高校生のお子様を持つ親御さんにとって、「子どもに保険は必要なのだろうか?」という悩みは自然なものです。保険は万が一の事態に備える「安全策」のようなものですが、実際に必要かどうかは各家庭の状況やリスクによって異なります。本記事では、高校生に医療保険や生命保険、自転車保険などは必要なのか、ケースバイケースの考え方を専門的な視点で丁寧に解説します。
保険の必要性はケースバイケース ~「もしも」に備える考え方~
大前提として、保険の必要性は個々のケースによって異なります。高校生といっても、健康状態や生活環境、将来の進路や日々のリスクは一人ひとり違います。そのため、一概に「高校生にはこの保険が必須」と断言することはできません。保険とは本来、地震への非常食や防災グッズのように「起こらない方が良いけれど、起きたら困る事態」に備えるものです。
高校生の場合、若く健康であるほど重大な病気や死亡のリスクは低い一方で、日常生活や部活動でのケガや、自転車事故などのリスクがあります。また、18歳にもなれば自動車の運転免許を取得し、運転を始めるケースもあるでしょう。このように高校生を取り巻くリスクには様々な種類があります。そこで以下では、医療保険・生命保険・自転車保険といった代表的な保険ごとに、その必要性を詳しく見ていきます。中立の視点で解説していきますので、お子さんに保険をかけるべきか迷っている方は参考にしてください。
高校生の医療保険は必要?基本的には必要性は高くない
高校生にとって医療保険必要性が高くないとされています。その主な理由を順に見てみましょう。
医療保険が基本的に不要とされる主な理由
理由1:高校生は入院するリスクが低く、入院しても短期間で済む傾向がある
若年層は重い病気になる確率が低く、医療保険で備える必要性も相対的に低くなります。厚生労働省の調査によれば、15~19歳の人口10万人あたり入院者数は123人と、他の年代よりも格段に少なくなっています。また、平均入院日数も15~34歳では12.2日と、全世代平均である32.3日の約3分の1に留まっています。簡単にいえば、高校生は入院を要するような大病にかかる人が非常に少なく、仮に入院しても短期間で退院できるケースがほとんどです。そのため、健康な高校生であれば高額な医療保障を毎月支払って準備しなくても大きな問題になりにくいといえるでしょう。
理由2:自治体の医療費助成制度が手厚く、医療費の自己負担が軽減される
日本には公的医療保険があり、誰でも医療費は3割負担で済みますが、子どもはそれ以上に行政の支援が手厚いです。多くの自治体では子育て家庭の負担軽減策として「子ども医療費助成制度」を設けており、未就学児から中学生までの医療費自己負担分を自治体が助成しています。自治体によって助成の内容は異なりますが、中学校卒業まで医療費は実質無料という地域が多く、なかには高校生を対象に含める自治体もあります。例えば東京都では中学生まで医療費助成があり、さらに一部自治体(例:印西市など)では高校生まで医療費助成を行っているケースもあります。このように高校生は公的制度によって医療費の自己負担が非常に少なく抑えられているため、高額な治療費リスクに備える必要性が低いのです。医療費助成の対象から外れる年齢になってから、改めて民間の医療保険加入を検討しても遅くはないでしょう。
理由3:掛け捨て型保険が多く、他の備えでカバーできる場合もある
民間の医療保険の多くは掛け捨て型といって、給付を受けずに終われば支払った保険料は戻ってきません。高校生のようにそもそも給付を受ける可能性が低い年代では、掛け捨ての保険に加入すると払い損になる可能性が高いです。また、小さい頃に学校や幼稚園で共済保険に加入している場合は、ある程度の医療保障が既に付いているケースもあります 。例えば、子供が以前から何らかの共済保険に加入している場合は、新たに医療保険に入らなくてもケガや病気の保障がカバーできていることがあります。さらに、高額療養費制度もあるため、最悪でも医療費が青天井に膨れ上がる心配はありません。
《高校生の医療保険が基本不要な理由まとめ》
- 高校生年代は入院や手術が必要となる重い病気になるケース自体が少なく、仮に入院しても長期化しにくい傾向があります。
- 子どもの医療費は公的補助で自己負担がゼロ~少額に抑えられる地域が多く、高校生も中学生までの助成延長や高額療養費制度で医療費リスクが軽減されています。
