【歯科医監修】うちの子の歯大丈夫?ママの質問Q&A

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師川越じゅん奈 先生
原宿こども歯科院長

平成16年岩手医科大学卒業後、赤ちゃん子供歯科、こばやし歯科クリニック、あーす歯科勤務の後、平成27年に原宿こども歯科を開業。怖くない、また来たくなるような場所となることをモットーに、日々治療を行っている。院内は赤ちゃんの時からご家族で心の負担なく通えるよう幸せ感たっぷりな空間や仕掛け用意するなど、楽しめる歯医者を目指している。

アンケートでは、ママから多くのご質問をいただきました。歯だけでなく、噛み合わせや歯並びなど、多くの方から寄せられたご質問トップ5に、小児歯科専門医に教えていただきました。

 

 

Q1:歯並びをよくするために家でできることはありますか?また指しゃぶりやおしゃぶりの使用で歯並びに影響はありますか?

A.

乳歯の歯並びが悪いのは、よくかんで食べる習慣が身についていないことなどから、歯を支える土台となる骨(歯槽骨)がやせてしまっていることが影響しているのではないかと考えています。かむ力を養うためには、早いうちから硬いものを与えるほうがあごの発達にいいと思われる方もいるでしょう。しかし、段階を踏んで食べ物の硬さを調整していかないと、子どもはかむ行為を面倒くさがり、十分にかまずに飲み込んでしまうことも多いのです。できれば、離乳食の段階から食べ物の硬さに気を配っていきたいですね。


また、他のお子さんと話をする機会が増えるとあごの筋肉も発達しますし、外遊びを十分にさせてあげると、おなかもすいてくるため、集中して食事ができるようになります。このように歯並びをよくするためには、生活習慣全体を見直していくことも大切だということをぜひ覚えておいてください。


歯の隙間が空きすぎていて気になる、というお母さんもいますが、乳歯には隙間があるのが普通です。乳歯の段階から隙間なく生え揃っていると、永久歯の歯並びが悪くなることが多いので、隙間がない場合には逆に早めに相談したほうがいいでしょう。


指しゃぶりやおしゃぶりを続けていると、歯槽骨が変形して上の歯と下の歯の間に隙間ができてしまうこともありますが、やめれば自然に治るケースが多いです。3歳までの指しゃぶりは生理的なものであるため、無理にやめさせる必要はありませんし、おしゃぶりも3歳くらいまで使用する分には問題ないでしょう。ただし、4歳をすぎてもまだ続けているとその後の歯槽骨の状態にも影響しますので、外遊びに誘うなど他の楽しみを見つけられるように生活スタイルを見直してみることも必要です。

 

 

Q2:歯並びやあごの発達が心配な場合、いつ歯医者さんに相談したらいいですか?矯正が必要かどうかを判断できるのはいつごろでしょうか。また、もし必要なら何歳ぐらいにしたほうがいいのでしょうか?

A.

乳歯の段階であきらかに歯並びがガタガタになっていたり、あごの発達が悪いと感じられるようなら、早いうちに小児歯科で治療が必要かどうか相談してみるとよいでしょう。矯正が必要だといわれた場合は、開始時期などについても確かめておきましょう。


矯正を始める時期は、歯の状態によって異なるため一概にはいえませんが、永久歯が生えてからおこなうのが一般的です。ただし、指しゃぶりやおしゃぶりによって歯槽骨が変形しているケースや、上の歯と下の歯のかみ合わせが反対(反対咬合)だったり、かみ合わせが深すぎる場合(過蓋咬合・かがいこうごう)などでは、乳歯の段階から矯正したほうがいい場合もあります。


矯正は、兎唇(みつくち)、口蓋裂など一部のケースを除いては保険の適用はありません。費用に関しては、医療機関によって異なりますので個々に問い合わせてみるとよいでしょう。

 

 

Q3:歯に着色があります。どういった場合に歯医者さんに行ったほうがいいですか?

A.

(1)歯と歯の隙間が茶色になってきている
(2)前歯の1~2本だけ黄色っぽくなったり、部分的に色が変わってきている
(3)生え始めにくらべて歯が全体的に黄色っぽくなってきている
(4)転んで前歯を打ち、歯の神経が死んでしまって色が変わってしまった。

 

(1)の場合は、むし歯の可能性があるため、早めに小児歯科に相談されたほうがよいでしょう。歯と歯の間は歯ブラシが届かないため、むし歯が起こりやすいのです。週に1回でもデンタルフロスを使って掃除をしたほうがよいのですが、親御さんが使い方に慣れていないと、十分に使いこなせないこともあります。まず、親御さんが歯科で使用法の指導を受け、しっかり使えるようになってからお子さんにもしてあげるとよいでしょう。


(2)の場合は、茶渋などで着色していることが考えられます。ウーロン茶や麦茶をよく与えると子どもの歯も着色しますが、小児歯科でクリーニングをしてもらえば、きれいになります。


(3)の場合は、歯磨きが不十分で歯が黄ばんでしまったことが考えられます。黄ばみを放っておくとむし歯になりやすくなるため、歯磨きをしっかりしたほうがよいでしょう。小児歯科で歯磨き指導をしてもらえますので、上手な磨き方がわからない方は、ぜひ相談してみてください。


(4)の場合は、歯の神経が死んだためではなく、ぶつけたときに歯ぐきに内出血が起こり、歯にしみ出した血液中の鉄分が酸化したために色が変わって(黒ずんで)見えているのだと思われます。ただし、ほうっておくと傷ついた神経が腐ったり、歯の根の先で膿んでしまうこともあるので、一度小児歯科で診てもらいましょう。

 

 

Q4:乳歯が生えた後の子どもの口臭は、むし歯の前兆なのでしょうか?原因がわからず心配ですが、歯医者さんに行ったほうがいいのでしょうか?

A.

しっかり磨いたつもりでも、汚れが残っていると翌朝にニオイがすることもあります。また、どこかにむし歯(特に神経のほうまで及んでいるむし歯)があるとにおいがきつくなるため、小児歯科で調べてもらいましょう。むし歯は親御さんが見ても気づかないことも多いため、定期的に受診してチェックしてもらったほうが賢明です。

 

 

Q5:下の前歯が2本ずつくっついている(6カ月・4歳)下の犬歯が融合歯(1歳6カ月)です。永久歯になったら治るのでしょうか。

A.

2本の歯の芽がくっついてしまったものを「融合歯」(ゆごうし)といい、乳歯の1%程度にみられるといわれています。しかし、乳歯の段階で融合歯になっていても、永久歯はそれぞれ別々の芽をもち、将来は28本しっかり生えそろうこともあります。


1歳6カ月ごろまでには永久歯の芽が形成されますので、X線検査をすればわかりますが、もし芽がなかったとしても人工的に増やすことはできません。永久歯に生え変わる頃にX線写真をとり、将来歯並びに影響する可能性がないかどうか調べてもらうとよいでしょう。

 

 

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