日本生命は本当に高い?保険料を比較
日本生命(ニッセイ)は大手の老舗生命保険会社ですが、「保険料が高いのでは?」と心配する声も少なくありません。実際のところ、日本生命の保険料は他社の保険料と比べて、高いのでしょうか?それとも安いのでしょうか?ここでは生命保険・自動車保険・医療保険の3分野について、日本生命と他社の保険料を比較し、その傾向を見てみましょう。
生命保険の保険料比較(日本生命、第一生命、明治安田生命、オリックス生命、ライフネット生命)
まずは生命保険(死亡保険)の保険料について、大手とネット保険で比較します。一般に大手の対面型生保は営業職員や支社などの人件費・運営コストがかかるため、付加保険料(保険会社の経費部分)が割高になりやすく、保険料全体も高くなる傾向です。一方でネット生保(通販型)の会社は人件費や店舗費用を抑えているため、同じ保障内容でも保険料が数倍違うケースもあります。
実際の比較例として、30歳男性が死亡保険金3,000万円・保険期間10年の定期保険に加入するケースでは、明治安田生命の保険料は月額約7,380円に対し、ライフネット生命では約2,704円、アクサダイレクト生命では約2,650円という試算結果があります。このように、大手生保とネット生保では月々の保険料が数倍違うこともあり、日本生命や第一生命、明治安田生命などの大手は総じてネット系より割高な傾向が見られます。日本生命も例外ではなく、対面で手厚いサービスを提供する分、ネット専業のオリックス生命・ライフネット生命などと比べると保険料は高くなりがちです。
自動車保険の保険料比較
自動車保険でも、代理店を通じて販売される大手損保会社の商品は、人件費や代理店手数料が上乗せされるため、通販型(ダイレクト型)の自動車保険に比べて保険料は割高になる傾向です。実際、ダイレクト型自動車保険の保険料は代理店型よりも10%~30%ほど安く設定されているケースが多いという調査結果もあります。例えば、同じ補償内容であっても、代理店型では年間保険料が10万円のところダイレクト型なら7万円程度に抑えられる、といった違いが生じることがあります。
このように、自動車保険でも大手の対面型は割高、ネット型は割安という構図になっており、生命保険と同様です。日本生命をはじめ伝統的な保険会社の保険料が「高い」と言われる背景には、こうした販売経路やサービス体制の違いがあるといえるでしょう。
医療保険の保険料比較
次に医療保険の保険料について見ていきます。日本生命も医療保険商品(入院給付金や手術給付金が受け取れる保険)を提供していますが、その保険料水準はやはりネット系より高めとの指摘があります。加入者の口コミでも「毎月の支払い額が高い」という声があり、保障内容によっては「頻繁に入院しないと元が取れないのでは」という意見も見られるほどです。
ただし、医療保険の場合は保障内容(入院日額や特約の有無など)で保険料が大きく左右されます。ネット系のライフネット生命「じぶんへの保険」は必要最低限の保障に絞ることで保険料を低く抑えている一方、日本生命の医療保険(たとえば「ニッセイみらいのカタチ」の医療保障パート)は先進医療特約や手厚い給付を備える分、保険料が高めになる傾向があります。実際、「保障を手厚くするほど保険料は上がる」のはどの保険会社にも共通するため、日本生命も充実した保障と引き換えに保険料が割高になるケースが多いと言えるでしょう。
まとめると、日本生命の保険料は全体的に他社より高めであることは事実です。ただし、その背景には後述するように手厚いサービス提供や信頼性が関係しており、単純に「高い=悪い」とも言い切れません。次章では、実際の利用者の口コミから日本生命の評価を見ていきましょう。
日本生命は高いため入ってはいけない?利用者の口コミ評判
「日本生命の保険料は高いから入るべきではない」という極端な意見もインターネット上では見かけますが、実際の加入者はどのように感じているのでしょうか。ここでは、日本生命利用者の良い口コミと悪い口コミをそれぞれ紹介し、そこから見えるメリット・デメリットを整理します。
日本生命の良い口コミ(価格・サービスに関するポジティブな声)
日本生命に実際に加入している人たちの良い口コミの中には、サービスや対応に満足している声が多く見られます。主なポジティブな意見は次のとおりです。
