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学資保険は自己破産すると解約必須?子どもの教育資金を残せる5つのケース

「子どもの将来のために」とコツコツ積み立ててきた学資保険。しかし、予期せぬ事情で借金が膨らみ、自己破産を考えなければならない状況に陥ってしまったら…。「この学資保険だけはどうしても残したい」と願うのは、親として当然の気持ちでしょう。

自己破産をすると、原則として価値のある財産は手放さなければなりません。では、子どものための学資保険も、例外なく解約されてしまうのでしょうか?

結論から言うと、自己破産をしても学資保険を残せる可能性はあります

この記事では、自己破産が学資保険に与える影響の基本から、大切な教育資金を守るための5つの具体的なケース、そして知っておくべき注意点まで、詳しく解説していきます。将来への不安を少しでも和らげ、最善の道を見つけるための一助となれば幸いです。


目次

自己破産すると学資保険はどうなる?残したい

まずは、自己破産手続きにおいて学資保険がどのように扱われるのか、基本的なルールを確認しましょう。

自己破産すると学資保険を解約するのが大原則

残念ながら、自己破産をする場合、学資保険は原則として解約しなければなりません

なぜなら、自己破産は、裁判所に申し立てて借金の支払いを免除(免責)してもらう手続きですが、その代わり、申立人が所有する一定以上の価値がある財産を処分し、債権者(お金を貸した側)へ公平に分配(配当)する必要があるからです。

そして、学資保険は「解約返戻金」という財産的価値を持つため、処分の対象となります。解約返戻金とは、保険契約を途中で解約した際に、保険会社から払い戻されるお金のことです。この解約返戻金が、債権者への配当に充てられるのです。

手続き上は、自己破産を申し立てると「破産管財人」が選任され、この破産管財人が申立人に代わって保険を解約し、返戻金を回収・管理します。

つまり、子どものための大切なお金であっても、法的には「申立人の財産」の一部と見なされ、借金の清算のために使われるのが大原則なのです。


子ども名義で親が払ってる学資保険も解約の対象

「契約者を子ども自身の名義にしているから大丈夫では?」と考える方もいるかもしれません。しかし、残念ながら契約者が子ども名義であっても、保険料を親が支払っている場合は、実質的に「親の財産」と判断され、処分の対象となります。

裁判所が重視するのは、名義上の契約者が誰かということよりも、「誰が実質的にその財産をコントロールし、保険料を負担してきたか」という点です。

  • 保険料の支払者: 親の銀行口座から引き落とされている、親が働いて得た収入から支払われている
  • 契約の管理: 保険証券を親が保管している、各種手続きを親が行っている

上記のような場合、たとえ契約者の名義が子どもであっても、その学資保険は自己破産を申し立てた親の財産であると認定され、原則として解約の対象となってしまうのです。


学資保険を隠してもバレる

「解約されたくないから、学資保険の存在を隠しておこう」と考えるのは非常に危険です。財産を隠して自己破産を申し立てても、ほぼ確実にバレてしまいます

自己破産手続きでは、破産管財人に強力な調査権限が与えられています。

  • 金融機関への照会: 銀行口座の入出金履歴を数年分調査し、定期的な引き落としから保険契約の存在が発覚します。
  • 保険会社への照会: 破産管財人は、各保険会社に破産者の契約情報の照会をかけることができます。
  • 課税証明書の確認: 所得証明書や課税証明書に記載されている生命保険料控除から、保険に加入していることが判明します。

もし財産を隠していたことが発覚した場合、以下のような深刻なペナルティが科せられる可能性があります。

  • 免責不許可事由に該当する: 財産隠しは「免責不許可事由」という重大な違反行為にあたり、最悪の場合、裁判所が借金の免除を認めなくなり、自己破産を申し立てた意味がなくなってしまいます
  • 詐欺破産罪に問われる可能性: 悪質なケースでは、「詐欺破産罪」という犯罪として扱われ、刑事罰の対象となる可能性すらあります。

子どものためを思った行動が、結果的に自己破産そのものを失敗させ、状況をさらに悪化させることになりかねません。学資保険の存在は、必ず正直に申告しましょう。


自己破産後も学資保険を残せる5つのケース

原則は解約ですが、諦めるのはまだ早いです。特定の条件を満たせば、自己破産をしても学資保険を残せる可能性があります。ここでは、その代表的な5つのケースをご紹介します。

1. 解約返戻金が20万円以下

自己破産をしても、生活に必要な最低限の財産は「自由財産」として手元に残すことが認められています。

法律上、差押えが禁止されている財産(差押禁止財産)は自由財産となります。生命保険の解約返戻金請求権もこれに含まれますが、その全額が認められるわけではありません。多くの裁判所では、個々の財産の価値が20万円以下である場合、処分の対象としないという運用が一般的です。

