【乳幼児の誤飲対策】赤ちゃんが誤飲しやすい物は?
誤飲しやすい物って?
1位 化粧品
2位 たばこ関連品(浸出液含む)
3位 洗浄剤
4位 文具・美術工芸品
5位 殺虫剤
日本中毒情報センター
2003年受信件数より
誤飲予防は普段からの心がけで
【タバコ】
小さい子どもの誤飲で最も件数の報告が多いのは、なんと「タバコ」。特にハイハイを始めたころから歩き始めのころの生後6カ月~17カ月の赤ちゃんの事故が多いようです。ニコチンは毒性が強く、体の小さい赤ちゃんが丸1本飲み込んでしまうと、死に至る可能性もあります!
また、タバコそのもの以上にニコチンの浸出液を飲んでしまった場合の危険性はいっそう大きいものです。空缶を灰皿代わりに使用するのは絶対にやめましょう。「高いところに置いておいたのに、いつのまにか取って咥えていた」という声もあり、手の届かない場所に置くという対処方法ではまだ防ぎきれない場合もあるようです。手の届かない場所に置くのはもちろんですが、タバコを吸う場所を決め、乳幼児のいる部屋にタバコ関連の物を置かない、吸い終わったら常に片付ける、空缶は使用しないなど、ルール決めを徹底していく必要もあるかもしれません。
【化粧品】
化粧品の含有成分によっては、重篤な症状に至る場合もあります。特にマニキュアは毒性が高く、乳幼児の事故が多発。また通常は毒性の低い化粧品の中でも「薬用」と名の付く物の中には、殺虫剤と同じ成分が含まれている毒性の高い物も含まれているので、油断大敵です。
子どもは好奇心いっぱいでママのお化粧の様子を見ていますが、予防のためには、乳幼児の前での化粧は避けたほうが無難のようですね。
物質別緊急対応一覧表
家庭用品を誤飲した場合の緊急対応法一覧
★日本中毒情報センターデータベースを参考にまとめたものです。体重や年齢、製品や誤飲量によって対応が変わる可能性がありますので、緊急時にはかかりつけの小児科医もしくは日本中毒情報センターの電話相談にご相談ください。
→ 異物を喉に詰まらせた場合の対応方法はこちら
<タバコ>
●【危険!】タバコ(浸出液ふくむ)
タバコそのもの乳幼児の致死量約1本。浸出液の場合、5分程度で死亡の場合もありえる。
タバコ:吐かせる(1~2度試みて出てこないようなら無理をしない。気管に吸い込んでしまうこともある)。1/4本以上誤飲した場合は要受診。状況をよく観察し、どの程度の量を飲み込んだか確認。
タバコ浸出液:すぐに受診。
<化粧品>
●化粧品
化粧水はエタノールを5~30%程度含む物が多い。乳幼児が100%エタノールを30分以内に6~30ml摂取すると危険。また体重1kgあたり2ml以上飲んだ場合、受診が必要。
化粧水:吐かせる(1~2度試みて出てこないようなら無理をしない。気管に吸い込んでしまうこともある)。
●【危険!】薬用クリーム
基礎化粧品(クリーム・乳液):カンフル含有の「薬用クリーム」を大量に飲んだ場合、吐かせてはいけない(牛乳を飲ませるのも不可)。油分の多いクリームほど要注意。大量に飲んだ場合、吐いたり下痢をするなど症状の出た場合、要受診。
●毛髪用化粧品
シャンプー:乳幼児の誤食程度では、重篤な症状に至る場合は少ない。
少量を飲み込んだ程度なら、牛乳(15ml/1kg以下)を飲ませるか、卵白などを与える。大量に摂取した場合は吐かせる。ただし、症状のある場合は受診。
リンス:なめた程度やすぐに吐き出した場合は、牛乳を飲ませて様子を見る。原液をひと口以上飲んだ場合は要受診
