【歯科医監修】子どもとママのデンタルケア
子どもの口に初めての歯を発見! 成長したことを実感できるうれしい瞬間ですね。いよいよ歯のお手入れも本番です。真珠のような白い歯をそのまま保つために、ママにできることはなんでしょう? 小児歯科専門の先生に監修していただき、ママに役立つ知識をお届けします!
子どもの口と歯の基礎知識
乳歯のはえる時期と離乳食の進め方
歯がはえる時期には個人差が大きくあり、数カ月遅くても早くてもあまり心配はいりません。目安としては、生後6カ月から1歳前後までに最初の歯がはえ、最後の乳歯が2歳半前後、最終的には20本の乳歯がはえ揃います。最初は前歯からはえる場合が多いようですが、これも個人差があります。
乳歯がはえ揃い、顎の筋肉や骨が発達してくると、徐々に噛むことや飲み込み方などの能力が身についてきます。このとき奥歯がまだ揃わないのに、硬い物や繊維質の多い物ばかり食べさせたり、奥歯がはえ揃っているのに柔らかい物ばかりあげていると、じょうずに食べることができなくなる可能性があります。大人に近い物が食べられるのは3歳ぐらいになってから。歯やあごの発達をよく理解し、段階を踏んで離乳食を進めてあげましょう。
●歯のはえ方と離乳食の進め方のポイント
① 無歯期(0歳から1歳前)
唇を閉じて食べ物を捉える時期。
【ポイント】
自分から唇をキュッと閉じて食べ物を捉えるための練習時期。
スプーンをお口に運ぶときに食べ物を奥まで運び過ぎないこと!
②前歯期(1歳から1歳半)
前歯で噛むことと、ひと口の量を習得する時期。
【ポイント】
手づかみ食べをさせる。
スプーンであげるときは奥まで食べ物を運ばない。
飲み込むまで次の食べ物を詰め込まない。
お口を閉じて食べているか確認する。
③乳臼歯期(1歳半から2歳半)
乳臼歯がはえてくる時期で、奥歯で噛む練習時期。
【ポイント】
柔らかい物、硬い物、小さい物、大きい物を与える。
子どものペースで噛む時間を与える。
まだ咀嚼に慣れていないので、食べ物を詰め込まないように!
④乳歯列完成期(3歳)
乳歯列が完成する時期。
【ポイント】
噛み砕いた物をごっくんと飲み込み、舌から喉の筋肉までの一連の作業ができるようになる時期。
口元やあごに筋肉の緊張がなく、自然におこなえているか確認する。
乳歯の噛み合わせと歯並びの特徴
乳歯の横幅は永久歯と比べとても小さいので、子どものあごが発達してくると徐々に隙間が開いてきます。さらに上あごでは乳側切歯と乳犬歯の間、下あごなら乳犬歯と第1乳臼歯の間に、すべての霊長類共通に見られる隙間も見られます。これらの隙間は異常ではなく、自然のものなので心配はいりません。
また、3歳以前の噛み合わせは不安定で、下あごをつきだすような動きも異常ではありません。もし異常があったとしてもまだなんの治療もできませんので、2歳後半までは様子を見ましょう。
嚙み合わせは受け口の場合、2歳半くらいから治療可能になります。まずは筋肉を正しく使えていることが、正しい成長に大きく関わる時期。お口がポカンと開けている時間が長くないか? 口を閉じて鼻呼吸ができているかの確認が大切です。
乳歯との長~いお付き合い・永久歯への完全交代は14~15歳!
初めての永久歯は6歳ぐらいが目安ですが、これも個人差があります。乳歯が遅い子は、永久歯も遅い場合が多いようです。はえ始めは斜めにはえて来たり隙間があったりしても、はえ揃うにしたがって治ってくることがほとんどですので、前歯がはえ揃うまで様子を見ましょう。最終的に永久歯が完成するのは12歳前後ですが、はえて2~3年は幼若永久歯といってむし歯になりやすいので注意が必要です。
こんなときは歯医者さんへ
・はえる時期 ~1歳3カ月を過ぎるころになってもまだ歯がはえてこない
・はえる場所 永久歯で前歯が先にはえ変わった・乳歯の後ろ(裏側)に永久歯がはえてきた
・ほっぺ(はぐき)が腫れたり歯を痛がった
・ケガ~出血が止まらない・歯がグラグラ・ゆがんだりめり込んだりしている
※歯が抜けてしまった!…またもとのように使える場合があります。
1:歯の根をさわらない 2:水道水で洗って牛乳につけて、乾燥させない 3:すぐに歯医者さんへ!