2022年は円安や原材料・資源価格の高騰の影響で、多くのものの値段が上がっています。また、これからも多くのものの値上げが予定されています。値上げラッシュの中、まとめ買いは家計防衛策の一つですが、このまとめ買いが適切でない場合には期待に反して無駄になってしまうこともあります。 今回はまとめ買いのパターン、まとめ買いに向いているもの・向いていないもの、まとめ買いに向いていない人についてお伝えして参ります。
1.まとめ買いにメリットが出るパターンとは
家計をプラスにする前提のまとめ買いには、主に以下の3パターンに分かれます。
①値上げ前の価格でまとめて買う場合
値上げが予定されているものについて、値上げ前にまとまった数や量を購入します。値上げ後の値段が大きいものや割引になりにくいものについては節約効果が高い反面、値上げが予定されていても特売・セールになりやすいものは、値上げ前にまとめて購入するメリットが低くなります。
②まとめて買うことによって単価が下がる場合
例えば、1個100円のものが、3個まとめて購入すると270円になるようなケースです。スーパーマーケットやドラッグストアで特定の商品で実施されていることが少なくないと思われます。普段から良く食べるもの・飲むもの・使うものであれば、メリットになりやすいです。
③特売・セール等で価格が一時的に安い場合
通常の価格より特売・セール等で一時的に安いタイミングで購入するケースです。また、価格を下げる代わりに加算されるポイントを増やすパターンもあります。こちらも普段から良く食べるもの・飲むもの・使うものであれば、メリットになりやすいですが、通常の価格を知っておく必要があります。
2.まとめ買いに向いているもの、向いていないもの
ものをまとめて買うことを「まとめ買い」と呼ぶ分には、ほとんどのものがまとめ買いが可能ですが、家計をプラスにする観点からは、まとめ買いに向いているもの、向いていないものがあります。
家庭や個人に差はあると思いますが、一般的に考えると、まとめ買いに向いているものは、消費期限・賞味期限の長い飲食物、使用期限の長い消耗品です。最近は防災の観点から、賞味期限の長い飲食物などを中心に在庫を少し多めにして日常生活で備蓄品を使い、使った分を買い足すローリングストックという考え方も広まりつつあります。
また、逆にまとめ買いに向いていないものは、消費期限・賞味期限の短い飲食物・使用期限の短い消耗品だけでなく、保管が温度管理や場所の面などで難しいものも含まれます。まとめて購入することで、一部を腐らせてしまったり、効果が弱まったりしてしまうものは、まとめ買いを避けた方が無駄にはなりにくいです。
3.まとめ買いに向いていない人
まとめ買いは買い方や買う品物も大切ですが、本人の性格や忙しさによるところも少なくありません。購入する金額だけでみれば、まとめ買いをした方が安く済むケースは多いのですが、買った品物を無駄にしてしまうと、必要な分だけ購入した方が結果的に支払う金額が少なくて済んだということにもなりかねません。
飲食物の消費期限・賞味期限切れだけでなく、買ったものがどこにあるか分からず改めて品物を購入したり、在庫が多くあるので消費する量や数が普段より増えてしまったり、あまり安くない値段でまとめ買いをしてしまったりしてしまうと、まとめ買いによるメリットを受けにくくなります。
例えば、ビールや清涼飲料水を箱で買って、1本あたりの単価は下がっても、普段は1日1本しか飲まないのにたくさん買ってあるからと2本、3本飲んでしまうといったことは良くあることです。 そのため、在庫管理ができない人、たくさん買うとあっただけ食べたり飲んだりしてしまう人、品物の値段を把握していない人は、あまりまとめ買いには向いていないので、まとめ買いをする品目を絞って行うか、まとめ買いそのものをしないという選択肢も検討すると良いでしょう。
最近では、多くのものの値段が上がっているため、適切にまとめ買いをすることは家計にとってメリットが少なからずありますが、まとめ買いしたものを無駄にしてしまうとデメリットにつながってしまいます。値段やポイントだけにつられて、まとめ買いをするのではなく、ご自身やご家族の性格や状況とまとめ買いする品物を考えながら、適切な範囲でのまとめ買いを心がけると家計にプラスになることも多いと思います。できることから無理なくまとめ買いを始めてみてはいかがでしょうか。