こんにちは、小児科医の保田典子です。今回は「かかりつけ小児科の選び方」についてお話ししたいと思います。医者の私でも、病院を受診したいときはいろいろと調べて、悩んで決めます。
近くに小児科がいくつかある場合、どの小児科を選べばいいか悩むこともあるかと思いますが、今回の記事が参考になれば幸いです。
できれば小児科専門医を選びましょう
医師は色々な専門科があり、それぞれの科に「専門医制度」というのがたいていあります。小児科専門医は、2年の研修期間のあとに少なくとも小児科にどっぷり3年は浸かってトレーニングをしてきた医師が試験を受け、合格した人だけが専門医になれます。
やはり、長く専門的にトレーニングをしてきた先生は、知識や経験の量が半端なく違います。病院のホームページの医師紹介欄を確認して「小児科専門医」の肩書きがある先生がいれば、まずはそちらを受診することを考えましょう。
とはいえ、専門医を持っていなくても、とても勉強熱心で多くの小児を診察しているという先生もいます。専門医の肩書きがなかったり不明な場合でも、ホームページや口コミを確認して良さそうであれば一度受診をしてみて、どんな先生か、どんな治療方針か、病院の雰囲気などを直接確認すると良いでしょう。
やっぱり実際会ってみないとわからない!
病院は結局人と人の付き合いなので、相性があります。会ってみないとわからない面もたくさんあるでしょう。
最近はホームページを作っている病院も多いので、受診を検討する際は、その先生のポリシーなどを確認しておくと良いでしょう。まとめサイトではなく、病院の設備や方針などの特色がよりしっかり確認できる公式サイトの訪問がオススメです。
そのうえで受診したときに、
①病気や薬の説明が納得できるものであるか
②病気のケアや再受診のアドバイスが安心できるものであるか
③院内の清潔度や感染対策が大丈夫か
などもチェックして、バッチリであればそちらの病院をかかりつけにされるといいと思います。
通いやすさも大事! 病院の使い分けもオススメ
上記でご説明したほか、「なるべく近い病院」というのも実は大事なポイントです。発熱時などお子さんの体がしんどいときに移動するのは大変ですし、体の負担にもなります。コロナ禍ということもあり、症状がでているなか遠くまで移動するのも難しかったりします。
また、子どもは一人で受診できませんから、「親御さんの仕事がお休みの日に診療している病院」というのも大事ですよね。通いやすいかどうかも判断の材料として考慮するといいでしょう。
子どもの体のことでまず相談する「かかりつけ小児科」というのを一つ決めてもらうことは大切なことですが、「お肌のことは皮膚科もある小児科」、「予防接種は注射が上手な小児科」など、症状や病院の特徴に合わせて、使い分けるのもオススメです。ママとパパご自身の「フィーリング」も大切にしつつ、通いやすくお子さんに合った小児科を見つけてくださいね。