スマホの通信料金を毎月抑えられる「格安SIM」は、多くの人にとって魅力的な選択肢となっています。しかし、初めて格安SIMに乗り換えるときには分からないことが多く、不安や疑問を抱えることも少なくありません。本記事では、初心者の方でもスムーズに乗り換えができるよう、具体的な手順や注意点を詳しく解説します。この記事を読めば、スマホの通信費を抑えつつ、現在の電話番号をそのまま利用できる方法まで理解できるはずです。
格安SIMの乗り換えは決して難しくありませんが、事前にしっかりと流れを把握しておくことで、思わぬトラブルを避けられます。ぜひ最後までご覧になって、あなたにぴったりの格安SIMライフをスタートさせてください。
それでは、格安SIMに乗り換えるメリットや手順、注意点などを順を追って見ていきましょう。携帯電話の使い方がより自由に、より経済的になる第一歩を踏み出してみてください。
格安SIMに乗り換えるメリットとは？
ここでは、格安SIMを選ぶことで得られる具体的なメリットをまとめて紹介します。月々の通信費の削減だけでなく、契約の自由度が高まるなど多くの利点があります。
大手キャリアと比較した際に、格安SIMならではの魅力がどのように活かせるのか詳細に解説していきます。自身のスマホ利用状況を照らし合わせながらご覧ください。
月額料金が大幅に安くなる
格安SIMの最大のメリットといえば、やはり月額料金が安いという点です。大手キャリアの料金プランでは、毎月8,000円から9,000円程度かかることもありますが、格安SIMなら3,000円以下で利用できるプランも少なくありません。使うデータ量に合わせたプランを選択すれば、さらに安く抑えられる場合もあります。
なぜ安いのかというと、格安SIM事業者（MVNO）は大手キャリアの通信回線を借りてサービスを提供しているため、自前で基地局や大規模なインフラを整備する必要がありません。その分、コストを低く抑えられるのです。この仕組みにより、利用者は大手キャリアよりもお得な価格で通信サービスを享受できます。
また、格安SIMの料金設定はシンプルなケースが多いのも特徴です。複雑なプランが少なく、使った分だけ支払う仕組みや、データ容量に特化したプランも選びやすいです。自分の利用スタイルに合わせて無駄なく契約できるため、毎月の出費に悩まされることが減るでしょう。
加えて、キャンペーンや期間限定割引などを利用すれば、さらに支出を抑えられる可能性があります。多くの格安SIM事業者は新規契約者やMNP乗り換えの利用者に対して、キャッシュバックやポイント還元などの特典を提供しています。こうした制度をうまく活用すると、よりコストパフォーマンスが高まるでしょう。
自分に合ったプランを選べる
大手キャリアでは複雑な料金プランが多く、自分の使用状況に合うプランを見つけるのに苦労することがあります。一方、格安SIMはシンプルかつ多様なプランを用意しているため、自分のライフスタイルや利用パターンに合ったプランを選びやすいのがメリットです。
例えば、普段は自宅や職場でWi-Fiを利用し、あまりモバイルデータを使わない人であれば、月間データ容量が1GBや3GBなど小さいプランを選ぶことで、毎月の通信費を抑えられます。また、出張や外出が多く、大容量のデータ通信が必要な人は、20GBや無制限プランを選ぶことも可能です。
さらに、音声通話があまり必要ない人向けに「データ通信専用SIM」もあります。通話が多い人にはかけ放題オプションを用意している事業者も存在しますので、ニーズに合わせて追加することで最適な環境を構築できるでしょう。こうした柔軟性が格安SIMの大きな魅力です。
プランを選ぶときには、月間データ通信量の上限や通信速度制限の仕組み、通話料金やオプションなどをしっかり確認しておくことが大切です。利用スタイルを把握し、自分にとってベストなプランを見つけることで、より快適かつ経済的なスマホ生活を実現できます。
契約の縛りが少なく自由度が高い
かつての大手キャリアの契約プランには、2年や3年といった長期の契約縛りが設けられていることが多く、途中解約時には高額な違約金が発生するケースが一般的でした。しかし、格安SIMの場合は、契約期間の縛りがない、あるいは短いものが多く、自由度が高い点がメリットとして挙げられます。
実際に、2022年以降は大手キャリアでも解約金が大幅に緩和されてきましたが、それでも格安SIMの多くのプランは初めから縛りがほとんどありません。もし使いづらいと感じた場合でも、他社への乗り換えやプラン変更が容易に行えるのです。
こうした柔軟性は、スマートフォンの使い方が変化しやすい現代において大きなメリットと言えるでしょう。たとえば、仕事が変わって通勤時間が増えれば動画視聴が増えるかもしれませんし、逆に在宅勤務がメインとなればモバイルデータの消費量は減るかもしれません。利用スタイルが変わったタイミングで、気軽にプランを変更できるのは非常に便利です。
ただし、あまりに短期間でコロコロと乗り換えを繰り返すと、SIMカード発行手数料や初期費用が積み重なり逆に割高になってしまうこともあります。自分の使い方やライフスタイルの変化を見極めながら契約・乗り換えを行うことが、より賢い利用方法となります。
通信エリアも大手キャリアとほぼ同じ
「格安SIMは通信エリアが狭いのでは？」と心配する人も多いですが、実は通信エリアは大手キャリアとほぼ同等です。格安SIMは大手キャリアの回線を借り受けて提供する仕組みのため、基本的には同じエリアで通信が可能です。
