子どもの教育資金を計画的に準備できる学資保険。最近では、店舗に足を運ぶことなくネット申し込みできる商品も増えてきました。しかし、すべての学資保険がネット完結で契約できるわけではありません。本記事では、学資保険のネット申し込みを検討している方に向けて、メリット・デメリットやおすすめの保険会社、申し込み方法について詳しく解説します。
ネット申し込みできる学資保険のメリット
学資保険のネット申し込みには、対面申し込みとは異なる特徴があります。まず理解しておきたいのは、ネット完結で申し込める学資保険もある一方で、ネットでは申し込めない商品も多いという点です。富国生命の「みらいのつばさ」、ソニー生命の学資保険、ゆうちょの「はじめのかんぽ」、ニッセイの学資保険などは、現在のところネット申し込みに対応していません。これらの商品は店舗での対面契約や郵送申し込みが基本となっています。
また、オンライン相談ができることと、ネット申し込みができることは異なります。オンラインで相談や見積もりができても、最終的な契約手続きは対面や郵送となるケースもあるため、事前に確認が必要です。
月々の保険料が安くなる
学資保険にネット申し込みする最大のメリットは、保険料の割引です。保険会社は店舗運営費や人件費を削減できる分、その恩恵を契約者に還元しています。例えば、対面販売では営業担当者の人件費や店舗の維持費がかかりますが、ネット申し込みではこれらのコストが大幅に削減されます。
月々5000円程度の保険料でも、18年間の払込期間を考えると、わずかな割引でも総額では大きな差額になります。同じ保障内容でも、ネット申し込みなら年間で数千円から1万円程度安くなることもあり、教育資金の準備において見逃せないメリットといえるでしょう。
簡素化された保障内容のものが多い
ネット申し込み可能な学資保険は、保障内容がシンプルで分かりやすいものが多いという特徴があります。複雑な特約や細かい条件設定を省き、基本的な積立機能に特化した商品設計となっているため、保険に詳しくない方でも理解しやすくなっています。
例えば、満期保険金と祝い金の受取時期が明確に設定されており、シミュレーションツールを使えば将来の受取金額も簡単に確認できます。お子さまの成長に合わせた教育資金の準備計画が立てやすく、必要な保障だけを効率的に確保できるのは大きな利点です。
いつでも申し込みができる
店舗での申し込みは営業時間内に訪問する必要がありますが、ネット申し込みなら24時間365日、自分のタイミングで手続きができます。仕事で忙しい方や、小さな子どもがいて外出が難しい方にとって、この利便性は大きなメリットです。
深夜や早朝でも申し込み手続きができるため、じっくりと検討する時間も確保できます。また、担当者との面談日程を調整する必要もなく、自分のペースで資料を確認し、家族と相談しながら進められるのも魅力的です。
学資保険にネット申し込みするデメリット
ネット申し込みには便利な面がある一方で、注意すべきデメリットも存在します。これらの点を理解した上で、自分に合った申し込み方法を選択することが大切です。
保険の知識が必要になる
対面申し込みでは、担当者が契約者の状況に応じて最適なプランを提案してくれますが、ネット申し込みではすべて自分で判断する必要があります。保険選びの際には、返戻率、払込期間、受取時期など、様々な条件を比較検討しなければなりません。
例えば、月払いと年払いではどちらがお得か、保険料払込免除特約は必要か、祝い金の受取時期は適切かなど、重要な選択を自分で行う必要があります。質問があってもすぐに担当者に聞けないため、不安を感じる方も少なくありません。保険の専門用語や仕組みについて、ある程度の理解が求められるのは大きなハードルとなる可能性があります。
保険の種類や特約が少ない
ネット申し込み可能な学資保険は、商品ラインナップが限定的であることが多く、特約の選択肢も少ない傾向にあります。対面販売の商品では、医療特約や育英年金特約など、様々な保障を付加できますが、ネット申し込み商品ではこれらのオプションが制限されています。
また、プランのカスタマイズ性も低く、決められたコースから選ぶ形式が主流です。お客さまの細かいニーズに対応した設計が難しく、「もう少し保障を手厚くしたい」「受取時期を調整したい」といった希望に応えられないケースもあります。こども保険として総合的な保障を求める方には、物足りなさを感じる可能性があります。
学資保険のネット申し込みがおすすめの人
学資保険のネット申し込みは、すべての人に適しているわけではありません。以下のような方には特におすすめです。
ネット申し込みがおすすめの人
- 保険の基礎知識があり、商品比較ができる方
- シンプルな積立型の学資保険を希望する方
- 保険料を少しでも安く抑えたい方
- 店舗に行く時間がない、または近くに店舗がない方
- 自分のペースでじっくり検討したい方
- オンラインでの手続きに抵抗がない方
ネット申し込みをおすすめしない人
- 保険について詳しく相談したい方
- 複数の特約を付けて手厚い保障を希望する方
- 対面での安心感を重視する方
- パソコンやスマートフォンの操作に不安がある方
- 初めて生命保険に加入する方
- 複雑な家族構成や健康状態に不安がある方
自分がどちらのタイプに当てはまるか、よく考えて選択することが大切です。不安な場合は、まずは資料請求や無料相談から始めてみるのも良いでしょう。
学資保険にネット申し込みができるおすすめ保険会社
現在、完全にネット申し込みが可能な学資保険を提供している保険会社をご紹介します。それぞれの特徴を比較して、最適な商品を選びましょう。
明治安田生命 つみたて学資
明治安田生命の「つみたて学資」は、オンライン完結で申し込みができる代表的な学資保険です。シンプルな積立型で、教育資金の準備に特化した商品設計となっています。