- 契約後のフォローが丁寧:契約時だけでなくその後もきめ細かいフォローをしてもらえた。定期的に担当者が訪問して現状を確認してくれるので安心できるという声があります。
- 担当者の質が高く親切:担当者の対応がスピーディーで助かる、親身に相談に乗ってくれるといった評価があります。「保険料は安くないが担当者は親切」という声もあり、高めの保険料に見合った手厚い対応が受けられるとのこと。
- 説明が誠実・わかりやすい:自社に有利なことばかりでなく、他社との比較も含めデメリットも正直に教えてくれたと評価する声もあります。押し付けがましくない提案姿勢に信頼感を抱く利用者も多いようです。
- 保険金の支払い対応が迅速:万一の請求時に、保険金がスムーズに支払われたという口コミも多数あります。日本生命では、必要書類到着の翌日から5日以内に保険金を支払う体制が整っており、いざという時に心強いとの声があります。
- ニーズに合わせた提案:更新時期の前に、現在より条件の良い商品への乗り換えを提案してくれたなど、契約者思いの提案がありがたいという意見もあります。常に顧客の状況に耳を傾け、最適な保障を提案してくれる点が好評です。
これらの良い口コミからは、日本生命の対応力や信頼感の高さがうかがえます。130年超の歴史を持つ最大手という安心感に加え、対面ならではのきめ細かなサービスが高い満足度につながっているようです。
日本生命の悪い口コミ(価格や営業対応などのネガティブな声)
一方で、日本生命に対するネガティブな口コミもいくつか見られます。主なものをまとめると次のようになります。
- 「やはり保険料が高い」:他社に比べて保険料が割高だという不満の声は少なくありません。「保険料が他社より高くて負担に感じる」という率直な声が寄せられています。
- 「毎年のように保険料が上がる」:契約後、更新のたびに保険料が上昇して家計の負担が増えているという指摘もあります。特に更新型の保険では年齢とともに保険料が上がるため、「毎年保険料が上がって困る」と感じる契約者もいるようです。
- 「営業がしつこい」との不満:日本生命の営業スタイルは対面で定期的に訪問してくれる点が売りですが、それを「しつこい」「勧誘が煩わしい」とマイナスに捉える声もあります。契約を検討している段階で頻繁に訪問されると負担に感じる人もいるようです。
- 「説明や対応に不満を感じた」:一部では「契約内容の変更をお願いしたのに適切に対応されず、電話での謝罪だけで誠意が感じられなかった」というクレームも報告されています。担当者によっては自社の事情を優先した言い訳がましい対応をされたとの声もあり、営業体制に疑問を持つ人もいるようです。
- 「給付金対応の遅れ」:特にコロナ禍における入院給付金の支払いについて、「案内では2週間ほどで支払われるはずが、2カ月経っても連絡が来ない」といった不満の口コミも複数見られました。想定外の事態で手続きに時間を要したケースですが、情報共有の遅れに不満を感じた利用者がいたようです。
以上の悪い口コミからは、主に保険料の負担の大きさと営業との相性問題がデメリットとして挙げられます。対面サービスゆえの煩わしさを感じる人や、高めの料金設定に不満を持つ人が一定数存在することがわかります。
口コミからわかるメリット・デメリット
では、上記口コミを踏まえて日本生命のメリット・デメリットを整理してみましょう。
メリット(良い点) | デメリット(悪い点) |
手厚いサポート:契約後も含めた丁寧なフォロー対応がある。担当者の質が高く親切。 | 保険料が割高:他社に比べて保険料が高めで、更新のたびに負担増となる傾向。 |
信頼感・安心感がある:130年超の歴史と業界最大手の実績があり、知名度と安定感が抜群。 | 営業スタイルの好み:対面訪問が「しつこい」と感じる場合もあり、人によっては煩わしく感じる。 |
支払い対応が迅速:保険金・給付金の支払いが早く、いざという時に頼りになる。 | 契約者の事情による不満:担当者との相性によっては説明不足や対応への不満を感じるケースもある。 |
高い提案力:顧客の状況に合わせた商品提案や見直し提案を積極的に行ってくれる。 | 特別なケースでの不便:コロナ禍のように想定外の事態に陥った時は、手続きに時間がかかり不満を持たれた例もある。 |