ただし、大手キャリアの中でも「どこのキャリアの回線を使っているか」によって、若干エリアが異なる場合があります。都市部ではほとんど差を感じないことが多いですが、地方や山間部などの場合は、契約する格安SIMが利用している回線のエリアマップを事前に確認しておくと安心です。
また、通信速度については大手キャリアと比較して混雑する時間帯（お昼休みや夕方以降など）に速度低下が起こりやすい傾向があると言われます。しかし、普段使いのSNSやウェブ閲覧、メールのやり取りなどには問題なく利用できるレベルです。オンライン会議や動画視聴の際は、Wi-Fi環境を活用するなど工夫すれば快適に過ごせるでしょう。
最近では、格安SIM事業者も品質向上のための取り組みを強化しており、通信速度が安定しているサービスも増えてきています。口コミや実測データなどを参考に、自分が利用するエリアや時間帯において問題なく使えるかどうかをチェックしておくと良いでしょう。
SIMフリー端末を活用できる
格安SIMに乗り換える利点として、SIMフリー端末を自由に選べるということも挙げられます。SIMロックがかかっていないスマートフォンであれば、どの格安SIMを使うかを柔軟に選択することができ、海外旅行や海外出張の際にも現地SIMを挿入して利用できるなどのメリットがあります。
最近のスマホはSIMフリーで販売されるケースが増えており、家電量販店やオンラインショップで手軽に入手可能です。また、中古市場でも比較的新しい機種がリーズナブルな価格で出回っているため、端末コストを大幅に抑えることができます。
大手キャリアで購入した端末でも、手続きや解約後のロック解除を経てSIMフリー化できる場合があります。機種によってはネット上で簡単にロック解除が可能なケースも多いので、乗り換え前にチェックしておきましょう。SIMフリー化することで、格安SIMへのスムーズな移行が実現します。
SIMフリー端末はメーカーのアップデートがダイレクトに反映されたり、不要なキャリアアプリがプリインストールされていなかったりと、使い勝手の面でもメリットが多いです。自分の好みに合わせて端末をカスタマイズしやすく、快適に使い続けられるのもSIMフリー端末を選ぶ大きな理由の一つでしょう。
格安SIM乗り換えの基本的な手順
ここでは、格安SIMに乗り換える際の一般的な流れを簡単に整理します。具体的には、MNP予約番号の取得からSIMカードの申し込み、設定などのステップがあります。
乗り換え前にしっかり準備をしておくと、回線切り替え後すぐに新しいSIMで快適に使い始めることができます。それぞれの手順を把握して、スムーズに移行しましょう。
現在の契約内容を確認する
まず始めに行うべきことは、現在のキャリアでの契約内容を確認することです。違約金や解約金が発生するかどうか、契約満了月（更新月）がいつなのかをチェックしましょう。タイミングを誤ると余計なコストがかかる場合があります。
また、機種代金の分割支払いがまだ残っている場合は、乗り換え前に残りの支払いがどうなるかも確認が必要です。残債を一括で清算できるのか、引き続き分割で支払うのかによって、乗り換えの総費用が変わってきます。
さらに、メールアドレスや独自のサービス（キャリア決済やポイントサービスなど）を利用している場合は、その扱いも事前に把握しておきましょう。解約後は利用できなくなる可能性が高いので、代替手段を用意しておくと安心です。
こうした確認作業を怠ると、「思ったよりも乗り換え費用が高くなってしまった」「重要なメールが受け取れなくなった」などのトラブルに見舞われる可能性があります。まずはキャリアのオンラインページや契約書類をよく読み、費用と手続きの流れを把握することが重要です。
MNP予約番号を取得する
電話番号をそのまま引き継ぎたい場合には、MNP（Mobile Number Portability）を利用します。そのために必要なのがMNP予約番号です。現在契約中のキャリアに連絡をして取得します。
MNP予約番号の取得方法は、大手キャリアでは電話やオンライン、店舗など複数の手段がありますが、通常は電話が最も手軽です。ドコモやau、ソフトバンクといった各キャリアごとにMNP予約番号の受付窓口があるので、公式サイトを確認してみましょう。
また、MNP予約番号には有効期限（通常は15日間）がある点に注意が必要です。格安SIMへの申し込みは、この有効期限内に行う必要があります。期限切れになった場合は再度取得し直さなければならず、手間がかかります。
MNP予約番号を取得したら、メモに控えておくだけでなく、スマホやPCのメモ帳などにも保存しておくと安心です。今後の格安SIMへの申し込みで必須の情報となるため、なくさないように気をつけましょう。
格安SIMのプランを選ぶ
MNP予約番号の準備ができたら、次に行うのが格安SIMのプラン選びです。自分の月々のデータ通信量や通話頻度、予算などを考慮して、最適なプランを見つけましょう。
プランを比較するときには、月々のデータ通信量の制限や、かけ放題オプションの有無、SMSの料金体系なども確認しておくと失敗が少なくなります。格安SIMによっては「10分かけ放題」「60分かけ放題」などのオプションが用意されているケースもあるため、通話をよく使う人には魅力的です。
また、速度制限に関するルールもチェックしておくと安心です。たとえば、月に一定のデータ量を超えると速度制限がかかる場合や、3日間で一定の容量を超えた場合に速度が落ちる場合などがあります。自分の使い方に合致した格安SIMを選ぶために、公式サイトや口コミをよく調べましょう。
さらに、各社のキャンペーン情報も確認することをおすすめします。新規契約やMNPでの乗り換え時に、キャッシュバックや割引特典などが用意されている場合があるからです。こうしたキャンペーンを活用すれば、初期費用や月額料金をさらに抑えることができます。