●【危険!】爪化粧品(マニキュア・除光液)
マニキュア0.5ml/1kg、除光液0.2ml/1kg以上、飲み込んだ場合は即受診。
●メイクアップ化粧品
【危険!】薬用リップクリーム
口紅:口紅の毒性はきわめて低いが、リップクリーム(特に薬用)に、防虫剤にも使用されているカンフルという成分を含む物があり、注意が必要。カンフルを含む物は吐かせてもいけない。なめた程度なら問題ないが、普通の物でも大量に摂取した場合は、受診。
ファンデーション:大量に飲み込んだ場合は、吐かせる。少量ならばあまり心配はないが、様子を見て症状があるようなら受診。毒性は低いが、パウダー状の物を気管に吸い込むことで入院などの例もある。
<洗浄剤関連品>
●衣料用(合成)洗剤
少量を飲み込んだ程度なら、牛乳(15ml/1kg以下)を飲ませるか、卵白などを与える。大量に飲み込んだ場合は吐かせる(1~2度試みて出てこないようなら無理をしない。気管に吸い込んでしまうこともある)。ただし、症状のある場合は受診。
●食器用洗剤
少量を飲み込んだ程度なら、牛乳(15ml/1kg以下)を飲ませるか、卵白などを与える。大量に摂取した場合は吐かせる。ただし、症状のある場合は受診。
●ボディ-シャンプー
少量を飲み込んだ程度なら、牛乳(15ml/1kg以下)を飲ませるか、卵白などを与える。大量に摂取した場合は吐かせる。ただし、症状のある場合は受診。
<殺虫剤>
●ヒドラメチルノン含有殺虫剤
アリ・ゴキブリ駆除剤に使用される。成分含有量が少ないため、症状は下痢程度ですむ場合が多い。大量に誤飲の場合は吐かせる(1~2度試みて出てこないようなら無理をしない。気管に吸い込んでしまうこともある)。症状としては下痢の可能性がある。
●ピレスロイド゙系殺虫剤スプレー(家庭用)
ハエ・蚊・ゴキブリ・ダニ等の駆除のためのエアゾル式家庭用殺虫剤。少量なら重篤な中毒は起こる可能性は低い。ただし、量にかかわらず吸い込んだ場合、化学性肺炎を起こす可能性もある。咳き込んだり、苦しそうな呼吸の様子がある場合は受診
日本中毒情報センター 中毒110番
日本中毒情報センター 中毒110番
■一般専用電話(365日24時間対応)(情報提供料:無料)
大阪中毒110番:072-727-2499
つくば中毒110番:029-852-9999
*留守番電話による対応はおこなっておりません
■たばこ誤飲事故専用電話(365日24時間対応)(情報提供料:無料)
自動音声応答による一般向け情報提供:072-726-9922
中毒110番の取扱う対象
中毒110番は化学物質や動植物の毒などによって起こる急性中毒について、実際に事故が発生している場合に限定し情報提供しております。
・家庭用品:乾燥剤、化粧品、たばこなど
・医薬品:医療用医薬品、一般用医薬品(OTC薬)
・農業用品:殺虫剤、殺菌剤、除草剤、肥料など
・自然毒:フグ、マムシ咬傷、きのこなど
・工業用品:硫化水素、化学薬品など
以下のようなものについては受け付けておりませんのでご注意ください
・慢性中毒(薬物依存、薬物乱用、労働災害、環境汚染など)
・医薬品の常用量による副作用・ショック
・催奇形性・胎児への影響
・放射性同位元素
・細菌性食中毒、寄生虫
・イヌ、ネコ、ネズミによる咬傷(感染が問題となるもの)
・衛生面が問題となる虫等:ゴキブリ、ハエ、カ、カタツムリ、ナメクジ、ミミズなど
・糞尿
・異物:通常、成分が消化管で吸収されて急性中毒を起こすことはなく、主として物理的障害が問題となるもの