蕎麦は胃腸に優しい?悪い?
なんとなく「蕎麦=体に良い」というイメージがありますよね。
実際に、うどんやそうめんと比べて、タンパク質やビタミン、ミネラルなどがたっぷり。普段不足しがちな栄養を効率良く摂れる、優秀な食品です。
また、お通じ改善に効果的な「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」がバランスよく含まれているのも特徴。
水溶性食物繊維は、便を軟らかくして排便を促したり、善玉菌を増やしてお腹の調子を整えたりする働きがあります。
不溶性食物繊維は、便のカサを増やして腸を刺激し、老廃物を体の外に出してくれます。
食物繊維は「腸のお掃除係」とも呼ばれているので、便秘に悩んでいる方におすすめです。
「蕎麦」vs「そうめん」胃が弱い人はどっちを選ぶ?
腸内環境を整えてくれる蕎麦ですが、胃の痛みや不快感に悩まされている方は注意が必要です。
「蕎麦」と「そうめん」どっちを食べようか迷った時は、食物繊維が少ないそうめんがおすすめ。胃に留まる時間が短いため、消化に良いと言われているんです。
一方蕎麦は、食物繊維や脂質の量がそうめんの約2倍!胃での滞在時間が長く、お腹に負担がかかってしまいます。
出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年「穀類/そば」
出典:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年「穀類/こむぎ/そうめん・ひやむぎ」
「食物繊維少なめ」で消化に優しく
どうしても蕎麦を食べたい場合は、食物繊維が少ないものを選ぶのがおすすめ。
蕎麦粉の割合が多いほど消化しづらくなるので、蕎麦粉100%の「十割蕎麦」よりも、つなぎが入った「二八蕎麦」を食べると良いでしょう。
また、白く透き通った「更科蕎麦」は食物繊維が少なく消化されやすいので、胃の調子が悪いときにぴったりです。
胃が弱い人は「冷」よりも「温」がいい?
じっとしてても汗が噴き出る今の時季、ヒンヤリしたものが食べたくなりますよね。
迷わず冷たい蕎麦を選びたいところですが、胃が弱い人は温かいものを選びましょう。というのも、お腹が冷えると消化が悪くなってしまうと言われているんです。
私たちの体は、口や胃、十二指腸、小腸などから「消化酵素」を分泌して、食べ物を分解しています。この酵素が一番活発になる温度が37℃付近。
冷たい蕎麦を食べると酵素の働きが鈍くなり、消化不良を起こしてしまう可能性があります。
また、大量に冷たいものを摂取すると、体の熱を逃がさないように血管が収縮します。その結果血流が悪くなり、胃の働きも低下してしまうんです。
腹痛や下痢といった辛い症状を引き起こさないためにも、調子が悪いときは冷たいものを控えましょう。
「薬味」や「温玉」で体温アップ
「暑い日に温かい蕎麦なんて無理!」という方は、血流を促して体を温める食べ物を一緒に摂るのがおすすめです。
代表的なものがミョウガやネギといった香味野菜。爽やかな風味を加えてくれる上、体を温めてくれて一石二鳥です。
また、お肉や卵などのタンパク質を摂るのも効果的。
ご飯を食べたときに、体がポカポカするのを感じたことはありませんか?私たちの体は食べ物を消化吸収するときにもエネルギーを消費しています。そのエネルギー消費によって体温が上がるんです。
タンパク質は、ほかの栄養素と比べてたくさんの熱を作り出してくれるので、冷たい蕎麦を食べるときは、豚しゃぶや温泉卵などをトッピングすると良いですよ。
ひと工夫で胃に優しく!
栄養が豊富で体に良い蕎麦ですが、人によっては胃腸に負担がかかってしまうこともあります。
胃が弱い人は、食物繊維が少ない二八蕎麦や更科蕎麦を選んだり、体を温める食材を添えたりするのがおすすめ。無理にガマンするのではなく、ひと工夫して楽しみましょう。