SIMカードを申し込む
プランを決めたら、いよいよ格安SIMの申し込みです。多くの場合、オンライン申し込みが主流となっています。公式サイトの手順に従って必要事項を入力し、本人確認書類をアップロードすることでスムーズに契約が進みます。
契約時には、MNP予約番号・有効期限、本人名義のクレジットカードや銀行口座の情報、本人確認書類が必要です。本人確認書類は運転免許証やマイナンバーカードなどが一般的ですが、事業者によっては健康保険証なども受け付けてくれる場合があります。
申し込み後、審査が行われ、問題がなければSIMカードが自宅に郵送されてきます。申し込みから到着までの期間は、通常数日から1週間程度です。発送状況や審査状況はオンライン上で確認できる場合が多いので、届くまでの間にSIMカードの対応端末をチェックしたり、バックアップの準備を進めておきましょう。
なお、店舗受付を行っている格安SIM事業者もあります。その場合はスタッフに不明点を直接相談できるメリットがありますが、混雑していると待ち時間が発生することがあります。時間に余裕がない人はオンライン申し込みを検討すると良いでしょう。
SIMカードが届いたら回線を切り替える
SIMカードが手元に届いたら、回線を切り替える手続きを行います。格安SIM事業者が提供するオンラインマイページなどで手続きが完了すると、数分から数時間で回線が切り替わります。回線が切り替わるまでは、以前のキャリア回線が使える状態です。
MNPで電話番号を引き継いでいる場合は、この回線切り替えを行うことで、古いSIMが自動的に使えなくなり、新しいSIMへ番号が移行します。切り替えのタイミングは指定できる事業者もありますので、利用開始日や時間を調整したい場合は事前に確認しておきましょう。
切り替えが完了すると、以前のキャリアとの契約は自動的に解約となります。ただし、キャリアによっては解約手続き書類が郵送されてくるケースもあるので、書類が届いた場合は内容をしっかり確認しておきましょう。
また、乗り換え後の初期費用や月額料金、あるいは発生し得る違約金などは、後日クレジットカードや口座から引き落とされます。思わぬ請求トラブルを防ぐためにも、切り替え後も請求明細をきちんとチェックすることが大切です。
APN設定を行う
回線が切り替わったら、スマホ端末側のAPN（アクセスポイント名）設定を行います。APN設定とは、インターネットに接続するための設定情報をスマホに登録する作業のことです。格安SIM事業者によってAPN情報は異なるため、同封のマニュアルや公式サイトの案内を参考にしましょう。
Android端末の場合、設定アプリから「ネットワークとインターネット」や「モバイルネットワーク」といった項目を開き、APNを手動で入力することが多いです。iPhoneの場合はプロファイルをインストールすることで自動的に設定できるケースが一般的です。
APNの設定を誤ると、データ通信が行えなかったり、速度が極端に遅くなったりする可能性があります。正確な情報を入力したうえで設定を完了させるようにしてください。
設定が完了したら、ブラウザやSNSアプリを立ち上げて通信できるかどうかを確認します。通話やSMSも試して問題がなければ、格安SIMへの乗り換えはほぼ完了です。あとは月々の通信費の安さを体感しながら、快適なスマホライフを楽しみましょう。
格安SIMへの乗り換え方法を詳しく解説
ここからは、乗り換え時の具体的な手順をさらに詳しく解説します。MNP予約番号の取得手順はもちろん、オンラインと店頭での申し込みの違いや、eSIMの場合の手続きについても取り上げます。
自分の契約状況や端末の種類に合った方法を把握しておくと、スムーズに乗り換えを進められるでしょう。
MNP予約番号の取得方法
先ほども触れましたが、MNP予約番号の取得は乗り換えの重要なステップです。大手キャリアの場合、電話やオンライン、ショップ店頭で申し込むことができます。電話は自動音声対応の場合も多く、所要時間は10分程度です。
オンラインの場合は、キャリアの会員サイトにログインして「MNP転出」や「番号ポータビリティ」の項目から手続きを進めます。ただし、オンラインでの取得に対応していない時間帯（深夜帯）などもあるため注意が必要です。
店頭での取得を選ぶ場合は、身分証明書と契約者本人が行く必要があります。担当スタッフから乗り換えを引き留められることもあるため、事前に「格安SIMに乗り換える意思」をはっきり伝えるとスムーズです。
取得したMNP予約番号とその有効期限は、格安SIMの申し込み時に必須となるため、必ず忘れずにメモしておきましょう。また、期限が15日を過ぎてしまうと無効になるので、なるべく早めに格安SIMの申し込みを行うことが大切です。
オンラインでの申し込み手順
オンラインで格安SIMに申し込む場合、事業者の公式サイトにアクセスして、「新規申し込み」や「MNPでの乗り換え」といったメニューから進みます。申し込みフォームには、MNP予約番号や有効期限、本人確認書類のアップロード、支払い方法の登録などを行うのが一般的です。
本人確認書類としては、運転免許証やマイナンバーカードがよく利用されます。写真が不鮮明で審査に落ちてしまうケースもあるため、なるべく鮮明な画像をアップロードしましょう。書類不備があると手続きが止まってしまうので注意が必要です。
また、支払い方法はクレジットカードが主流ですが、中には口座振替に対応している格安SIM事業者もあります。クレジットカードを持っていない方や利用したくない方は、対応可否を事前に確認しておくと良いでしょう。