- 多くの医療保険は掛け捨てのため、給付を受けないと保険料が無駄になってしまいます。共済などで代替できる保障がある場合や、公的制度で十分カバーできる場合は、無理に医療保険に加入する必要性は高くありません。
医療保険への加入を検討すべきケース
「高校生に医療保険は基本不要」というのが一般論ですが、状況によっては加入を検討した方が良いケースもあります。以下に、例外的に医療保険(またはそれに類する保障)への加入を前向きに考えたいケースを挙げます。
- 持病がある・将来的に大きな病気のリスクが懸念される場合: もしお子さんに慢性的な持病や、家系的に若年で発症しやすい疾患のリスクが高い場合は、医療保険で手厚く備えておく価値があります。万が一重い病気にかかった際に、保険に入っていれば先進医療や治療の選択肢を広げてあげられる安心感があります。
- 部活動や日常生活でケガのリスクが高い場合: 激しいスポーツやケガをしやすい活動をしている場合も注意が必要です。医療保険自体は病気もケガも保障しますが、特にケガに備えるなら後述の傷害保険でも代用できます。しかし、通院が長引く大ケガなどに備えたいときは医療保険に入っておくと安心です。例えばサッカーやバスケなどで何度も捻挫・骨折を経験しているようなお子さんですと、将来的に手術が必要な怪我をする可能性もゼロではありません。そうした場合の入院費・手術費の保障として検討してもよいでしょう。
- 親御さんが付き添うことによる経済的損失に備えたい場合: お子さんが入院する事態では、親御さんも仕事を休んで付き添うことが考えられます。医療保険の給付金は、必ずしも治療費にしか使えないわけではなく、ご家族の雑費や収入減の補填に充てることも可能です。お子さんの入院中に発生しうる出費をカバーする目的で、保険に加入しておくのも一つの考え方です。
- 住んでいる地域で高校生の医療費助成がなく不安な場合: 前述のとおり多くの自治体は中学生まで医療費を助成していますが、高校生は対象外という地域もあります。高校生になると自己負担3割が発生する地域の場合、特に医療費補助が途切れる16歳以降について心配なら、保険加入で備えを検討してもよいでしょう。
このように、お子さん固有の健康リスクやご家庭の事情によっては、医療保険への加入メリットも出てきます。「高校生だから絶対入らなくていい」と決めつけるのではなく、お子さんの体質・活動内容や経済状況を踏まえ、「この子にはどこまで備えておくべきか?」を親子で話し合ってみると良いでしょう。保険はあくまで安心を買うものですから、加入しないことで不安が大きいようであれば検討の価値はあります。
《医療保険に加入を検討すべきケースまとめ》
- お子さんに持病がある、または将来的にかかりやすい病気が想定される場合は、医療保険で治療費の選択肢を確保すると安心です。
- 激しい運動などでケガのリスクが高い場合、特に長期の通院・入院につながるような大けがに備えたいなら医療保障を用意すると良いでしょう(傷害保険で代替も可)。
- 子どもの入院に親が付き添う際の出費や収入減もカバーしたい場合、医療保険の給付金が役立ちます。
- 地域の医療費助成が高校生から無くなるなど不安がある場合、自己負担増に備えて保険加入を検討する意義があります。
高校生向け医療保障の選び方(医療保険・総合保障制度・傷害保険)
実際に高校生に医療保障を用意するとしたら、どのような保険商品・制度を選ぶのが良いでしょうか。結論、大きく分けて3つの選択肢があります。それぞれ保障内容や特徴が異なりますので、お子さんのニーズに合ったものを選びましょう。
1. 民間の医療保険に加入する
生命保険会社などが販売する医療保険は、病気・ケガによる入院や手術に対して所定の給付金が受け取れる保険です。保障内容は商品によって様々ですが、「入院1日〇円」「手術1回につき〇円」など決まった金額が給付されるものが一般的です。高校生本人が契約者となることは年齢的にできませんが、親御さんが契約者となり、子どもを被保険者にする形で加入できます。メリットは病気もケガも包括的にカバーできる点で、がんや心疾患などの大病にも備えられます。ただし、若年層では給付を受ける人が少ないため、保険料の負担に見合うかはよく考えなければなりません。掛け捨て型が多いですが、なかには終身医療保険など解約返戻金があるタイプもあります。どうしても心配なら、18歳のタイミングで終身型の医療保険に加入し、将来まで長期保障を確保するという方法もあります。18歳は保険料が安い年齢帯なので、若いうちに終身保障を買っておくと長期的には得になる場合もあります。ただし、途中解約だと元本割れすることもあるため、貯蓄性も求めるなら次に述べる終身保険も検討してみましょう。
