知らないと怖い!ボツリヌス食中毒って何?
ボツリヌス菌は、私たちの身の回りにある野菜や果物、肉、魚など、いろいろな食品についています。
この菌の怖いところは、酸素が少ない場所でどんどん増えてしまうこと。
そして、高温や低温など厳しい環境にさらされると「芽胞(がほう)」というバリアのようなものを作って、しぶとく生き延びるんです。
でも実は、ボツリヌス菌そのものよりも、菌が作り出す「毒素」の方が問題。
「最強の自然毒素」と呼ばれるほど強力で、汚染された食品を食べると8~36時間以内に吐き気や視力障害、言葉がうまく話せないなどの神経症状が現れます。
重症化すると全身がまひし、呼吸困難になって人工呼吸器が必要になることも。治療が遅れると命にかかわるケースもあるので、しっかり予防しましょう。
便利だけど危険も?真空パック食品の落とし穴
ボツリヌス食中毒の原因となるのが、パック入りのお惣菜や自家製のビン詰め、缶詰といった酸素が少ない食品。
真空パックは、食品の鮮度を保つために酸素を抜いているだけで、完全に無菌なわけではありません。
ボツリヌス菌のように酸素がない環境を好む菌にとっては、むしろ増えやすい状況になってしまうことも。
過去には真空パックの辛子れんこんやハヤシライスの具、ビン詰めのオリーブが原因で食中毒が発生し、死亡事故につながったケースもありました。
だからこそ、冷蔵保存が必要な商品は、決められた温度をきちんと守ることが大切です。
レトルトと真空パックって何が違うの?
「酸素が少ない食品がダメなのに、なんでレトルトは大丈夫なの?」と気になりませんか?どちらも袋入りで長持ちする食品ですが、実は作り方に大きな違いがあります。
レトルト食品はパッケージに食品を入れたあと、高温高圧でしっかり加熱殺菌されるので、ボツリヌス菌などの危険な菌も完全に死滅します。
一方で真空パック食品は、必ずしも加熱殺菌されているわけではありません。
万が一、菌が生き残っている状態で常温で保存すると、増殖して毒素を作り出してしまうんです。
これだけ守ればOK!食中毒を防ぐコツ
「要冷蔵」や「10℃以下で保存してください」と書かれている商品は、必ず冷蔵庫に入れて、期限内に食べることが大切。
真空パックで「要冷蔵」と表示されているものには、以下のような商品があります。
・煮魚やハンバーグ
・カレー、ビーフシチュー
・チーズやハム、ソーセージ
とくにカレーやビーフシチューは常温保存できるレトルト食品と混同しやすいので、必ずラベルをチェックしましょう。
もし真空パックやビン、缶が膨らんでいたり、開けたときに変なにおいがしたりしたら、それはボツリヌス菌が増えているサインかも。
違和感がある場合は、もったいなくても絶対に食べないでくださいね!
今日からできるボツリヌス菌対策
忙しいときの救世主である真空パックのお惣菜ですが、ちょっとした油断が命取りになることも。
保存方法や消費期限の確認はもちろん、開封時の異変にも注意して、安全に活用しましょう。