申し込みが完了すると、数日から1週間程度でSIMカードが自宅に届きます。到着後は回線切り替え手続きとAPN設定を行い、実際に通話やデータ通信をテストして問題なければ乗り換え完了です。
店頭での申し込み手順
一部の格安SIM事業者や家電量販店では、店頭で直接申し込みが可能なところもあります。店頭で申し込む最大のメリットは、スタッフに質問しながら手続きを進められる点です。特にスマホの操作や設定に自信がない方にとっては安心でしょう。
店頭で申し込む場合もMNP予約番号をあらかじめ取得しておく必要がありますので、事前に電話やオンラインなどで取得しておくとスムーズです。忘れてしまうと再度来店する手間が発生するため注意しましょう。
店頭に行く際は、本人確認書類と支払い方法（クレジットカードなど）、現在使っているスマホ端末を忘れずに持参します。SIMフリー端末の場合はSIMカードをその場で挿して動作確認ができるため、安心感が大きいです。
店頭での手続きをすべて終えられる場合は、その日のうちに新しいSIMカードが受け取れることもあります。回線切り替えを済ませ、APN設定まで完了してしまえば、即日利用開始も可能です。ただし、混雑時は待ち時間が長くなることもあるので、余裕を持って来店しましょう。
eSIM対応の格安SIMの申し込み手順
最近では、物理的なSIMカードではなくeSIMに対応したスマホが増えています。eSIM対応の格安SIMを選ぶことで、SIMカードの発送を待たずに申し込みから開通まで進められるのがメリットです。
eSIMの場合、オンラインで本人確認や決済情報を登録した後、事業者から送られてくるQRコードをスマホで読み取って設定します。QRコードを読み取ることでeSIM情報が端末にダウンロードされ、回線を開通できます。
そのため、物理SIMのように郵送を待つ必要がなく、申し込みから最短即日で利用開始できる場合も多いです。ただし、端末がeSIMに対応している必要があるので、あらかじめ自分のスマホの仕様を確認しておきましょう。
また、eSIM対応事業者の中には、追加でサブ回線としてeSIMを利用できるプランを提供しているところもあります。たとえば、大手キャリアの物理SIMと格安SIMのeSIMを同時に使う「デュアルSIM運用」も可能です。仕事用とプライベート用で回線を分けたい場合に便利な選択肢となります。
格安SIM乗り換えのタイミングはいつがベスト？
乗り換えのタイミングを誤ると、違約金や余分な月額料金が発生することもあります。ここでは、違約金がかからない更新月や月初・月末のどちらがお得かなど、タイミングに関するポイントをまとめます。
それぞれの条件を理解して、最もメリットの大きい時期に乗り換えを検討しましょう。
違約金がかからない更新月を狙う
かつては2年契約や3年契約などで途中解約すると高額な違約金が発生するケースが一般的でしたが、法律の改正などで徐々に改善されています。それでも更新月（違約金なしで解約できる期間）を狙って乗り換えることで、無駄な出費を回避できる可能性があります。
大手キャリアによっては、更新月が2年ごとにやってきたり、1年ごとに設定されていたりと仕組みが異なります。自分の契約書や会員サイトで、「次の更新月がいつからいつまでなのか」をしっかりチェックしましょう。
もし、更新月を待っていられないほど格安SIMへの乗り換えメリットが大きい場合は、違約金よりも月々の通信費削減効果が勝るかを試算してみると良いです。数カ月で元が取れるのであれば、更新月を待たずに乗り換えたほうが結果的にお得になるケースもあります。
いずれにせよ、契約期間や違約金の有無を事前に把握しておくことが失敗しないコツです。自分にとって最良のタイミングを見極めましょう。
月末より月初の乗り換えが得
格安SIMの多くは日割り計算を行わない場合があり、月の途中で契約しても1カ月分の料金が発生します。そのため、月末に契約してしまうと、実質的に損をするケースがあるのです。
月初に契約すれば、1カ月まるまるデータ通信や通話を利用できるため、料金のムダが少なくなります。逆に解約するタイミングも、月末に解約すると無駄が少ないでしょう。大手キャリアによっては日割り計算を行う場合もあるので、今の契約状況を確認しておきましょう。
もちろん、更新月のタイミングやキャンペーンの適用期間との兼ね合いもあります。たとえば、「○月△日までに乗り換えればキャッシュバックあり」といったキャンペーンを優先したいのであれば、少し月末でも乗り換える意義があるかもしれません。
いろいろな条件を照らし合わせる必要があるため、月初に契約するメリットと、キャンペーン適用などのメリットを比較して、どちらがよりお得かを判断することが大切です。
格安SIMのキャンペーンを活用する
各格安SIM事業者は、新規契約やMNP転入者向けにさまざまなキャンペーンを実施しています。キャッシュバックやポイント還元、一定期間の割引など内容は多岐にわたります。
キャンペーンの多くは期間限定ですので、公式サイトや比較サイトで常に最新情報をチェックしておくと見逃しを防げます。さらに、家電量販店やオンラインストアで独自キャンペーンを行っている場合もあります。
もし時間に余裕があるのであれば、キャンペーンの開催時期や割引率を見計らって乗り換えると大幅に費用を削減できる可能性があります。特に年度末や新生活シーズンには、多くの事業者が大規模なキャンペーンを行う傾向があります。
ただし、キャンペーン条件として「○カ月以上の継続利用が必要」や「特定オプションの加入」が求められることもあるので、事前にしっかり注意事項を確認しましょう。条件を満たさないと特典を受け取れない場合があるため、乗り換え前に注意深くチェックすることが大事です。
