2022年は多くの地域で記録的な早さの梅雨明けに加えて、ロシアのウクライナ侵攻や円安の影響もあり、エネルギーの需要と価格が高止まりしています。2022年6月26日、27日には東京電力管内で電力需給ひっ迫注意報が発令されたことを覚えている方もいらっしゃると思います。そのため、電力会社と政府が節電に取り組みやすくするために、それぞれ節電ポイントを実施します。
今回は節電ポイントの概要と節電のためにできることについてお伝えします。
1.電力会社実施の節電ポイントとは
節電ポイントは電力会社が実施しているキャンペーンです。利用している電力会社のホームページを経由して、キャンペーンサイトに登録をすることが一般的です。東京電力や関西電力、中部電力等の従来からある大手電力会社10社はいずれも実施していますが、電力会社によって、全員ポイントがもらえる場合と抽選でポイント等がもらえる場合に分かれます。
例えば、東京電力エナジーパートナーでは、2022年9月30日までの期間に対し、1kwh節電すると5円相当のポイントが付与されます。また、初めて節電の対象となった場合に初回ボーナスとして100円相当のポイントが付与されます。
受け取ったポイントは電気代の支払いへの使用や、Tポイントなどの大手共通ポイントやAmazonギフト券などに交換することも可能です。なお、交換できるポイントなどは各電力会社で異なるため、詳細は各HPなどを参照ください。
また、2016年から始まった新電力会社でも東京ガス、大阪ガス、SBパワー等でも節電のキャンペーンを実施しています。なお、燃料費の高騰のため最近では、新電力会社の新規加入を注視しているところも多いので、しばらくは電力会社の変更はせずに、現在利用している電力会社のホームページでキャンペーンの有無や内容を確認すると良いでしょう。
2.政府実施の節電ポイントとは
政府実施予定の節電に対するポイント付与は、2022年7月29日に予算が閣議決定され、総額1783億円の予算が設定されました。電力会社等が実施する節電キャンペーンに参加する家庭に、2000円相当のポイントが付与されるキャンペーンを2022年8月中に実施予定です。
これに伴い、いままで節電ポイント等のキャンペーンを実施していない電力会社でもキャンペーンを実施する可能性もありますので、気になる方は8月後半に利用している電力会社のホームページを確認すると良いでしょう。
3.節電は無理なく、できることから
節電ポイントは上がり続ける電気代の補填になると思いますが、無理な節電をして別のところにお金が掛かっても意味がありません。特に冷房の適切な使用は熱中症対策の観点からも必要です。
節電につながる冷房使用時の工夫とは?
①設定温度を今までより1度下げる
②フィルターの掃除を適度にする
③扇風機・サーキュレーターを併用する
④部屋や室外機に直射日光が当たらないようにする
冷房以外での節電につながる工夫とは?
①冷蔵庫・冷凍庫の冷やしすぎや開けっ放しの解消
②待機電力の削減(使用頻度の低い家電のコンセントを抜く)
③照明やテレビなどの不使用時のスイッチオフ等
なお、電力量計(メーター)が従来の円盤が回る物ではなく、デジタル表示のスマートメーターであれば、電力会社のサイトなどに登録すると月日や時間ごとの電力使用量が確認できるケースもあるので、参考にすると良いでしょう。
過度な節電は続かず、生活に支障をきたしてしまう可能性もありますが、適切な電力の使用は家計にも環境への観点からも有効です。今までも節電に取り組んでいた方は下げられる余地が少ないので、節電ポイントの獲得には不利な面もありますが、これから節電に取り組む方にとっては、取り組む機会にもなります。
節電ポイントそのものは多額にはならない場合が多いと思いますが、これをきっかけに節電を継続できれば、長期に家計のプラスになります。無理はせず、できることから始めてみてはいかがでしょうか。