このように、口コミを総合すると「日本生命=高いがサービス品質も高い」という世間の評価が浮き彫りになります。保険料の高さはデメリットではあるものの、それを支える手厚いサポートと安心感がメリットとして評価されていることが分かります。そのため「高い=悪い」と一概に言えず、重視するポイント次第で評価が分かれるようです。
日本生命は保険料が高いが顧客満足度も高い保険会社
ここまで、日本生命の保険料は他社より高めなもののサービス面で高評価を得ていることを紹介してきました。ここでは、なぜ日本生命の保険料が高いのか、その理由と背景を改めて整理し、併せて日本生命の顧客満足度や信頼性について客観的な指標を確認します。「高いけれど選ばれている日本生命」の実態に迫ってみましょう。
保険料が高い理由は手厚いサービス(サポート体制・対面対応など)
日本生命の保険料が割高になる一因として、先にも触れたように手厚いサービス提供によるコストがあります。日本生命は営業職員(いわゆるセールスレディ)を全国に多数抱え、対面で契約者に丁寧なフォローをする企業文化です。実際、2022年度時点で日本生命の従業員数は約7万人に上り、これは他の大手生保と比べても突出しています。この人件費や営業網の維持がどうしても必要になるため、「従業員数を保ちつつ保険料収入を安定確保するには、保険料がある程度上がってしまうのもやむを得ない」とも言われています。
要するに、日本生命の保険料には、対面ならではのサービス品質の高さが織り込まれているのです。担当者が直接相談に乗ってくれたり、契約内容の見直し提案をしてくれたりといったきめ細かな対応は、ネット保険にはない日本生命の強みです。その分のコストが保険料に反映されているため、「安さ」だけを求めると割高に感じますが、充実したサポートに価値を見出す人にとっては納得感のある保険料とも言えるでしょう。
日本生命は個人保険契約保有数でもトップ(他社との契約件数比較)
日本生命が顧客満足度も高いと評価される背景には、実際に多くの人に選ばれている実績があります。顧客から支持されていなければ契約者は増えませんが、日本生命は長年にわたり個人保険の契約件数で業界トップを維持しています。
直近のデータでは、日本生命の個人保険契約保有件数は約3,081万件にも上り、第2位のアフラック約2,324万件、第3位の第一生命約2,227万件を大きく引き離しています。この差は実に700万件以上と圧倒的で、日本生命がいかに多くの契約者に支持されているかが分かります。もちろん件数が多い理由には企業規模や営業努力もありますが、裏を返せば「日本生命で契約を継続するだけの満足度・信頼感がある顧客」がそれだけ多いとも言えるでしょう。
実際、オリコンの顧客満足度ランキング(2023年)でも日本生命は総合評価68.4点と大手生保の中では上位グループに入っています。派手さはないものの堅実に顧客の信頼を得ていることが、契約件数や各種ランキングから読み取れます。
格付け機関からも高い評価を得ている(格付け評価とその意義)
保険会社の信頼性を図る指標の一つに、格付け機関(企業や政府の財務力、信用力を評価して格付けを付与)による財務力評価があります。日本生命はこの点でも非常に高い評価を獲得しており、例えば格付投資情報センター(R&I)および日本格付研究所(JCR)からそれぞれ「AA+」という上位の格付けが付与されています。また、世界的な格付け会社であるS&Pからは「A+」、ムーディーズから「A1」の格付けを取得しており、いずれも保険金支払い能力が高い優良企業であることを示すものです。
格付けで最上位は「AAA」ですが、「AA+」も極めて信頼性が高いランクであり、簡単に言えば日本生命は財務の健全性や支払い余力について専門機関からお墨付きを得ているということです。保険は長期契約になりますから、会社の経営が安定していて将来にわたって保険金を支払えるかどうかは重要なポイントです。日本生命はその点でも安心感が高く、こうした格付けの高さも顧客から選ばれる理由となっています。
上記の内容から、日本生命は「保険料は高いが信頼性・満足度も高い」保険会社だと言えます。手厚いサービス提供による安心感や、業界トップの契約者数、格付けの高さが総合的な評価につながっているのです。
日本生命の保険料を下げたい!方法はある?