格安SIM切り替えタイミングの重要ポイント
格安SIMへの切り替えには回線が切り替わるまでの時間が発生し、スマホが一時的に使えないケースもあります。ここでは、時間帯や切り替えの流れを把握する重要性について触れます。
仕事やプライベートへの影響を最小限にとどめるためのヒントを紹介しますので、安心して乗り換えを進めるためにも確認しておきましょう。
回線切り替えにかかる時間を確認する
格安SIMへ乗り換える際は、回線切り替えにかかる時間がどれくらいなのかを事前に知っておくことが大切です。通常は手続きが完了してから数分～数時間で切り替えが反映されますが、タイミングや事業者によっては半日ほどかかるケースもあります。
この切り替え期間中は、通話やデータ通信が一時的に使えなくなる場合があります。特にMNPでの乗り換え時は、古いSIMも新しいSIMも同時に使えない時間帯が発生する可能性があるので注意が必要です。
切り替え作業は24時間いつでもできる事業者が増えていますが、深夜はサポート体制が手薄なこともあるため、トラブルが起きたときに対応してもらえない可能性があります。心配な場合は、平日日中や週末のサポート稼働時間中に行うと安心です。
また、切り替え後にAPN設定などの初期設定を行う必要があることも忘れずに。必要な手順や情報を事前に準備しておけば、回線が使えない時間を最小限に抑えられます。
スマホが使えない時間を短縮する方法
乗り換えによるスマホの利用不可時間をできるだけ短くするために、いくつかの工夫が可能です。たとえば、切り替え前にAPN設定の方法を調べておき、切り替えと同時にすぐに設定を行えるようにしておくことが挙げられます。
また、オンラインでの手続きは24時間いつでも申し込みできる反面、サポートが動いていない時間帯にトラブルが起きると対応が遅れることがあります。疑問点や不安がある場合は、電話サポートが利用できる時間帯やチャット対応可能な時間帯に合わせて切り替え手続きを行うと安心です。
さらに、Wi-Fi環境が整っている場所で作業を進めれば、SIMが切り替わってモバイルデータが使えない状態でもインターネットにアクセスできます。アプリのダウンロードや設定方法の確認などはWi-Fi下で行えるため、通信不能によるストレスを最小限に抑えられます。
もしもの時の連絡手段を確保しておきたい場合は、家族や友人のスマホを借りる、固定電話を使う、あるいは別回線としてサブのSIMを持つなどの方法も検討しておくと、乗り換え時にトラブルが発生しても落ち着いて対処できます。
仕事や生活への影響を考慮する
回線切り替え時の一時的な通信不可が、仕事や生活に大きな影響を与える人もいます。例えば、急な電話やメールを受け取る必要がある業種の人は、切り替えのタイミングを誤ると大きなトラブルに発展しかねません。
切り替え作業を行う日は、できるだけ業務や連絡の予定が少ないタイミングを選びましょう。週末や休暇を利用して手続きを進めるのも一つの手です。平日の昼間にどうしても切り替えをする必要がある場合は、事前にクライアントや同僚に連絡が取りにくくなる可能性を伝えておくと良いでしょう。
また、家族が外出先で何かあったときに連絡が取れないという不安を避けるため、乗り換え手続き中はWi-Fi環境下でLINEなどのメッセージアプリを活用できるようにしておくのも有効です。実質的には音声通話ができなくても、ネット経由の連絡手段があれば問題を回避できます。
このように、生活リズムや仕事のスケジュールに合わせて最適な切り替えタイミングを探ることで、乗り換えによるデメリットを最小限に抑えられるでしょう。
格安SIM乗り換え時のキャンペーンを活用するコツ
各社のキャンペーンを上手に利用すれば、さらにお得に格安SIMへ乗り換えられます。ここでは、MNP限定の特典やキャッシュバック、期間限定の割引を賢く使うためのポイントを紹介します。
時期を見極めて申し込むことで、初期費用や月額料金をグッと抑えられる可能性がありますので、チェックしておきましょう。
MNP限定キャンペーンをチェックする
多くの格安SIM事業者ではMNP限定キャンペーンを実施しています。これは、他社からの乗り換え（MNP）を対象に、キャッシュバックやポイント還元、基本料金割引などの特典を用意しているものです。乗り換え需要が高い時期に合わせて内容が拡充されることもあります。
キャンペーンの詳細は公式サイトやチラシ、家電量販店の店頭などで告知されるため、乗り換えを検討している人は定期的にチェックすると良いでしょう。特に新生活シーズンやボーナスシーズン、年末年始などは大規模なキャンペーンが開催されることが多いです。
ただし、キャンペーンを受け取るためには条件を満たす必要があります。例えば、特定のプランを契約すること、一定期間以上利用すること、指定のオプションを付けることなど、いくつかの縛りが設けられるケースが一般的です。
条件をしっかり理解したうえで申し込まないと、せっかくの特典を逃してしまう可能性があります。事前にキャンペーンページをよく読み、疑問点があれば問い合わせて確認するのがおすすめです。
キャッシュバックやポイント還元を狙う
格安SIMのキャンペーンでもっとも人気があるのがキャッシュバックやポイント還元です。これらの特典を受け取ることで、実質的な初期費用や月々の費用を大幅に抑えられます。
例えば、ある事業者ではMNP契約をした後に指定された期間内に利用開始すると、数千円から一万円以上のキャッシュバックを受け取れることがあります。ポイント還元の場合も同様に、指定のポイントサービスで数千ポイントをもらえることがあるので、通信費やショッピングに活用できます。
