急に父が腰痛を訴え始める
父は50代前半のころ、平日はサラリーマンとして働き、休日になると趣味の畑仕事を楽しんでいました。お米や野菜を作り、近所に配って回るようなパワフルで明るい父。そんな父がある日、急に腰の痛みを訴え始めます。「昨日、農作業を頑張りすぎたー!」といつもの腰痛のようで、父の軽い口調に私たち家族も異変を感じてはいませんでした。
しかし、次の日になると父はベッドから起き上がるのもやっとで、痛みでごはんも食べることができないくらいに。口にできるのは少量の果物のみ。さすがに心配した母が「病院に行ったら?」と声をかけましたが、「これ以上痛くなったら行くから」と病院嫌いの父の反応は今ひとつ。普段から風邪をひいても病院には行かず、市販の薬を飲み風邪を治すような父。もしかすると、悪い診断が下るのが怖かったのかもしれません。
もしかしてがん!?いよいよ病院を受診
病院に行かないまま2日がたち、いよいよベッドから起き上がることができないまでになりました。さすがに父も受診しようと決意し、母が付き添って整形外科のある病院へ向かうことに。出発前に、母がボソッと「お父さんの病気は治るんだろうか? がんではないよね」とつぶやいていました。娘である私も心配はしていましたが、母はさらに不安だったのだと思います。
そして、病院で検査をしてもらい病気が判明。「前立腺肥大症(ぜんりつせんひだいしょう)」という診断でした。前立腺肥大症とは老化が原因で引き起こされる病気で、50代以降での発症が多いと医師に言われたそうです。人によっては、トイレに行く回数が増えたり、残尿感を感じたりすることもあるよう。父の場合は、骨盤底筋群の神経や筋肉に影響を与えて腰の不快感や痛みにつながったのではないかとのこと。父自身は残尿感を感じることはあまりなかったようですが、検査で膀胱に尿が残っているということがわかりました。
まずは、残っている尿を出す必要があるようで尿道にカテーテルを入れることに。加えて、内服治療を開始。医師からは、「数日様子を見て改善されないようなら、手術も検討してください」と。数日後、病院を受診すると内服薬の効き目があまりないと言われ、手術をすることになりました。しかし、最初に受診した病院では手術はできないとのことで、手術ができるような大きな病院に転院することに。
手術で回復!
転院先の泌尿器科がある病院にも、母が付き添いで向かいました。転院後、まずは手術のために、より詳しい検査をすることに。内視鏡による手術をすると医師から告げられました。この手術は、カメラを尿道から入れ、肥大した前立腺を切除するという方法。手術は2~3時間で終わり、入院も1週間程度と説明があったそうです。
数日後に手術の予約をして、父と母は帰宅。手術前の検査で悪性のがんなどの病気も見つからず、母を含め家族一同ホッとひと安心。母が父に「今回は、手術で治るからいいけど、今度何かあったらすぐに病院を受診するように!」とひと言。母のきつい口調に父は、「いつもの腰痛がちょっとひどくなっただけだと思ったんだけど、大変なことになっちゃったね……」と、自分の行動を反省している様子でした。
その後、内視鏡による手術が無事に終了し、父は1週間程度で退院。退院後も数日は安静にとのことでしたが、数日たつと病気になる前のような元気な父に戻りました。
まとめ
ただの腰痛だと思っていたので、前立腺肥大症の診断には驚きました。腰には関係なさそうな前立腺の病気が腰痛を引き起こすなんて。父はこの病気以降、病院を定期的に受診し、お酒を控え、健康的な生活を心掛けるように。父は現在も畑仕事を楽しみながら元気に生活しています。
父のこの病気をきっかけに、私自身も自分で病気を決めつけないことが大事だと気付きました。自分の体に異変を感じたら、きちんと医療機関を受診することが大切だと思った一件でした。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:岩本 なみえ/30代女性・ライター。2020年生まれ、2021年生まれ、2023年生まれのパワフル3兄妹を育てるママ。 休日は、子どもたちと外遊びに明け暮れている。
イラスト/sawawa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年9月)
関連記事:「スタスタ歩ける!」坐骨神経痛で歩けなかったママが手に入れた救世主とは<ババアは健康になりたい>
ウーマンカレンダー編集室ではアンチエイジングやダイエットなどオトナ女子の心と体の不調を解決する記事を配信中。ぜひチェックしてハッピーな毎日になりますように!