2. 学校の「総合保障制度」(学生向け共済保険)に加入する
高校生向けには、各都道府県の高等学校PTA連合会や、全国共済などが提供する学生向けの団体保険があります。具体的には、傷害保険をベースに、必要に応じて病気入院保障や賠償責任保障などをパッケージしています。学校の授業中や登下校中の事故はもちろん、放課後や休日のケガ、場合によっては病気による入院・手術も一定額保障されます。また、プランによっては個人賠償責任保険や、扶養者である親御さんに万一のことがあった場合の育英費用補償なども含まれており、まさに高校生活を総合的にカバーする内容になっています。団体保険のため保険料も割安であることが多く、家計に優しい選択肢といえるでしょう。加入手続きは学校を通じて案内されることもあれば、各共済団体のウェブサイトなどから申し込める場合もあります。ただし、共済プランによっては病気の保障が限定的だったり、保障額に上限があるため、必要十分か内容を確認しましょう。「とりあえずケガと賠償だけでもカバーしておきたい」という場合には手軽でおすすめの方法です。
3. 民間の傷害保険に加入する
傷害保険とはケガのみを対象にした保険です。損害保険会社が提供しており、自転車事故やスポーツ中のケガなど「急激かつ偶然な外来の事故」によるケガで所定の給付金が出ます。入院日額や手術一時金、骨折・後遺障害時の給付金など、ケガに絞った保障のため、保険料は医療保険より安く設定されていることが一般的です。傷害保険は病気による入院・治療はカバーされないため、病気リスクは低いと割り切ってケガだけ備えたい方に向いています。「うちの子は滅多に病気はしないけど、運動系の部活なのでケガだけは心配」という場合に検討すると良いでしょう。また、傷害保険にも特約で個人賠償責任保障を付けられる商品が多く、後述する自転車事故への備えも一緒にできます。契約は親名義で家族型プランにすれば高校生のお子さんもまとめて保障できますし、お子さん個別に契約者(親)・被保険者(子)で入ることも可能です。
《高校生向け医療保障の選択肢まとめ》
- 民間の医療保険: 病気・ケガ全般に備えられるが掛け捨てが多く割高になりやすい。心配なら18歳から終身医療保険に加入し長期保障を確保する方法も。
- 学校の総合保障制度(学生向け共済): ケガや場合によっては病気、賠償責任までセットになった団体保険。保険料が安く高校生活全般の「もしも」を広くカバーできる。
- 民間の傷害保険: ケガのみ保障で保険料は安い。病気リスクを割り切る代わりにスポーツや事故によるケガに備えるには有効。多くは特約で個人賠償責任も付帯可能。
以上を踏まえ、高校生の医療保険については「基本的には様子見で問題ないが、どうしても心配なポイントがあるなら上記のような手段で備える」というバランスの取れた対応が望ましいでしょう。
高校生の生命保険は必要?死亡保障より貯蓄目的で検討
次に、生命保険(死亡保険)の必要性について考えてみます。結論からいえば、高校生本人に対する死亡保障目的の生命保険は一般的に必要性が低いです。理由と、例外的に加入を検討しても良いケースを見ていきましょう。
高校生に死亡保障の生命保険が不要とされる理由
生命保険は本来、家計を支える親に万が一のことがあった場合、残された家族を金銭面で支えるためのものです。高校生はまだ収入を得て家族を養っている立場ではなく、万が一高校生本人が亡くなった場合でも、遺された家族の生活費が立ち行かなくなるといった経済的リスクは基本的にありません。痛ましい話ではありますが、お子さんが事故や急病で亡くなるケースでは、経済面よりも精神的損失の方がはるかに大きく、お金でカバーすべき問題は多くありません。したがって、「万が一の死亡に備えて高校生に生命保険をかけておく」という必要性はかなり低いといえます。