キャッシュバックの受け取り方法は、銀行振り込みやAmazonギフト券などの形で提供される場合があります。ポイント還元は、独自のポイントや共通ポイントサービスを採用している事業者もありますので、自分の利用しやすい形態かどうか確認しておくと良いでしょう。
ただし、キャッシュバックやポイントが実際に付与されるのは、契約してから数カ月後になることが多いです。これは、短期間で解約されてしまうことを防ぐための仕組みとされています。乗り換えが完了した後も、定期的に特典の受け取り状況を確認するようにしてください。
期間限定の割引を活用する
格安SIM事業者によっては、期間限定の割引キャンペーンを行っていることがあります。これは、乗り換え後の一定期間（月額料金が割り引かれたり、特定のオプションが無料になったり）といった特典を指すことが一般的です。
割引期間が終わると通常料金に戻るので、長期的な視点で見たときに本当にお得かどうかを判断することが大切です。短期的に出費を抑えられても、割引終了後に割高感を感じる場合もあるため、総合的に費用を比較しましょう。
ただし、タイミングを合わせられれば、大幅にお得になることもあります。例えば、数カ月間は実質無料になるような大胆なキャンペーンを打ち出す事業者もあり、その期間に乗り換えると非常にコストが抑えられます。
キャンペーン期間は予告なく終了する場合もあるので、興味を持ったら素早く調べて申し込むか検討を始めることがおすすめです。キャンペーン情報は公式サイトやSNS、家電量販店などで更新されるため、気になる事業者はこまめにチェックしておきましょう。
格安SIM乗り換えで機種代を抑える方法
格安SIMへの乗り換えを機に、スマートフォン本体のコストも抑えたいと考える人は多いでしょう。ここでは、中古スマホやSIMフリー端末の活用法、さらにキャリア端末をそのまま使うケースなど、費用を最小限にするためのポイントを紹介します。
上手に端末を選ぶことで、通信費だけでなく端末代までお得に抑えられますので、参考にしてみてください。
中古スマホを購入する
スマホ本体のコストを大幅に下げるには、中古スマホを購入する方法があります。家電量販店の中古売り場やオンラインショップ、オークションサイトなどを利用すると、新品よりも格段に安い価格でスマホを手に入れることが可能です。
ただし、中古スマホには使用感やバッテリー劣化などのリスクも伴います。購入前に商品の状態や保証の有無、修理対応などを確認しておきましょう。また、SIMロックが解除されているかどうか、端末が動作するかをしっかりチェックすることも重要です。
中古市場では比較的新しいモデルも出回っているため、最新機種に近いスペックをリーズナブルに手に入れることができるチャンスもあります。自分の予算や用途に合わせてうまく選べば、コストパフォーマンスの高いスマホライフを送ることができます。
さらに、中古スマホを購入してSIMフリー端末にカスタムすれば、複数の格安SIMを試す際にも便利です。端末さえあれば、乗り換えのたびにSIMカードを差し替えるだけで済むため、長期的に見ても経済的といえます。
SIMフリー端末を選ぶ
最初からSIMフリーの端末を選ぶのも、格安SIMを自由に使ううえでおすすめの方法です。SIMフリー端末はキャリアの制限がなく、どの格安SIM事業者の回線でも使える可能性が高い点がメリットです。
国内メーカーだけでなく、海外ブランドのSIMフリー端末も数多く販売されています。価格帯も幅広いため、最新のハイエンド機種からコスパ重視のミドルレンジモデルまで、自分のニーズに合った機種を選びやすいでしょう。
また、SIMフリー端末はキャリア独自のアプリやカスタマイズが少ないため、端末が軽快に動作することが多いです。さらに、メーカーによってはOSのアップデートがキャリア経由より早く提供される傾向があり、セキュリティ面でも安心感があります。
購入場所としては、家電量販店やオンラインストア、メーカー公式サイトなどが挙げられます。価格やサポート体制、保証期間などを比較して、自分が納得できる条件で手に入れると良いでしょう。
キャリアの端末をそのまま使う
すでに使っている大手キャリアの端末を、そのまま格安SIMに乗り換えて使用できることもあります。基本的に2015年以降に発売されたスマホ端末であれば、SIMロックを解除できるケースが多く、格安SIMとの互換性を得られるでしょう。
SIMロック解除は各キャリアのオンラインページやショップで行います。オンラインの場合、手数料がかからない場合もあるので確認してみてください。店舗で解除すると手数料が発生することがあります。
端末代金をすでに払い終わっている場合は、新しい端末を買う必要がないため、初期費用を抑えて乗り換えられるメリットがあります。ただし、対応していない周波数帯やバンドがあると、格安SIMの電波を十分に拾えない可能性もあるので注意しましょう。
また、キャリア特有のカスタマイズが残るため、使わないアプリがアンインストールできなかったり、OSアップデートがキャリア主導になるなどの制限が続く場合があります。それでも、端末購入コストがかからない点は大きな魅力といえます。
格安SIM乗り換え時の電話番号引き継ぎ方法
乗り換え時に電話番号を変えたくない人は多いでしょう。ここではMNPを使って電話番号をそのまま引き継ぐ具体的な手順や手数料、回線開通までの流れを詳しく解説します。
MNPを利用すれば、長年使ってきた番号を継続できるため、知人や取引先に新しい番号を案内する手間が省けます。
MNPを利用して番号をそのまま使う
