ひとりで逝った叔父
私の親戚の叔父は、私の母の兄にあたります。年齢は76歳のときだったと思いますが、ある日、自宅で孤独死をした状態で発見されました。それを知ったのは、突然私の自宅に警官が2人訪れたことから始まりました。
その警官によると、私の叔父は数カ月前の夏場に自宅でひとりで亡くなっていたそうです。まさかこんな身近でそんなことが起こるとは思わなかった私は、強いショックを受けました。その叔父には、生前大変よくしてもらった経験があったからです。
その警官は鑑識課の人らしく、対応した母から根掘り葉掘り話を聞いたところ、身元確認をするためのDNA鑑定などもおこなったそうです。警官とのやりとりはそれで終わったのですが、母から事実を聞かされて何ともやりきれない思いになりました。叔父は孤独死の少し前に離婚をしていたため、発見が遅れてしまったとのことです。
公団住宅から訴えられた!?
ところが、話はそれだけで終わりませんでした。その数カ月後に裁判所から封書が届き開封すると、叔父の住んでいた公団住宅が「未払い家賃を払ってほしい」と、母やその兄弟を相手に訴えを起こしてきたのです。これには仰天してしまいました。
裁判所の封書を見ただけで何事かと思いましたが、まさに青天の霹靂(へきれき)とはこのことかと思いました。その後、裁判所に電話をすると、親切丁寧に対応してくれました。そして、解決の手段として「相続放棄」という手続きをすればよいと教えてくれたのです。
相続放棄のための手続き
そこでまず、私は母を連れて司法書士事務所に行きました。本当は電話を入れてから行ったほうがよかったのですが、アポなしでも親切に対応してくれました。その司法書士によると、相続放棄はその出来事から3カ月以内であればできるとのことで、何とかなりそうだとのこと。
そして、手続きをして数週間後くらいに公団住宅が訴訟を取り下げたという連絡が入りました。相続放棄の手続きが処理され、未払いの家賃を払う必要はなくなったのです。ホッと胸をなで下ろしたことは言うまでもありません。すったもんだがありましたが、何とか解決できてよかったです。
まとめ
そのときは頭を抱えそうな問題でも、何とかなるものだと思いました。大変な経験でしたが、人としての経験値が大幅にアップしたようで良い勉強になったと感じています。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
文/佐藤よしき
イラスト/sawawa
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