何度もお酒をすすめられる
私の第1子妊娠は義家族にとっては初孫にあたるため、とても喜んでくれました。まだコロナ禍前だったこともあり、よく家族で集まり食事をする機会があったのですが、そのたびに「お酒どう? 何にする?」とお酒をすすめてくる義父。
「妊娠しているので、やめておきます」と伝えると、「1杯もダメかな?」と最初は気をつかってもらっているのだと不快感はまったく感じませんでしたが、妊娠期間の約10カ月、ほとんど毎回そのやりとりがありました。
さすがに毎回続くと、妊娠中だからお酒を避けておきたいという気持ちを理解してもらえていないと苦痛に……。無事出産し、授乳期間中の家族の集まりのときも、毎回お酒をすすめられ、さすがに無神経だなと感じていました。
妊娠判明した実娘には配慮する義父
そして第2子の妊娠がわかってから、第1子妊娠のときと同じようにお酒をすすめられ、断る。このやりとりは続いていました。そして第2子妊娠5カ月のとき、義妹も妊娠。義妹は初めての妊娠だったため、義父がよく心配している様子を目の前で見るように……。その心配の様子は私にとって苦痛の時間になりました。
私は変わらずお酒をすすめられるのに、義妹は義父にとって溺愛してきた娘ということもあり、「妊娠中だから、お酒はやめとけよ?」「お酒飲んで何かあったら大変だぞ」と、私の前でまさかの言葉が! 明らかにおかしい対応の差に呆れていました。それを横で聞いている夫も、何も言わず聞いているだけ。その場では笑顔で必死に対応しましたが、私は悔しさのあまりお風呂で大泣きしたのです。
私の思いに気付いた夫のやさしさ
同じ妊婦でも実娘と息子嫁ではこんなにも対応に差が出るのでは、この先大変そうだなと考えれば考えるほど、お風呂から上がることができませんでした。そんなとき、脱衣所から夫の声がして、「のぼせてない? 大丈夫? 今日の泊まりは中止して帰ろっか?」と言ってくれました。ここで帰ると選択してしまえば夫にも迷惑がかかると思いましたが、すでに義母に「おなかが張ってるみたいだから今日は帰る」と伝えてくれていたようです。
帰宅後、夫に「気にしなくていいよ、親父はたぶん悪気はないんだろうけど、そういうところ昔からあるから」と言われ、私の気持ちに寄り添ってくれました。その後も義実家に遊び行くと案の定お酒はすすめられましたが、「気にしなくていい」と言ってくれた夫の言葉ひとつで、なんとか乗り越えられたと思います。
子どもが生まれた今、私自身も心身ともに強くなり、このときの出来事が自分の中で笑い話となっていますが、妊娠中はメンタル的にも弱くなってしまっていました。ですが、寄り添ってくれる存在である夫がナイスフォローしてくれたおかげで、第2子出産までお酒をすすめられても笑顔で断れることができ、夫にとても感謝しています。
著者:平山 光
3歳と5歳の姉妹のママ。約1年の不妊治療を経て、無事第一子の妊娠が発覚。第二子は自然妊娠で授かる。アトピー症状のある第二子をきっかけに、自然食や自然治療法を勉強中。