したがって、学資保険の解約返戻金の額が20万円以下であれば、価値の低い財産と見なされ、解約を免れる可能性が高いのです。

加入して間もない時期や、返戻率の低いタイプの学資保険の場合、この基準を下回ることがあります。まずは保険会社に連絡し、現時点での解約返戻金の正確な額を確認することが第一歩です。


2. 契約者貸付を利用している

すでに解約返戻金が20万円を超えている場合でも、方法があります。それが「契約者貸付制度」の利用です。

契約者貸付とは、解約返戻金の一部を担保に、保険会社からお金を借りられる制度です。この制度を利用して借り入れを行うと、その借入額は解約返戻金から差し引かれます

例えば、解約返戻金が50万円ある学資保険で、35万円の契約者貸付を受けたとします。この場合、学資保険の実質的な財産価値は、

50万円(解約返戻金)−35万円(貸付金)=15万円

となり、20万円を下回ります。これにより、解約を回避できる可能性が出てくるのです。ただし、この方法は後述する注意点もあるため、必ず弁護士に相談してから実行するようにしてください。


3. 契約者が妻(夫)名義

自己破産は、あくまで申し立てた個人の手続きです。したがって、夫が自己破産する場合、契約者が妻である学資保険は、原則として処分の対象にはなりません。これは妻自身の固有の財産と見なされるためです。

ただし、ここにも注意点があります。

  • 保険料の支払者は誰か: 契約者が妻でも、その保険料が破産する夫の収入から支払われていた場合、「実質的には夫の財産」と見なされ、処分の対象となる可能性があります。
  • 名義変更のタイミング: 自己破産直前に、夫から妻へ契約者名義を変更した場合は、財産隠しと判断されるリスクが非常に高いため、絶対に行ってはいけません。(詳しくは後述します)

保険料の原資が、妻自身のパート収入や親からの援助など、破産する夫の財産とは明確に区別できるものであることを客観的に証明できるかどうかが重要になります。


4. 学資保険が必要不可欠な財産と認められた

解約返戻金が20万円を超えていても、例外的に保険を残すことが認められるケースがあります。それは、裁判所に「自由財産の拡張」を申し立て、その財産が破産者の生活の維持や再建に必要不可欠であると認められた場合です。

学資保険の場合、例えば以下のような特別な事情を主張することになります。

  • 子どもが重い病気や障がいを抱えており、将来的に高額な医療費や生活費がかかることが確実で、そのための唯一の備えがこの学資保険である。
  • 子どもの大学進学が目前に迫っており、今解約すると入学金が支払えず、子どもの将来に著しい不利益が生じる。

ただし、自由財産の拡張が認められるハードルは非常に高いのが実情です。「子どもの教育資金として大切だから」という一般的な理由だけでは、他の債権者の利益を害することになるため、なかなか認められません。客観的な証拠とともに、その必要性を具体的に主張する必要があります。


5. 解約返戻金分を別途準備できた

「どうしてもこの保険契約を続けたい」という場合、最終手段として、解約返戻金に相当する金額を別途用意し、破産管財人に支払うことで、保険契約そのものを維持する方法があります。

これを「任意配当(にんいはいとう)」や「財団への組み入れ」などと呼びます。

例えば、解約返戻金が80万円の学資保険があったとします。この場合、親族などに援助してもらうなどして80万円を用意し、それを破産管財人に渡します。破産管財人はその80万円を債権者への配当に充てるため、結果的に債権者は学資保険を解約した場合と同額の配当を受け取ることができます。

これにより、債権者の利益を損なうことなく、学資保険の契約を手元に残すことが可能になるのです。この方法を取る場合も、必ず事前に破産管財人や弁護士との協議が必要となります。


自己破産しても学資保険を残すための具体的な方法

上記の「残せるケース」を踏まえ、実際に学資保険を残すために、どのようなアクションを取ればよいのでしょうか。具体的な2つの方法を見ていきましょう。

自己破産申し立て前に契約者貸付を利用する

前述の通り、契約者貸付を利用して解約返戻金の評価額を20万円以下に調整する方法です。

これは、自己破産の申し立てを弁護士に依頼した後、弁護士の指示のもとで、裁判所に申し立てる前に行うのが一般的です。自己判断で破産直前に貸付を受けると、特定の債権者(保険会社)だけに事実上の返済をしたと見なされたり、財産を不当に減少させる行為と疑われたりするリスクがあります。

弁護士に相談すれば、手続き全体の流れの中で、どのタイミングで、いくら貸付を受けるのが適切かを判断してくれます。必ず専門家のアドバイスに従いましょう。

自由財産拡張の申し立てをする

解約返戻金が20万円を超えており、どうしても残したい特別な事情がある場合には、「自由財産拡張の申し立て」を行います。

これは、自己破産の申し立てと同時に、あるいは申し立て後速やかに、裁判所に対して「この学資保険を手元に残すことを許可してください」とお願いする手続きです。

申立書には、

  • 学資保険を残したい理由(子どもの病気や進学など)
  • なぜその学資保険が必要不可欠なのか
  • それを失うとどのような不利益が生じるか

といった内容を、診断書や合格通知書などの客観的な資料を添えて、具体的に記載する必要があります。裁判官を納得させられるだけの、説得力のある主張が求められます。


学資保険を残したくても自己破産前の名義変更はNG!

