【助産師監修】妊娠検査薬はいつ使う?正しい使い方を解説
妊娠しているかどうか確認したいとき、病院へ行く前に妊娠検査薬を使いたいと考えている人も多いでしょう。一般的に知られるようになってきた妊娠検査薬ですが、使い方がよくわからないという人も少なくありません。ここでは、妊娠検査薬をいつ使ったらいいのか、どのように使えばいいのか、妊娠しているかどうかの判断はどのようにするのかなどについて解説します。
妊娠検査薬とは?
妊娠検査薬とは、妊娠しているかどうかを調べるための試薬のことを言います。妊娠検査薬が市場に出回るまではつわりなどの妊娠初期症状が出現してから産婦人科を受診し、そこで初めて妊娠を知る人がほとんどでした。しかし、妊娠検査薬が市販されるようになり、自分で妊娠しているかどうか調べてから産婦人科を受診する人が多くなってきています。近年の妊娠検査薬は精度が非常に高く、比較的早い時期の妊娠もチェックすることが可能と言われています。
一般用妊娠検査薬が認可・発売されるようになったのは、1990年代です。これ以降急速に普及し、多くの人が利用するようになりました。使用頻度は人によって異なりますが、タイミング的には基本的に月に一度、検査が可能になった日の前後に使います。妊娠するまで毎月継続的に使用する人もいます。
妊娠検査薬の仕組み
精子と卵子が卵管で受精し、数日かけて子宮内に移動した後、受精卵が子宮内膜に着床すると、妊娠が成立します。受精卵が着床し、胎盤がつくられ始めるのと同時にhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが分泌されるようになります。
■射精・排卵・受精の流れ
hCGは妊娠していないときや男性の体ではつくられないホルモンで、妊娠を継続するのに不可欠な黄体ホルモン(プロゲステロン)と卵胞ホルモン(エストロゲン)のバランスを保つ働きがあります。hCGは、受精卵の着床後(妊娠2~3週ごろ)に分泌されはじめ、徐々に増え、そして妊娠11~12週ごろに最も分泌されます。hCGは分泌が増加するとともに、尿の中にも排出されるようになります。
■受精・着床・妊娠検査薬を使うまでの流れ
妊娠検査薬は尿中のhCGに反応する試薬が入っており、尿を用いて妊娠しているかどうかを調べます。
【Point】
・精子と卵子の受精後、受精卵が子宮内膜に着床するとhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが分泌される
・hCGは受精卵の着床後(妊娠2~3週ごろ)に分泌されはじめ、分泌が増加するとともに尿の中に排出される
・妊娠11~12週ごろにhCGが最も分泌される
妊娠検査薬と早期妊娠検査薬との違い
一般的な妊娠検査薬とよく似ているものに、早期妊娠検査薬というものがありますが、正しくは「妊娠診断補助試薬」と言います。早期妊娠検査薬は、その名のとおり一般的な妊娠検査薬よりも早い時期に検査ができるようになっていて、生理開始予定日から使用できます。
一般的な妊娠検査薬と早期妊娠検査薬は、尿のhCGに反応するという検査の仕組み自体はまったく同じですが、反応するhCGの量が異なります。一般的な妊娠検査薬は、尿中のhCGが50IU/L以上になった場合に陽性反応が出るのに対し、早期妊娠検査薬はこの半分の25IU/Lで陽性反応が出るようになっています。
【Point】
・妊娠検査薬が反応するhCGの量 50IU/L以上
・早期妊娠検査薬が反応するhCGの量 25IU/L以上
・早期妊娠検査薬は少ないhCGの量で反応するため、早い時期に検査ができる
妊娠検査薬の精度
妊娠検査薬はとても簡単な方法で検査できるので、今まで使ったことがない人でも使えると言われていますが、本当に正しく検査ができるのか不安を感じる人もいるかもしれません。しかし、日本製の妊娠検査薬においてはhCGの検出精度が99%以上であるものがほとんどです。(※妊娠判定を99%以上の精度でしてくれるということではありません)
早期妊娠検査薬の場合は、検査をおこなう日によって精度が異なってきます。早い時期に調べれば調べるほど尿中のhCGの量が少ないので、検査の精度にも違いが出てくるのです。
妊娠検査薬は取り扱い説明書に書いてあるとおりに正しく検査をおこなわなければ、間違った結果が出る可能性もあります。妊娠しているかどうか早く知りたいからといって慌てて検査したり、検査の方法を守らなかったりすると、正しい結果を得ることができません。最初に取り扱い説明書をしっかり読み、書かれているとおりに手順に沿って検査するようにしましょう。
妊娠検査薬はどこで手に入る?(購入方法)
一般的な妊娠検査薬は、ある程度の規模があるドラッグストアであれば置いてあるところが多いので、手に入りやすくなっています。ドラッグストアにもよりますが、主に生理用品売場や基礎体温計を扱っている売場などに置かれていることが多いようです。
また、インターネット通販などでも購入可能です。価格は1本1,000円前後となっていますが、取り扱っている店舗によって価格に差が生じている商品もあるようです。
【関連リンク】
妊娠検査薬はいつ使えばいいの?使うタイミングは?