「日本生命に加入しているけれど、保険料の負担が重く感じる」「もう少し保険料を安くできないだろうか?」と考える方もいるでしょう。日本生命の保険料を下げる方法として、契約内容の見直しでいくつか選択肢があります。ここでは、代表的な方法である減額(一部解約)、払済保険への変更、そして更新時の見直しについて解説します。いずれも現在の契約を活かしつつ保険料負担を軽減できる可能性がある方法です。
減額や一部解約をする(具体的な手続き・影響)
減額とは、現在加入している保険の保障額を減らすことです(主契約の一部解約とも言う)。例えば死亡保険3000万円を1500万円に減額すれば、その分支払う保険料も減ります。一部の特約だけを解約して外すことも可能で、総保険料を下げる効果があります。日本生命でも所定の範囲で減額・一部解約をすることが可能です。公式サイトでも「保障額を減額したり一部(特約)解約したりすることによって、払込保険料を少なくすることができます。ただし、保障額は下がります」と案内されています。
減額(一部解約)を行うと、解約した部分に対応する解約返戻金(貯蓄型保険の場合)を受け取れる場合も少なくありません。ただし一度減額すると元の保障額に戻すことはできないため、将来の保障不足にならないか注意が必要です。手続きは担当者に相談すれば所定の書類で対応してもらえます。現在の保障が過剰で保険料が高すぎると感じる場合、減額や特約解約でスリム化を図ることが有効でしょう。
払済保険に変更する(概要・条件)
払済保険(払済契約)への変更も保険料負担を無くす方法の一つです。払済保険とは、今後の保険料支払いをストップし、現在の契約の解約返戻金を充当して保障は継続する仕組みです。日本生命の説明によれば「保険料の払込みを中止し、変更時の解約払戻金を一時払いの保険料に充当して、今までの契約の保険期間を変えずに保障額の少ない保険に変更できる制度」です。簡単に言うと、今まで積み立てたお金で保険を買い直し、以後の保険料はゼロにする方法です。
払済にすると保障額は当初より小さくなりますが、その後の月々の支払い負担は無くなります。終身保険や養老保険など貯蓄型の商品で一定期間払込を続けた後に利用できる制度で、契約条件によっては払済にできない場合もあります(契約から間もないと返戻金が不足する等)。保険料の支払いが厳しくなったとき、解約せず保障を残せる手段として覚えておくと良いでしょう。ただしこちらも一度払済にすると元の契約には戻せないため、将来的な保障額低下の影響を踏まえた判断が必要です。
更新時に保険の見直しをする(更新での値上がり・見直しの意義)
契約している保険が更新型の場合、更新のタイミングで保険料が上がることが多い点に注意しましょう。保険料は更新時の年齢・保険料率で再計算されるため、ほとんどの場合、更新前よりも高くなります。例えば10年ごとに更新の定期保険なら、10歳年を取るごとに保険料が割高になるのが一般的です。「最近保険料が上がってきた」と感じている方は、この更新による値上がりが原因かもしれません。
そこで、更新は保険の見直しのチャンスと捉えることが重要です。「更新=今と同じ保障を続けるだけ」と思いがちですが、実際には保障内容を見直す絶好の機会になります。ライフステージが変化していれば必要な保障額も変わっているでしょう。更新時にはぜひ現在の自分の状況に合わせて適切な保障額・保障内容に見直しを行いましょう。例えば、子どもが独立しているなら死亡保障を減らす、貯蓄が増えているなら医療保険の特約を外す、といった調整が可能です。
場合によっては、他社の保険への乗り換えを検討するのも一つです。更新によって日本生命の保険料が大幅アップするなら、保障内容が類似した他社の商品で今から新規加入したほうが保険料を抑えられるケースもあります(新しい定期保険に入り直すなど)。もちろん健康状態の問題や手続きの手間もあるので簡単ではありませんが、「更新ごとに保険料が上がる定期型から、保険料の上がらない終身型に切り替える」など検討する価値はあります。大切なのは、更新時に漫然と継続せず必ず見直しを検討することです。それによって無駄な保障を省き、保険料負担を少しでも軽減できる可能性があります。
保険の一括資料請求はこちら!
「保険料を少しでも抑えたいなら、まずは複数社を比較すること」が大切です。日本生命を含め自分に合った保険を見極めるためにも、他社の商品パンフレットを取り寄せて比較検討してみましょう。こちらから一括資料請求ができますので、活用してみてください。
以上、日本生命の保険料に関する比較から見直し方法まで解説しました。高い保険料にはそれなりの理由と価値がある一方、工夫次第で負担を軽減する手段もあります。ぜひ本記事の情報を参考に、納得のいく保険選び・見直しを進めてください。