「自己破産する前に、契約者を妻や親の名義に変えてしまえばバレないのでは?」という考えが頭をよぎるかもしれませんが、それは絶対にやってはいけません

自己破産直前の名義変更は、財産隠し(詐害行為・否認対象行為)と見なされる可能性が極めて高い行為です。

破産管財人には「否認権」という強力な権限があります。これは、破産者が自己破産前に不当に財産を減少させたり、隠したりした行為の効力を否定し、その財産を破産者の元に取り戻すことができる権利です。

つまり、あなたが名義変更をしても、破産管財人はその行為を「なかったこと」にして、名義を元に戻し、学資保険を解約してしまうのです。

それだけでなく、財産隠しは悪質な行為として「免責不許可事由」に該当します。これにより、借金が一切免除されなくなり、自己破産は失敗に終わります。

たとえ自己破産前に離婚し、財産分与として学資保険の名義を変更する場合でも注意が必要です。分与する財産が過大であると判断されれば、やはり否認権の対象となる可能性があります。安易な名義変更は、百害あって一利なしと心得ましょう。


自己破産ではなく個人再生と任意整理なら学資保険を残せる

ここまで自己破産を前提に話を進めてきましたが、借金を整理する方法は自己破産だけではありません。もし「学資保険をどうしても残したい」という希望が強いのであれば、個人再生任意整理といった他の債務整理の方法を検討することも有効です。

個人再生なら原則として財産を残せる

個人再生は、裁判所の認可を得て、借金を大幅に(おおむね5分の1〜10分の1程度に)減額してもらい、その減額された借金を原則3〜5年で分割して返済していく手続きです。

自己破産との大きな違いは、財産を処分する必要がないという点です。したがって、個人再生を選択すれば、解約返戻金の額にかかわらず、学資保険を解約せずに手続きを進めることができます

ただし、個人再生には「清算価値保障の原則」というルールがあります。これは、自分が保有している財産の総額(この場合は学資保険の解約返戻金など)以上の金額は、最低でも返済しなければならないというものです。そのため、高額な財産があると返済額も増えることになりますが、学資保険そのものを手放す必要はありません。

任意整理なら学資保険に影響なし

任意整理は、裁判所を介さず、弁護士が債権者と直接交渉し、将来利息のカットや返済期間の延長などを求めて、毎月の返済額を軽減する方法です。

任意整理の最大のメリットは、整理する対象の借金を選べることです。例えば、消費者金融A社とB社の借金は整理するけれど、住宅ローンや車のローンはそのまま支払いを続ける、といった柔軟な対応が可能です。

この仕組みを利用すれば、学資保険に一切影響を与えることなく、他の借金だけを整理することができます

ただし、任意整理は元金そのものが減るわけではないため、借金の総額が大きい場合や、安定した収入が見込めない場合には利用が難しいという側面もあります。

手続きの種類学資保険の扱いメリットデメリット
自己破産原則解約(例外あり)借金が全額免除される財産を処分される、資格制限がある
個人再生残せる借金を大幅に減額できる、財産を残せる安定収入が必要、手続きが複雑
任意整理影響なし整理する借金を選べる、手続きが簡易元金は減らない、借金の大幅減額は望めない

どの手続きが自分にとって最適なのかは、借金の総額、収入、そして「どの財産をどれだけ守りたいか」によって変わってきます。


まとめ:学資保険と自己破産、まずは専門家へ相談を

子どもの将来を想うからこそ、学資保険に関する悩みは深刻です。最後に、この記事の要点をまとめます。

  • 自己破産では、学資保険は原則として解約となる。
  • 「子ども名義」でも「隠す」のも通用しない。正直な申告が必要。
  • ただし、解約返戻金が20万円以下など、学資保険を残せる5つのケースがある。
  • 契約者貸付や自由財産拡張の申し立てなど、残すための具体的な方法も存在する。
  • 自己破産前の安易な名義変更は絶対にNG
  • 個人再生や任意整理なら、学資保険を残したまま借金問題を解決できる可能性がある。

自己破産という厳しい状況の中でも、大切な学資保険を守る道は一つではありません。しかし、そのためには法律の専門知識と、裁判所の手続きに関する正確な理解が不可欠です。自己判断で行動してしまうと、かえって状況を悪化させかねません。

借金の問題と学資保険のことでお悩みなら、一人で抱え込まず、まずは債務整理に詳しい弁護士や司法書士に相談してください。専門家は、あなたの状況を丁寧にヒアリングし、学資保険を残しながら生活を再建するための最も現実的で最適な方法を一緒に考えてくれます。

未来への第一歩は、正しい情報を知り、専門家の助けを借りることから始まります。










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