すでに触れたように、MNP（Mobile Number Portability）を利用することで、電話番号を変えずに格安SIMへ乗り換えができます。手順としては、最初に現在のキャリアでMNP予約番号を取得し、格安SIMの申し込み時にその番号を入力する形です。
MNP予約番号は取得時点で有効期限が設定されていますので、期限内に格安SIMの申し込みを完了させる必要があります。期限が切れた場合は再度取り直さなければいけないため、スケジュールに余裕を持って手続きを進めましょう。
また、電話番号をそのまま使うことで、知人や職場に番号変更を知らせる必要がなくなり、手間が大幅に減ります。業務用携帯を兼ねている人や、登録サイトが多い人ほど、このメリットは大きいと言えるでしょう。
ただし、MNPを行わずに新規契約をした方がキャンペーンが有利になるケースは稀です。基本的にはMNPの方が特典が手厚いことが多いので、通常はMNPを選択するのがお得です。
MNP転出時の手数料と注意点
以前はMNP転出手数料が数千円かかることもありましたが、近年は規制の強化により無料化されているケースが増えています。とはいえ、完全に無料でないキャリアやプランも存在するため、事前に公式サイトで確認することが重要です。
また、MNP予約番号を取得した時点でキャリアや格安SIMの解約が成立するわけではありません。実際には、乗り換え先の格安SIMで回線切り替えが完了したタイミングで解約が成立する仕組みです。そのため、2重で料金が発生しないよう、申し込みタイミングには注意しましょう。
もし予約番号を取得した後に乗り換えを取りやめる場合は、再度キャリアとやり取りが必要です。中途半端に放置すると、有効期限切れでもう一度取得し直す手間が発生するので注意が必要です。
さらに、MNP転出に伴い、キャリアメールやキャリア決済などが使えなくなる場合があります。これらの代替手段を用意しておかないと、乗り換え後に思わぬ不便を感じるかもしれません。事前にメールデータや決済方法を変更しておくとスムーズです。
乗り換え後の回線開通手順
格安SIMの審査が通り、SIMカードが届いたら、回線の切り替えを行います。オンラインで手続きを進められる事業者が多く、専用のサイトやマイページで「回線切り替え」ボタンを押すだけで設定が完了することもあります。
切り替え作業には、MNP予約番号と申し込み時に設定したパスワードなどが必要になる場合があります。事前に用意しておき、スムーズに入力できるようにしましょう。切り替え完了後、以前のキャリア回線は自動的に使えなくなり、乗り換え先の回線へと移行します。
最後にスマホ側でAPN設定（iPhoneの場合はプロファイルのインストール）を行えば、データ通信や通話が利用可能になります。設定情報は事業者ごとに異なるため、同封されているマニュアルや公式サイトを参考に正しく入力しましょう。
ここまでの手順をしっかり踏めば、長年使った電話番号を変えずに格安SIMへ乗り換えることができます。トラブルなく移行するためにも、公式のガイドやサポートを活用するのがおすすめです。
格安SIMに変更する際の注意点とよくある失敗
格安SIMは料金面や契約の自由度で大きなメリットがありますが、利用者によってはデメリットを感じるケースもあります。通信速度や通話オプションなどで不満を感じることがあるため、事前に把握しておきましょう。
ここでは、格安SIMに乗り換えてからよく聞かれる問題点と、その回避策について説明します。乗り換え前の参考にしてください。
通信速度が遅くなることがある
格安SIMは基本的に大手キャリアの回線を借りているため、回線そのものの品質は高い傾向にあります。しかし、利用者が増えると通信速度が低下しやすいという特徴があります。特に、お昼休みの時間帯や帰宅時間帯など、多くの人が一斉にネットを使う時間帯に混雑が起こりがちです。
この速度低下を回避するためには、Wi-Fi環境をうまく活用するのが最も効果的です。自宅やオフィスなど、Wi-Fiが利用できるところではモバイルデータ通信を控え、使わない時間帯にバックグラウンドでアプリのダウンロードやアップデートを行うなどの工夫をすると快適に利用できます。
また、速度の遅さは事業者によって差があります。口コミサイトやSNSなどで、実際の利用者の声を参考にするのも一つの方法です。都市部と地方部では速度に違いがある場合もあるため、自分がよく行くエリアで快適に使えるかどうか事前にリサーチしておきましょう。
もし極端に通信速度が遅くて不便を感じる場合は、別の格安SIM事業者に乗り換えることも検討の余地があります。契約の縛りが少ないのが格安SIMの強みですので、自分に合うサービスを探し続けられるメリットもあります。
通話かけ放題のプランが少ない
大手キャリアでは、通話かけ放題が標準的なプランに含まれていることが多いですが、格安SIMでは必ずしもそうではありません。かけ放題があっても「3分」「5分」「10分」など時間制限が付いている場合が多く、完全無制限のかけ放題を提供している事業者は限られています。
通話をたくさん利用する人にとっては、格安SIMに乗り換えることで通話料金が高くなる可能性もあります。その場合は、かけ放題オプションがある格安SIMを選んだり、通話専用アプリを使って通話料金を抑える工夫が必要です。
また、LINEやSkypeなどのインターネット通話アプリを併用することで、通話料を削減することも可能です。家族や友人同士であれば、これらのアプリを使うのが一般的になりつつありますので、まずは周囲の人に使ってもらえるか確認してみるのも良いでしょう。