また、高校生は若く健康であるため、死亡保険金が支払われるような重篤な病気や事故に遭う確率自体が極めて低いです。厚生労働省の統計も、未成年の死亡率は低いと公表しています。
将来の貯蓄目的で生命保険に加入するのはアリ
「貯蓄」を目的とした加入であれば、高校生も検討の余地があります。具体的には、学資保険や貯蓄型の終身保険といった、満期保険金や解約返戻金を受け取れるタイプの保険です。祝い金・満期金を受け取ったり、将来解約して資金を取り崩したりできるため、いざというときの文字通り「保険」として役立つでしょう。
学資保険はお子さんが18歳になると満期金を受け取れる商品が多く、大学入学金や教育費に充てられます。もし、まだ加入しておらず教育費の積立目的で検討するなら、高校生でもギリギリ間に合う商品があります。一方、終身保険に高校生のうちから加入しておく方法もあります。終身保険は一生涯の死亡保障が続く保険ですが、若いうちに加入すると保険料が割安になります。そのため、長期間かけて支払うことで、将来解約時に支払総額を上回る解約返戻金を受け取れる可能性があります。例えば17~18歳のお子さんを被保険者とし、親御さんが契約者・保険料負担者となって終身保険に加入すると、数十年後にお子さん自身が結婚・独立するときに解約して資金を渡す、といった活用もできます。貯蓄型保険は元本保証ではないものの、計画的に資金を準備できる手段として一定の支持を集めています。
注意点として、貯蓄目的であっても保険は長期間解約しないことが前提なので、途中解約すると元本割れになりかねません。例えば、大学資金準備で学資保険に入ったのに、途中で解約すると返戻率が100%を下回ることがあります。保険料負担も家計にとっては固定支出になるため、無理のない範囲で検討しましょう。また、純粋な投資・貯蓄商品に比べて流動性が低い点や、手数料部分がある点も踏まえ、保険以外の貯蓄方法との比較検討も大切です。
《高校生の生命保険必要性まとめ》
- 死亡保障のみを目的とした生命保険加入の必要性は低いです。高校生本人が亡くなった場合、家族の生活に及ぼす経済的影響は小さく、発生確率も極めて低いためです。
- 将来の資金準備策として生命保険を活用するのは選択肢の一つです。学資保険や貯蓄型保険なら満期金・解約返戻金を教育費や独立資金に充てられます。ただし途中解約リスクや保険料負担には注意しましょう。
- 実際に高校生~大学生の子どもを持つ家庭では、教育費準備のため子ども名義の保険に加入しているケースも多いです。それらは死亡保障というより貯蓄目的の色合いが強いことを認識しておきましょう。
高校生に必要性が高いその他の保険:自転車保険・個人賠償責任保険
高校生にとって特に必要性が高い保険もあります。それが自転車保険および個人賠償責任保険です。主にお子さんが第三者に損害を与えた場合のリスクに備える保険で、近年は重要性が増しています。
高校生にもなると行動範囲も広がり、自転車で通学したり友人と出かけたりする機会も多いでしょう。一方で自転車による事故は、被害を与えてしまうと高額な損害賠償責任が発生するケースがあります。親御さんとしても、「もし子どもが他人にケガをさせてしまったら…」というリスクには目を向けておく必要があります。
以下では、自転車保険と個人賠償責任保険について、その必要性とポイントを解説します。
自転車保険の必要性 ~高校生こそ加入を検討したい~
自転車保険とは自転車に乗っている際の事故について、自分自身のケガや相手への賠償責任を補償する保険です。高校生の自転車利用において、特に重要なのは相手方への賠償責任保障です。自転車事故で歩行者など第三者にケガを負わせた場合、数千万円以上の賠償金を命じられた判例も実際に存在します。例えば、2013年に神戸市で起きた事例では、当時小学5年生だった男児が自転車で歩行者に衝突し、被害者が重度の後遺障害を負ったため約9,500万円の賠償命令が下りました。このケースでは監督責任を問われた母親が支払うことになり、非常に深刻な経済的負担となりました。
こうした悲惨な事態を防ぐため、近年では自転車保険の加入を義務化する自治体・都道府県が増えています。東京都や大阪府をはじめ、多くの地域で自転車利用者は賠償保険等への加入が義務となっており、高校生であっても自転車に乗る以上は何らかの保険に入らなければならない地域や学校もあります。被害者への補償ができないと加害者家族も破産しかねないため、自転車に乗るお子さんには必ず賠償責任をカバーする保険を持たせることが肝心です。
