教育資金を貯める方法として多くの方が利用している「学資保険」ですが、提供している保険会社が多いため、保険選びに迷ってしまうという方は少なくありません。
そこで、この記事では、学資保険の特徴や加入時期、貯めるべき金額などについて解説するとともに、失敗しない学資保険の選び方についても紹介していきます。
頼れる相談窓口もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
「ほけんのぜんぶ」は、ファイナンシャルプランナー(FP)が学資保険や教育資金の相談、資産運用、家計の見直しなど、お金に関する悩みの相談に対応してくれます。
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学資保険とは?教育資金を準備する保険の特徴やメリット・デメリットを解説
そもそも学資保険とは、「子どもが中学・高校・大学と進学する際に必要な学費を準備しておく」ための保険です。
その特徴は、満期まで加入すれば支払った保険料の総額よりも多い金額が受け取れるという点。投資などの資産運用に比べると大きく増えることはないものの、銀行預金に比べて高い金利で教育資金を貯めることができます。
ただし、医療保障などさまざまな保障が付帯している「保障型」の学資保険は、元本割れ(支払額よりも受取額が少なくなること)をするリスクもあります。
学資保険の主な特徴は、次のとおりです。
- 貯蓄性が高い
- 保険料の払込免除がある
- 所得控除の対象となる
- 途中解約には元本割れのリスクも
- 受取人によって税負担が異なる
それぞれの詳細について、順番に解説していきます。
貯蓄性が高い
学資保険は、毎月一定額を保険料として保険会社に支払い、10年から18年ほどの期間をかけて積み立てていく保険です。そして、満期を迎えると積み立てた保険料を受け取ることができるのですが、一般的には積立額よりも多くの金額を受け取れます。
保険の種類にもよりますが、銀行預金の金利に比べ高い金利で積み立てられるため、子どもの将来の学費のために少しでも利回りよく貯蓄したい方におすすめです。
ただし、前述したようにさまざまな保障が付帯した「保障型」の学資保険の場合、元本割れとなる場合もあります。その点は、注意してください。
保険金の受け取りについて
貯めたお金を受け取るタイミングもさまざまで、「大学入学時に一括で受け取る」「入園・入学のたびに祝金として少しずつ受け取る」など、保険の種類によって選択が可能です。
一般的に、一括で受け取る方が利回りは良く、途中で受け取ると利回りは悪くなります。
貯蓄できる仕組みが整っている
学資保険を取り崩して使うためには「解約手続き」が必要なため、銀行の普通預金のように簡単に使ってしまう可能性が低いことから、貯金するのが苦手な方にも向いています。
支払いが遅れると請求書が届くなど、払い込み完了まできちんと貯められる仕組みも整っています。
保険料の払込免除がある
契約者に万が一のことがあった場合、それ以降の払い込みは免除になり、保障はそのまま継続されます。
万が一のこととは、以下のような内容です。
- 契約者が死亡したとき
- 高度障害状態になったとき
- 不慮の事故で身体障害の状態になったとき
※条件は保険によって異なります。
親に万が一のことがあっても子どもの将来の道を閉ざさないための、「もしもの時にも備えられる貯蓄方法」と言えますね。
学資保険は所得控除の対象
学資保険は生命保険の一種なので、支払った保険料は生命保険料控除の対象になります。
会社員であれば年末調整の際に、自営業の人なら確定申告の際に、保険料控除証明書を提出しましょう。
保険料が控除対象となるため、その年の所得税や住民税の負担を軽くできます。
ただし、保険料の未払いがある場合、その分は控除対象とはなりませんので、注意してください。
途中解約には元本割れのリスクも
積み立ての途中で学資保険を解約すると、その時点までの金額が解約返戻金(かいやくへんれいきん)として受け取れます。
