上司にも事前に相談し、いつでも妊娠OK
夫と入籍して2年が経ち、「そろそろ子どもが欲しいね」とよく話すようになりました。当時、私は総合病院で看護師として勤務していて、毎日2~3時間の残業が当たり前で、16時~翌10時の夜勤もこなす不規則勤務。直属の上司である師長には、妊娠を考えていることを事前に伝え、師長からは「妊娠したらすぐ勤務調整するからね」と温かい言葉をいただいていました。
そして、妊娠のタイミングを取り始めて3クール目、生理が遅れて市販の妊娠検査薬を使うと、陽性。夫と2人で大喜び。病院受診の時期を迷いましたが、薄く茶色いおりものが出ていたのが気になったので、すぐ次の日に産婦人科を受診しました。
妊娠判明と同時に切迫流産の診断
内診をしてもらい、医師からも「妊娠していますよ。今6週目ですね」と言われ、夫との赤ちゃんを授かることができ、うれし泣きしそうでした。
ですが、医師がエコーを動かしながら「あれ? 子宮の中に血豆ができてるね。これは、簡単にいうと切迫流産の状態。必要以上に動いたり、ハードなことはしないでね」と、子宮収縮予防薬も処方されました。
業務の調整依頼……上司の反応は?
妊娠できたことがうれしい一方、切迫流産というワードで一気に不安になりました。病院帰りに自分の勤務先へ寄り、師長に状況を報告して、有給休暇がたくさん残っているため、使わせてもらえないかと交渉しました。すると、師長からは驚きのひと言。
「それはできない。働いていても、働いていなくても、ダメになるときはダメになる。どうしても休みたいなら、診断書を持ってきなさい」と言われてしまいました。あまりにショックな言葉に、私は泣きながら帰りました。すぐに帰宅してから、夫に師長とのやりとりを相談したところ、夫は怒りながら「そんな理解のない職場は辞めていい」と言ってくれました。
おなかの赤ちゃんを守れるのは私だけ!
仕事に出るべきか……診断書をもらうべきか……と悩み、ママが集まるネットの掲示板で相談してみることに。すると、1人の方が「あなたの仕事の代わりはいるけれど、おなかの赤ちゃんのお母さんの代わりはいない。あなただけ」と、回答をくれました。
この回答を見て、「赤ちゃんは私にしか守れない!」とやっと自覚することができ、翌日に診断書をもらい、2週間仕事を休むことにしたのです。2週間安静にして処方された薬を飲み、2週間後には切迫流産の状態ではなくなりました。産休に入る妊娠34週まで仕事を続けましたが、その後の妊娠期間にトラブルなく過ごすことができ、無事に出産しました。
妊娠判明と同時に切迫流産の診断を受けましたが、仕事もしていたためなかなか安静にはできない状況でした。ですが、おなかの赤ちゃんを守れるのは母親である私だけだ! ということに気づくことができ、職場に無理をいって休みをもらい、しっかりと安静を確保して切迫流産の状態を脱して、無事に出産をすることができてよかったです。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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イラストレーター/山口がたこ
監修/助産師 松田玲子
著者:吉川 みきな
14歳女の子と4歳男の子、0歳の年の差兄弟を育てている母。反抗期の娘とイヤイヤ期の息子の育児に日々奮闘中。上の子を出産後に大学に通い、看護師の資格を取得。現在は看護師としてパート勤務をしている。