自転車保険は具体的には、先述の傷害保険に個人賠償責任特約を付けたものや、都道府県や民間団体が提供する専用の自転車保険があります。自転車保険の中身は「傷害保険+個人賠償責任保険」と同じであることが多いです。ポイントは賠償責任の保険金額が十分なものを選ぶことです。保険料は年間数千円程度で、手軽に加入できます。
個人賠償責任保険の必要性 ~日常の「あやまち」に備える~
個人賠償責任保険とは、日常生活において他人にケガをさせたり他人の物を壊したりして法律上の損害賠償責任を負った場合に、補填してくれる保険です。部活動中に誤って他人の眼鏡を壊してしまった、遊んでいて友達にケガを負わせてしまった、お店の商品を落として壊した、道路でボール遊びをして車に傷を付けた等、あらゆるシーンでの賠償リスクに対応します。
個人賠償責任保険は単独の保険商品として加入することもできますが、多くの場合は他の保険に付帯する形で加入します。例えば、自動車保険や火災保険、自転車保険やクレジットカード付帯保険などに、特約として個人賠償責任保障を付ける形です。一般的にこの保険でカバーされるのは「契約者本人および同居の家族・別居の未婚の子」です。つまり親御さんのいずれかが個人賠償責任保険に加入していれば、その保障は高校生のお子さんにも及びます。すでにご家庭で個人賠償責任保険に入っている場合は、新たに子ども用に自転車保険を契約しなくても、子どもの自転車事故による賠償もカバーされる可能性があります。もし家族として何らかの賠償責任保険に入っていない場合は、自転車保険や火災保険の特約などで手軽に加入できますので検討しましょう。保障額は高額な方が安心ですが、上限1億円程度でも重大事故には足りない可能性があるため、可能なら無制限タイプを選ぶと安心です。
まとめると、個人賠償責任保険は一家に一契約あれば家族全員の日常賠償リスクをカバーできる非常にコストパフォーマンスの高い保険です。高校生に限らず、小さなお子さんでも他人に損害を与えてしまうリスクはありますから、未加入であれば家族の誰かが加入しておくことを強くおすすめします。最近の自転車事故の高額賠償例などを考えると、もはや個人賠償責任保険(または自転車保険)は現代の必需保険と言っても過言ではありません。
《自転車保険・個人賠償責任保険まとめ》
- 自転車に乗る高校生には自転車保険への加入が強く推奨されます。自転車事故で他人に大ケガを負わせてしまった場合、数千万円以上の賠償責任が発生する事例があり、保険なしでは家族が経済的に破綻しかねません。現在、多くの自治体で加入が義務化されていることもあり、自転車通学をするお子さんには必ず賠償保障を用意しましょう。
- 個人賠償責任保険は一家にひとつ備えておくと安心です。子どもの自転車事故はもちろん、日常の様々な賠償トラブルに対応できます。自転車保険の内容もこの賠償保険+傷害保険で構成されることが多いです。すでに親御さんが加入済みであれば、契約内容上お子さんもカバーされているか確認しましょう。未加入なら火災保険や自動車保険の特約で付けるか、子ども向け傷害保険に特約追加するなどして検討してください。賠償額無制限のプランでも年間数千円程度と手頃です。
まとめ:高校生の保険は「備える安心」と「実際の必要性」のバランスを
高校生のお子さんに保険が必要かどうかは、万が一への備えと現在の必要性のバランスをどう考えるかに尽きます。医療保険や生命保険は基本的に必要性が高くないものの、加入しておくことで得られる安心感や将来への備えというメリットもあります。一方で自転車保険や個人賠償責任保険は、万一の際の他者への損害補填という観点から必要性が高い保険です。
大切なのは、親御さんがお子さんの生活リスクや健康状態、そして家計状況を冷静に見つめ、「何に備えるべきか」「何を割り切るか」を考えることです。保険は闇雲に入れば良いわけではありません。「使わずに済むのが一番だけれど、備えておけば心強い」というスタンスで、必要なものだけを上手に選びましょう。例えば、普段は健康で心配ないけど自転車には毎日乗るというお子さんなら、自転車事故の保障を厚くし、医療保障は簡素にするという判断もあります。また将来に向けて貯蓄を兼ねた保険に入ることで、お子さんへの愛情と備えを形に残すこともできます。