妊娠検査薬は、「産婦人科に行く前にまず自分で妊娠しているかどうか知りたい」「受診のタイミングを知るためにもまず検査薬で調べておきたい」というときに使うことが多いのではないでしょうか?
妊娠週数の数え方は最終月経の初日が「妊娠0週0日」で、これが妊娠の起算点となります。その後は1週が7日間単位で、妊娠1週、妊娠2週と数えていきます。一般的な妊娠検査薬が生理開始予定日の1週間後、つまり妊娠5週目くらいから検査できるのに対して、早期妊娠検査薬は生理開始予定日、つまり妊娠4週目くらいから検査が可能になります。
妊娠検査薬の使い方は?
妊娠検査薬はスティックのような形をしているものが一般的です。
このスティックの一方のキャップが外れるようになっているので、キャップを外して直接尿をかけます。スティックに直接尿をかけるのではなく、紙コップに尿を採り、スティックを浸してもかまいません。「終了」という窓があって、尿を正しくかけ終わるとマークが出るタイプのものもあります。尿をかけ終わったら再びキャップをし、平らなところにしばらく置いて反応が出てくるのを待ちます。
海外製の早期妊娠検査薬には紙タイプのものもありますが、日本製の早期妊娠検査薬は、一般的な妊娠検査薬と同じスティックタイプです。早期妊娠検査薬も尿をかけて一定時間置き、反応を待つという手順は一般的な妊娠検査薬と変わりません。判定が出る時間もほぼ同じです。
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日本製の妊娠検査薬
日本製の妊娠検査薬はいくつかあります。日本製のものは基本的に
1.生理開始予定日の1週間後から使用可能
2.尿をかけるだけ
3.どの時間の尿でもOK
4.判定まで1分
など、使用方法に大きな違いはみられませんが、尿をかける(浸す)時間、尿をかけてから判定までの時間、価格、有効期間などに若干の違いがみられます。
一般的な妊娠検査薬
■チェック ワン(株式会社アラクス)
※出典:製品情報 | 株式会社アラクス
【商品解説】
尿をかける(浸す)時間:3秒(5秒)
尿をかけてから判定までの時間:1分
希望小売価格: 1回用 1,080円(税込) 2回用 1,620円(税込)
保管方法・有効期間 :室温保管 30カ月
製品公式サイト:妊娠検査薬 チェック ワン
製品詳細情報:添付文書(PDF形式)
【関連リンク】
■ドゥーテスト・hCG(ロート製薬)
【商品解説】
尿をかける(浸す)時間:約2秒(2秒以上。ただし5秒以上はつけない)
尿をかけてから判定までの時間:約1分
希望小売価格:1回用 864円(税込) 2回用1,296円(税込)
保管方法・有効期間:室温保管 22カ月
製品公式サイト:妊娠検査薬 ドゥーテスト・hCG
製品詳細情報:添付文書(PDF形式)
【関連リンク】
■クリアブルー(オムロンヘルスケア)
※出典:妊娠検査薬 クリアブルー|妊娠検査薬|商品情報 | オムロン ヘルスケア
【商品解説】
尿をかける(浸す)時間:5秒 (20秒)
尿をかけてから判定までの時間:10秒以内
希望小売価格:1回用 864円(税込) 2回用 1,296円(税込)
保管方法・有効期間:常温保存 36カ月
製品公式サイト:妊娠検査薬 クリアブルー
製品詳細情報:添付文書(PDF形式)
