあるので、病院で診察してもらいましょう。

 

耳の不快感

ホルモンバランスが崩れると、耳が詰まった状態や自分の声だけ大きく聞こえる耳管開放症になることも。産後自然に治ることが多いです。

 

 

(監修/池谷美樹先生)

監修者

医師 池谷 美樹 先生

産婦人科 | 横浜市立みなと赤十字病院産婦人科 副部長


岐阜大学卒業、日本赤十字社医療センターで初期研修後、同センター常勤医師として勤務、東京慈恵医科大学産婦人科講座入局、博士号取得、国立成育医療研究センター周産期診療部勤務、日本赤十字社医療センター産婦人科勤務を経て、現在は横浜市立みなと赤十字病院産婦人科 副部長。


経歴

■主な経歴

平成6年 岐阜大学卒業、日本赤十字社医療センターで初期研修後、同センター常勤医師として勤務

平成14年 東京慈恵医科大学産婦人科講座入局、

平成20年 博士号取得

平成21年 国立成育医療研究センター周産期診療部勤務

平成24年 日本赤十字社医療センター産婦人科勤務

平成28年4月 横浜市立みなと赤十字病院産婦人科 副部長


2016/01/09


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