ただし、途中解約する場合の解約返戻金は、実際に積み立てた金額よりも低い金額になる場合が多いです。
学資保険の契約の際には、「途中解約をせず最後まで支払い続けられるのかどうか」を考えたうえで契約されることをおすすめします。
受取人によって税負担が異なる
保険料の受け取りには、税金がかかります。受取人を誰にするかによって税の種類と税率が異なりますので、注意してください。
一般的に、学資保険の契約者は父・母のいずれかですが、祖父母が契約者となることも可能です。
受取人 | 税の種類 |
契約者 | 所得税 |
子ども(契約者以外の家族も同様) | 贈与税 |
受取人と契約者が同じ場合は「一時所得」となり「所得税」の対象ですが、受取人が子どもの場合は親から子どもへの贈与と見なされるため「贈与税」の対象となります。
契約者と受取人は同じするのがおすすめ
契約者と受取人が同じなら、保険金は本人の「一時所得」となります。そして、「一時所得」には50万円の特別控除枠が設定されているため、実際のところ税金を払うことはほぼありません。
それに対して、受取人を子どもにした場合は「贈与税」の対象となるため、受取額が110万円を超えると超えた分に対して贈与税がかかってしまいます。(契約者を父親、受取人を母親にした場合も同様です)
子どものための保険なので、受取人は子どもなのでは?と思うかもしれませんが、実はそうと決まっているわけではないのです。
いくら必要?教育費の相場を確認
学資保険は教育資金を貯めるために有効な手段ですが、そもそも必要な教育資金はいったいどれくらいなのでしょうか。毎月の保険料や支払い期間にもかかわりますので、ここで一度整理しておきましょう。
公的機関が調査した学費の総額は、以下のとおりです。
【学校外活動費を含む学習費総額】
区分 | 公立 | 私立 |
幼稚園 | 223,647円/年 (3年で670,941円) | 527,916円/年 (3年で1,583,748円) |
小学校 | 321,281円/年 (6年で1,927,686円) | 1,598,691円/年 (6年で9,592,146円) |
中学校 | 488,397円/年 (3年で1,465,191円) | 1,406,433円/年 (3年で4,219,299円) |
高等学校(全日制) | 457,380円/年 (3年で1,372,140円) | 969,911円/年 (3年で2,909,733円) |
高校までの合計 | 4,435,958円 | 4,435,958円 |
【大学生(昼間部)の平均学費総額】
区分 | 授業料、その他学校納付金 | 修学費、課外活動費、通学費 | 合計 |
国立大学 | 497,900円/年 | 139,800円/年 | 637,700円/年 (4年で2,550,800円) |
公立大学 | 538,000円/年 | 128,700円/年 | 666,700円/年 (4年で2,666,800円) |
私立大学 | 1,223,800円/年 | 150,100円/年 | 1,373,900円/年 (4年で5,495,600円) |
参照:独立行政法人日本学生支援機構 平成30年度学生生活調査」大学昼間部
子ども一人を幼稚園から大学まで通わせる際に必要な教育費をまとめると、だいたい次のようになる計算です。
幼稚園から大学まで、全部国公立を選択 | 698万円〜 |
幼稚園から高校まで公立、大学は私立を選択 | 993万円〜 |
幼稚園から大学まで、全部私立を選択 | 2,380万円〜 |
特にお金がかかるのが、大学生活です。上記の金額にプラスして入学金がかかり、また選択した学部によっては授業料がより高額になる可能性もあります。一人暮らしをするとなれば、生活にかかる費用も必要になりますね。
幼稚園から大学まですべて国公立を選んだとしても700万円以上。大学が私立になる可能性を考えれば、子ども一人につき1,000万円程度は準備しておく必要があると言えるでしょう。
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学資保険はいつから加入する?