【関連リンク】
■P-チェック・S(ミズホメディー)
※出典:製品の特長 | 妊娠検査薬 P-チェック・S/S-チェッカー | 株式会社ミズホメディー
【商品解説】
尿をかける(浸す)時間:5秒以上(10秒間)
尿をかけてから判定までの時間:1~3分
希望小売価格:1回用 864円(税込) 2回用 1,296円(税込)
保管方法・有効期間:常温保存 36カ月
製品公式サイト:妊娠検査薬 P-チェック・S
製品詳細情報:添付文書(PDF形式)
【関連リンク】
■ハイテスターN(武田コンシューマーヘルスケア)
※出典:妊娠検査薬 ハイテスターN|タケダの検査薬シリーズ|ハイテスター
【商品解説】
尿をかける(浸す)時間:5秒以上(10秒間)
尿をかけてから判定までの時間:1~3分
希望小売価格:1回用 864円(税込) 2回用 1,296円(税込)
保管方法・有効期間:常温保存 36カ月
製品公式サイト:妊娠検査薬 ハイテスターN
製品詳細情報:添付文書(PDF形式)
■ウー・マン チェック(不二ラテックス)
※出典:【不二ラテックス】妊娠検査薬「WO+MAN check」| WO+MAN check とは?
【商品解説】
尿をかける(浸す)時間:5秒以上(20秒)
尿をかけてから判定までの時間:1~3分(3分待ってもラインが見えない場合はもう1分)
希望小売価格:オープン価格
保管方法・有効期間:室温(1~30℃)36カ月
製品公式サイト:妊娠検査薬 ウー・マン チェック
実際どの妊娠検査薬を選べばよいか、迷ってしまう人もいるかもしれません。しかし、どのメーカーもhCGの検出精度が99%以上とうたっていることから大きな差はないと考えられます。ですので、使いやすさや判定の見やすさ、コスパなどから選ぶとよいのではないでしょうか。価格については、1本入りのものより2本入りの方が割安となっていますので、妊活中の方や生理不順の方などは複数本入っているものを選ぶとよいでしょう。
まとめ
妊娠検査薬は簡単でありながらも高い精度で妊娠しているかどうかを調べることができるキットです。使い方もとてもシンプルになっており、初めて妊娠検査薬を使う人でも自宅で簡単に検査できるようになっています。妊娠検査薬では、陽性・陰性という判断方法で、比較的早い時期に妊娠しているかどうかを調べることが可能です。ただし検査に適した時期に正しい使用方法で検査することが重要で、陽性反応が出た場合には、正常妊娠であることを確定してもらうためにも、早めに産婦人科を受診するようにしましょう。
参考:
・医薬品管理センター/妊娠検査薬による自己検査<>
・一般用医薬品のリスク区分 - 厚生労働省
・よくあるご質問 | 妊娠検査薬 | 株式会社ミズホメディー
・妊娠検査薬 | ロート製薬: 商品情報サイト
・妊娠検査薬 アラクス・チェックワン
・妊娠検査薬 クリアブルー|妊娠検査薬|商品情報 | オムロン ヘルスケア
・日産婦誌59巻6号研修コーナー「日産婦誌59巻6号研修コーナー」
【関連リンク】
・妊娠検査薬で陽性になったら産婦人科に行くタイミングと産婦人科の初診の内容について
・妊娠はどうやってわかる? 妊娠検査薬の使い方と妊娠初期の症状について
・早期妊娠検査薬はいつから陽性・陰性の反応が出る? フライング検査とは?