【医師監修】帝王切開の種類 予定帝王切開と緊急帝王切開

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師池谷 美樹 先生
産婦人科 | 横浜市立みなと赤十字病院産婦人科 副部長

岐阜大学卒業、日本赤十字社医療センターで初期研修後、同センター常勤医師として勤務、東京慈恵医科大学産婦人科講座入局、博士号取得、国立成育医療研究センター周産期診療部勤務、日本赤十字社医療センター産婦人科勤務を経て、現在は横浜市立みなと赤十字病院産婦人科 副部長。

帝王切開とは、産道を通って腟から赤ちゃんを取り出すのではなく、ママのおなかを切開して赤ちゃんを取り出す出産方法を言います。

帝王切開には予定帝王切開と緊急帝王切開の2種類があり、予定帝王切開は逆子や、多胎で下の児が逆子、胎盤の異常など、妊娠中に経腟分娩での出産が難しいと判断されたときにおこないます。

緊急帝王切開は、妊娠中や分娩中にママもしくは赤ちゃんになんらかのトラブルが起き、一刻も早く赤ちゃんを取り出す必要があるときにおこなわれます。誰にでも起こる可能性はありますので、事前に理解をしておきましょう。

 

 

予定帝王切開

【予定帝王切開になる主なケース】

※病院によってその基準は異なります。

 

さかご(骨盤位)

一番大きな頭が最後に出てくるため、臍帯を圧迫して危険な状態になる可能性が高いため帝王切開になることが多いです。

 

多胎

双子の場合は、赤ちゃんの位置や大きさによって経腟分娩も可能。胎児の胎位によっては出産途中にトラブルになる可能性が高いため、病院によっては帝王切開にするケースが多いです。

三つ子以上のときにはほぼ帝王切開と考えたほうがいいでしょう。

 

前回帝王切開

前回の出産が帝王切開の場合、子宮破裂などの危険があるため帝王切開を選ぶことが多いです。ただし、病院によって方針が異なります。事前に確認しましょう。

 

子宮筋腫などの合併症

胎児の通過障害となると判断された場合は、帝王切開となることがあります。また、基本的に帝王切開時は子宮筋腫を取る手術は出血が多くなるためおこないません。

 

前置胎盤

胎盤が子宮口にかかっていたり塞いでいる場合は、子宮口が開いた時に大量出血する恐れがあるため、全例帝王切開になります。

 

児頭骨盤不均衡

赤ちゃんの頭がママの骨盤より大きい場合や、骨盤の形に問題がある場合は帝王切開になることも。骨盤の写真を撮って判断されることが多いです。

 

予定帝王切開は事前に手術日が決定します。帝王切開分娩が決まったら、通常より入院している期間も長くなり、産後もすぐには動けないことを想定して、周りのサポートや家のことを早めに済ませておきましょう。

 

 

緊急帝王切開

【緊急帝王切開になる主なケース】

 

胎児機能不全

出産の途中でへその緒が圧迫されるなどして赤ちゃんに酸素が行きにくくなり、苦しいサインが出ているのにも関わらず、分娩進行を考慮すると分娩まで耐えられないと判断された場合

 

常位胎盤早期剥離

赤ちゃんが生まれてくる前に胎盤が剥がれてしまい、酸素や栄養が届かなくなってしまう状態。

 

重度の子宮内感染

破水して時間が経つと赤ちゃんの感染リスクが高まります。母体の発熱があったり、血液データの結果が悪く、経腟分娩がうまく進行しない場合は帝王切開になる場合もあります。

 

遷延(せんえん)分娩

陣痛が来たものの、なかなか強くならなかったり、子宮口が開かなかったりしてお産が長引く状態。胎児の回施がうまくいかず、下がってこないこともあります。陣痛促進剤などの医療処置をしても効果がなく、ママや赤ちゃんに影響を及ぼす可能性がある場合には帝王切開に。

 

臍帯下垂、臍帯脱出

へその緒が赤ちゃんの頭やお尻より先に出口方向に下がってしまうこと。一刻を争う超緊急帝王切開となります。

 

緊急帝王切開は、早急に赤ちゃんを取り出す必要があるときにおこなわれます。緊急度もさまざまです。ママに余裕がないことが多いので、周りの人のサポートが必要。パパは冷静に対応できるようにしましょう。

 

(監修/池谷美樹先生)

 

【医師監修】帝王切開の種類 予定帝王切開と緊急帝王切開

 

 

 

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