多くの学資保険は、被保険者として契約可能な子どもの対象年齢を「0歳〜7歳まで」と定めています。
子どもが生まれたらすぐに検討しはじめ、小学校入学までを目安に加入しておくといったイメージですね。
学資保険の加入タイミングは「なるべく早く」がおすすめ
対象年齢であればいつでも加入可能ですが、「子どもが生まれたらなるべく早く」加入することをおすすめします。なぜなら、学資保険はそもそも「対象となる子どもが一定の年齢になる際に満期になるように積み立てていく保険」だからです。
積み立てる期間が長いほど毎月の保険料が低く抑えられますし、積み立てる金額と満期で受け取る金額の差(返戻率)も高くなるというメリットがあります。
妊娠中に加入できる保険もある
最近では、妊娠中に契約できる学資保険も増えています。早めに情報収集を開始しておけば、その分選択肢も増えますね。親の年齢が上がると保険料も上がってしまう傾向にあるので、早めに準備しておくに越したことはありません。
学資保険の加入タイミングについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
あなたにぴったりな学資保険の3つの選び方
学資保険を選ぶときのポイントは3つ。
- 返戻率
- 貯蓄と保障のバランス
- 保険料や毎月積み立てる金額
返戻率については後ほど詳しく解説しますが、返戻率が高いものほど貯蓄性があります。貯蓄が目的であれば返戻率がより高いものを選びましょう。
貯蓄と保障のバランスについて、学資保険は、大きく分けて教育資金の貯蓄に重点をおいた「貯蓄型」と、万が一のときの保障もプラスされた「保障型」の2種類に分類できます。学資用の貯蓄に加えて万が一の保障も欲しいという方は、受け取れる金額を計算しつつ、必要は保障が含まれているか確認してみてください。
そして、学資保険は受け取れる金額と毎月の保険料のバランスを見ることも大切です。無理のない保険料設定と支払い計画を練って選びましょう。
ぴったりの学資保険を選ぶなら保険のプロに相談するのがおすすめ
学資保険を選ぶときは返戻率を計算し、貯蓄と保障のバランスなどを事前にしっかりと確認しておかなければいけません。しかし、素人ではバランスを見るのが難しいので、「自分たちだけで決めるのは不安がある」という方は保険のプロに相談してみましょう。
複数の保険を取り扱っている保険代理店なら中立的な立場で保険相談が可能ですし、相談料はかかりません。学資保険についてだけでなく、ライフステージの変化に応じた生命保険や医療保険の見直しに対しても、相談に乗ってもらえますよ。
なかでも、「ほけんのぜんぶ」と「ほけんガーデン プレミア」は学資保険に特化した相談サイトです。学資保険アドバイザーが最適なプランを提案してくれますので、一度相談してみてはいかがでしょうか。
一括資料請求も可能
「まずは資料をもらって自分で調べてみたい」という方には、複数の保険会社の学資保険資料を一括で請求できるサービスがおすすめです。
資料が届いたら、「返戻率、支払う保険料と受け取れる満期金、給付回数、特約の有無」を比較してみましょう。一度ご自身で資料を取り寄せ、前提知識を付けたうえで「ほけんガーデン プレミア」などの代理店に相談してもいいですね。
資料の一括請求は、下記のサイトから可能です。
月々の保険料はいくらくらい?
毎月の保険料がいくらになるのか、実際に支払えるのかどうかは、学資保険を決めるうえで重要なポイントです。
先に確認したように、大学まで全部公立・国立を選択した場合でも700万円以上の金額が必要になります。学資保険でまかなうのは大学進学時の費用だけなのか、中学や高校入学時に必要な資金も貯めておくべきなのか。受け取るタイミングは、人それぞれです。
毎月いくらなら支払えるのかを考えるとともに、「受け取る金額をいくらにしたいのか」も考えておく必要があります。
大学入学時に必要な金額を見積もる
月額保険料がいくらになるのかを計算するには、満期金をいくら受け取りたいのかを見積もっておく必要があります。
満期で受け取りたい保険金の金額を、保険料の支払い期間で割ると、おおよそ月々の保険料が計算可能です。
一般的な学資保険は200万円〜250万円を満期金として設定している場合が多いのですが、その金額を元に支払い期間のシミュレーションをすれば、毎月の保険料目安が確認できます。
ご自身で計算するのが難しい方は、保険会社のHPで提供されているシミュレーションを利用してみてはいかがでしょうか。
例えば、ソニー生命の学資保険シミュレーションなら、子どもの生年月日と契約者の生年月日を入力するだけの簡単操作で、サンプルプランの確認ができます。
10秒でチェックが可能なので、一度試してみてください。
ソニー生命は、回数無制限で学資保険の無料相談を行っています。オンラインでの相談も可能ですので、詳細なシミュレーションをしたい方は無料相談を利用してみましょう。
無料相談申し込みで、自動的に豪華賞品がもらえるキャンペーンの対象となります。
学資保険の「いくら?」についての疑問は、以下の記事でも詳しく解説しています。
もっとも大切な「返戻率(へんれいりつ)」とは?
