2022年は値上げラッシュで家計にも影響が多々ありますが、少しの工夫や手間で今までの金額より支払いを安くすることができるものもあります。すべての人に当てはまるものはありませんが、光熱費と外食費についてのヒントをそれぞれ2つずつお伝えいたします。
1.水道光熱費は1度の設定で継続できるものを
①節水シャワーヘッドで5%~10%の水道料金の削減
少し古いデータですが、2015年の東京都水道局の調査によると、家庭での水道使用量のうち、40%がお風呂で使われているとのことです。浴槽とシャワーの比率はご家庭によって異なりますが、仮にお風呂の水道使用量の半分をシャワーとすると、水道使用量の20%がシャワーに使われることになります。このシャワーに節水シャワーヘッドを使用すると、商品の性能にもよりますが、多くの商品が30%~50%程度の節水効果を想定しているため、シャワーの節水を30%できたと仮定すると、水道使用量の6%が削減できます。
2020年度の東京都水道局の調査によると、4人家族の平均水道使用量は23.1立方メートルでしたが、6%削減した場合には21.7立方メートルになり、東京都水道局の水道料金で計算すると月500円程度の節約になります。これを5年間とした場合、500円×12か月×5年=30,000円となり、節水シャワーヘッドがその値段以内に収まれば、その差額が節約できることになります。水道料金が高いエリアほど節約効果は大きくなりますので、節水シャワーヘッドを検討すると良いでしょう。
②電力のアンペアを下げて基本料金を削減
すべての電力会社が対象ではありませんが、電力の基本料金がアンペアによって変わる場合があります。アンペア(A)とは、電気の流れる量を表す単位で、契約しているアンペア容量が大きければ大きいほど、同時にたくさんの電化製品を使用することができます。適切な契約アンペア容量を知るためには、同時に使う電化製品が最も多い時のアンペア数の合計を計算します。例えば、500Wの電力を消費する電化製品を6つ同時に使用すると30アンペアが必要となります。
東京電力エナジーパートナーの場合、50アンペアの月額基本料金は1,430円ですが、40アンペアの場合は1,144円です。こちらの例では10アンペアを下げると月286円の削減となります。 電化製品の使用に影響があるほど無理にアンペアを下げるのは現実的ではありませんが、同時に使う電力量に余裕がある場合にはアンペアを下げることも検討してみましょう。なお、関西電力や中国電力などアンペアを基本料金としていない場合もありますので、電気料金を下げる検討をする場合には、まずはご家庭の電気料金の計算がどのようになっているか確認しましょう。
2.外食費を安くするには事前の準備を心がけましょう
節約の観点であれば、外食そのものの回数を抑えるのが有効ですが、外食を全くしないというのもあまり現実的ではありません。そのため、外食をするのであれば、事前に準備をして、支払う額を減らす工夫をすると良いでしょう。
すべての飲食店でできるものではありませんが、支払いを安くする工夫を2点お伝えします。なお、家計改善の観点からは、毎月の外食費を予算化すると、使いすぎを防げます。
①食事券や優待券を活用しましょう
良く行くお店や前もって準備できる場合には、食事券や優待券が使えるか確認をし、事前に準備すると良いでしょう。例えば、全国共通お食事券(ジェフグルメカード)は2022年8月現在、約2万8千件の店舗で使えます。チケットショップ(金券ショップ)では、定価の2%~5%引き程度で販売していることが多いので、その分の支払い額を安くできます。
例えば、ファミリーレストランで5000円の支払いの場合、割引率4%であれば200円支払いを安くできます。株主優待券等を使用できる店舗が少ない場合には割引率が全国共通お食事券より高い場合もありますので、興味と時間のある場合には、チケットショップを探してみると良いでしょう。
②クーポンやアプリ、子育て支援パスポートを使いましょう
一昔前は紙のクーポンが主流で、現在でも配られることもありますが、お店・チェーン店独自のアプリやキャッシュレス決済に付随する電子クーポンが増えてきました。良く行くお店やあらかじめ決まった店に行く場合には、アプリや電子クーポンがないか確認しましょう。
また、子育て支援パスポートを持っている方は協賛店舗で割引が受けられる場合もあります。こちらも良く行くお店やあらかじめ決まった店がないか確認すると良いでしょう。子育てパスポートは都道府県が実施しています。内容を確認したい方や協賛店舗を確認したい方は、内閣府・子育て支援パスポート事業 全国共通展開参加自治体リンク集からお住まいの都道府県の内容を確認してみましょう。
家計を向上・改善するには、固定費は一度設定すると効果が継続できるものを、日々の節約は無理ない範囲で作業を習慣化できるものを中心にすると続けやすいです。 多くのものの値上げは全世界的な事象ですので、しばらく続く前提で考えた方が良さそうです。今回の内容が当てはまらない方は、別の項目で固定費の削減や日々の節約の習慣化ができるものがあれば、そちらを優先しても良いでしょう。できることから始め、将来の家計のプラスになるきっかけにしていただければと思います。