商品の特徴
- 保険料払込期間:10歳・15歳から選択可能
- 受取総額:200万円・300万円コース
- 保険料払込免除特約:契約者が万一の場合、以後の保険料払込が免除
- オンライン相談:任意(必須ではない)
- 返戻率:払込期間や契約者の年齢により異なる
明治安田生命は大手生命保険会社としての安心感があり、オンラインでも充実したサポート体制を整えています。シミュレーション機能も充実しており、将来の受取額を簡単に確認できます。
アフラックの夢みるこどもの学資保険
アフラックの学資保険は、オンライン相談後にネット申し込みが可能です。相談は必須ですが、自宅にいながら専門スタッフのアドバイスを受けられるメリットがあります。
商品の特徴
- 受取時期:高校入学時と大学入学時から4年間
- 保険料払込期間:10歳・17歳・18歳から選択
- 保険料払込免除特約:標準装備
- オンライン相談:必須(申し込み前に実施)
- 出生前加入:出生予定日の140日前から可能
アフラックは外資系保険会社として、合理的な商品設計が特徴です。祝い金の受取時期が柔軟に設定でき、教育資金が最も必要となる大学入学時期に重点を置いた設計が可能です。
太陽生命 わくわくポッケ
太陽生命の「わくわくポッケ」は、完全ネット申し込み対応の学資保険です。シンプルな設計で、初めての方でも分かりやすいのが特徴です。
商品の特徴
- 契約年齢:0歳~9歳
- 満期年齢:15歳・18歳・20歳・22歳から選択
- 学資金受取:進学時期に合わせて複数回
- 保険料払込免除:契約者の万一に備えた保障付き
- オンライン相談:不要(任意で利用可能)
太陽生命は、お客さまの声を反映した商品開発に定評があり、使いやすいウェブサイトも評価されています。月々の負担を抑えながら、確実に教育資金を準備したい方に適しています。
これらの保険会社以外にも、富国生命、ソニー生命、ゆうちょ(かんぽ生命)、日本生命なども学資保険を提供していますが、現時点では完全なネット申し込みには対応していません。これらの商品を希望する場合は、店舗での対面契約または郵送での申し込みとなります。
学資保険にネット申し込みする方法
ネット申し込みの流れ
学資保険のネット申し込みは、以下のSTEPで進めていきます。事前に必要な書類を準備しておくとスムーズです。
STEP1:保険会社のウェブサイトにアクセス 希望する保険会社の公式サイトから、学資保険のページを開きます。商品概要や約款を確認し、内容を理解しましょう。
STEP2:保険料シミュレーション 契約者とお子さまの年齢、希望する保険金額などを入力し、月々の保険料を確認します。複数のプランを比較検討することが大切です。
STEP3:申し込み情報の入力 契約者情報、被保険者(お子さま)情報、受取人情報などを正確に入力します。健康状態の告知も必要になる場合があります。
STEP4:本人確認書類のアップロード 運転免許証やマイナンバーカードなど、本人確認書類の画像をアップロードします。鮮明な画像を用意しましょう。
STEP5:保険料の払込方法選択 クレジットカード払いや口座振替など、希望する払込方法を選択します。初回保険料の支払い手続きも行います。
STEP6:申し込み内容の最終確認 入力した内容に誤りがないか確認し、申し込みを確定します。控えとなる受付番号は必ず保管しておきましょう。
STEP7:審査・契約成立 保険会社での審査後、問題がなければ契約成立となります。保険証券は後日郵送で届きます。
ネット申し込みの注意点
店舗扱い商品と取り扱いが異なる場合がある
ネット申し込み専用の商品は、店舗で販売されている商品とは保障内容や特約の選択肢が異なることがあります。「店舗で見た商品と違う」ということがないよう、事前に商品内容を十分確認することが重要です。
また、ネット申し込みでは利用できない割引制度や、キャンペーンが適用されない場合もあります。総合的に判断して、本当にネット申し込みがお得なのか検証する必要があります。電話での問い合わせも活用し、不明な点は契約前に必ず確認しましょう。
契約者本人による申し込みが必要
ネット申し込みでは、必ず契約者本人が手続きを行う必要があります。店舗申し込みでも同様ですが、ネットだからといって配偶者や家族が代理で手続きすることはできません。
これは、本人確認の厳格化と、契約内容の理解を確実にするための措置です。たとえ夫婦であっても、契約者となる本人が直接申し込み手続きを行い、告知事項についても正確に回答する必要があります。万一、虚偽の申告や代理申込が発覚した場合、契約が無効となる可能性もあるため注意が必要です。
まとめ
学資保険のネット申し込みは、保険料が安くなる、24時間いつでも申し込める、といったメリットがある一方で、自分で商品を選ぶ必要がある、特約の選択肢が少ないなどのデメリットもあります。
明治安田生命の「つみたて学資」、アフラックの「夢みるこどもの学資保険」、太陽生命の「わくわくポッケ」など、ネット申し込みに対応した商品も増えてきていますが、すべての学資保険がネット完結できるわけではありません。富国生命やソニー生命など、人気の高い商品の中にはネット申し込みに対応していないものも多くあります。
大切なお子さまの将来のための資金準備ですから、メリット・デメリットを十分理解した上で、自分に合った申し込み方法を選択することが重要です。保険の知識に自信がない方や、じっくり相談したい方は、無理にネット申し込みにこだわらず、対面での相談も検討してみてください。
教育資金の準備は長期にわたる計画です。返戻率や保障内容だけでなく、保険会社の信頼性や自分にとっての利便性も考慮して、最適な学資保険を選びましょう。まずは各保険会社のウェブサイトでシミュレーションを行い、資料請求から始めてみることをおすすめします。