学資保険を検討する際に注目していただきたいのが、「返戻率(へんれいりつ)」です。返戻率とは、「実際に払い込んだ金額が何%になって戻ってくるか」を表す数値のこと。
例えば、毎月15,000円の保険料を15年間支払った場合、支払い額の合計は270万円です。それに対して受け取れる保険金が300万円なら、返戻率は111%ということになります。つまり、支払ったお金が111%になって戻ってくるというわけです。
この返戻率は元本割れの場合にも用いられ、仮に270万円払って250万円しか受け取れない場合の返戻率は、92%ということになります。
満期時にできるだけ多くの保険金を受け取りたいなら、返戻率は必ずチェックするようにしてください。
保障と返戻率のどちらを優先するか
学資保険のなかには「子どもの医療保障」や「育英年金」といった保障が付帯しているタイプの保険もあります。
そして、こういった「保障型」の学資保険は、返戻率が低くなりがちです。場合によっては、元本割れする可能性も高いです。
その分、万が一の病気などに備えることができますので、単純に返戻率だけを見て加入を決めるのではなく、必要な保障と返戻率のバランスを考えるようにしましょう。
学資保険の返戻率などについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
学資保険の「貯蓄型」と「保障型」の違い
学資保険には、「貯蓄型」と「保障型」の2タイプがあり、「保障型」には子どもへの医療保障などの保障が付帯しています。
保障が付帯している分、返戻率が低くなり、場合によっては元本割れとなる可能性もありますが、安心を得られるというメリットもありますので、ご自身の優先順位にしたがって保険商品を選ぶとよいでしょう。
少しでも返戻率を上げたいなら不要な特約はつけない
「保障型」の学資保険には子どもの医療保険が付帯していますが、一般的な医療保険の保障に比べると見劣りする場合もあります。どの程度の保障が必要なのかを、しっかりと考慮しておきましょう。
また、自治体によっては子どもに対する医療費助成制度が充実しており、通院などの費用に対して補助が受けられる場合もあります。高額な医療保険が必要かどうかという点についても、事前にシミュレーションしておくことをおすすめします。
「保障型」の学資保険の場合、返戻率は低くなりがちです。「返戻率を高くしたいが月々の保険料は低く抑えたい」という場合は、医療保障などの特約はなるべく付けない方向で検討してはいかがでしょうか。
学資保険を選ぶときに決めておくこと
ここまで解説してきた内容を踏まえ、自分にあった学資保険を選ぶために意識したいポイントをご紹介していきます。
保険選びで迷わないために、次の3つのポイントを最初に決めておきましょう。
- 契約者をだれにするか
- 満期はいつにするか
- 毎月支払える保険料はいくらか
契約者(保険料を支払う人)になるためには毎月定期的な収入が必要ですが、年収は問われません。パート収入しかない方でも、契約者になれます。
満期金を受け取るタイミングはいつにするかを決め、毎月支払える保険料と、受け取りたい満期金額をすり合わせて、どんな内容の学資保険にするのかを考えましょう。
保険料の支払いには、毎月支払う「月払い」のほか、半年ごとに払い込む「半年払い」、年に1回まとめて払う「年払い」も選べます。年払いを選ぶと保険料が安くなる保険もありますので、支払いに余裕がある方は年払いがおすすめです。
また、「口座引き落とし」や「クレジットカード払い」といった支払い方法なら、払い忘れを防ぐことができます。
満期保険金の受け取り時期に注意
満期金を受け取るタイミングは、保険商品によっても異なります。
「大学入学時に半分を受け取り、残りは卒業時に受け取る」
「中学・高校・大学と、節目ごとに祝金を受け取る」
このように商品によって大きく異なりますので、自分達の希望にあった学資保険を選ぶようにしてください。
一般的に、少しずつ祝い金を受け取るタイプよりも、まとめて受け取るタイプの方が、返戻率は高くなります。
学資保険は貯蓄や保障などのバランスを見ながら選ぼう
子どもの将来のためにも、準備しておきたい教育資金。希望する条件やニーズによっても、選ぶべき学資保険は違ってきます。「学資保険は難しいから」と敬遠せず、ぜひ一度検討してみましょう。
希望する条件やニーズによっても、選ぶべき学資保険は違ってきます。
こちらの記事では当サイトおすすめの学資保険を紹介していますので、あわせて参考にしていただき、納得のいく保険選びにお役立てください。
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清水凌|ファイナンシャルプランナー 保有資格:FP技能士2級/証券外務員I種/web解析士 学習院大学法学部法学科卒。 インターネット企業で大手出版社や大学メディアのコンサルティング業務全般に従事。 プライベートでは財テクメディアを運営し、投資・ポイ活関連の情報を発信している。