どうしても携帯番号での通話が必要な方は、通話時間が比較的短いケースが多いかもしれません。5分や10分の制限付きかけ放題でも十分なことがありますので、実際の通話状況を分析してから最適なオプションを選ぶと費用対効果が高まります。
キャリアメールが使えなくなる
大手キャリアのメールアドレス（@docomo.ne.jp、@ezweb.ne.jp、@softbank.ne.jpなど）は、格安SIMへ乗り換えると利用できなくなるのが通常です。これに伴い、キャリアメールを使ったサービスや登録サイトでのメールアドレス変更が必要になることがあります。
代替手段としては、GmailやYahoo!メール、Outlookなどフリーメールを利用するのがおすすめです。これらのフリーメールは無料で使え、キャリア変更に縛られず、スマホやPCなど複数の端末でアクセスしやすいメリットがあります。
キャリアメールで受信していたニュースレターや会員登録情報は、乗り換え前にフリーメールに切り替えておくとスムーズです。また、友人や仕事関係者に新しいメールアドレスを知らせておくことで、乗り換え後の連絡が滞るリスクを減らせます。
特に重要な連絡先やサービスには、早めにフリーメールアドレスを登録しておきましょう。アプリやSNSでの連絡が中心の人にとっては、キャリアメールの消失はあまり大きな問題ではないかもしれませんが、念のため注意しておくことをおすすめします。
サポート体制が限られている
大手キャリアは全国にショップを展開しており、困ったときには直接相談できる体制が整っています。一方、格安SIM事業者のサポート体制は電話やチャット、メールのみというケースが多く、店舗数が少ない場合も少なくありません。
オンラインでの手続きや自力での設定に不慣れな人にとっては、不安に感じることもあるでしょう。店舗サポートがある格安SIMを選んだり、家電量販店内のブースで申し込みから設定までサポートを受けられる事業者を探すのも一つの方法です。
格安SIM会社の中には、オプションで「訪問サポート」を提供している場合もあります。専門スタッフが自宅まで来て設定を手伝ってくれるサービスですが、追加料金が発生する可能性が高いので、予算と相談しながら検討しましょう。
どうしてもサポートの質が気になるなら、人気かつ規模の大きい格安SIM事業者を選択するのも手です。ユーザー数が多い分、比較的充実したサポート体制が整っている可能性が高いです。口コミなどを参考に選ぶと失敗を減らせます。
格安SIM乗り換え時の解約手続きと注意点
格安SIMへの乗り換え後は、大手キャリアとの契約が解約扱いになります。ここでは、解約に伴う費用や手続きの流れ、乗り換え前にやっておきたいバックアップ作業などをまとめます。
解約金や端末代金の残債、キャリアの提供サービスなど、乗り換え前にチェックすべきポイントを押さえておきましょう。
解約金や違約金を確認する
大手キャリアの契約には、解約金や違約金が設定されている場合があります。以前よりも規制が進んだことで大幅に減額・廃止されつつありますが、古いプランを使っている人はまだ注意が必要です。契約内容をよく確認し、どの程度の解約金がかかるのか把握しておきましょう。
また、機種代金の分割払いが残っている場合は、その費用も請求されます。例えば、契約満了前に解約する場合でも、残債を一括で支払うか、継続して分割払いを続けるかを選べる場合があります。利用しているキャリアやプランによって違うため、問い合わせが必要です。
解約金や違約金を考慮しても格安SIMに乗り換えた方がトータルコストが安くなるケースは多いです。乗り換えによる月々の通信料の削減額を試算し、数カ月で元が取れるのであれば解約金を払っても損にならない可能性があります。
もし解約金が高額だと感じるなら、更新月まで待って解約するとか、キャリアのプラン変更で解約金が下がるケースもあるので、柔軟に検討すると良いでしょう。
乗り換え前にデータをバックアップする
キャリアとの契約が終了すると、キャリアメールやクラウドサービスなど一部のデータが使えなくなる可能性があります。重要なメールや写真、連絡先などは、事前にバックアップを取り、別のクラウドサービスやPC、外部ストレージなどに保管しておくと安心です。
特にキャリアメールに重要なやり取りが残っている場合は、GmailやYahoo!メールなど別のアドレスに転送しておくか、保存しておきましょう。キャリアのクラウドに写真や動画を保管している人は、GoogleフォトやiCloudなど、他のクラウドサービスにデータを移行しておく必要があります。
アプリに関しては、Apple IDやGoogleアカウントで管理されているケースが多いため、乗り換え後も大半はそのまま利用できます。ただし、一部の有料コンテンツやポイントサービスなどはキャリア独自のプラットフォームを使っている場合があります。乗り換え前に使い切る、もしくは移行できるかどうかを確認してください。
こうしたバックアップやデータ移行を怠ると、乗り換え後に大切な情報が取り出せなくなる可能性があります。事前にしっかり準備をしておくことで、スムーズに新しい環境へ移行できるでしょう。
キャリアのサービスが使えなくなる点を確認する
大手キャリアには独自の音楽サービスや映像配信サービス、ショッピングサイトなどがあり、キャリア決済で料金を支払っているケースも少なくありません。これらは格安SIMに乗り換えると使えなくなったり、別の決済方法に切り替える必要がある場合があります。
乗り換え前にキャリア決済で利用しているサービスをリストアップし、代替手段があるか確認しましょう。クレジットカードや電子マネー、Payサービスなどを登録して継続利用が可能か調べておくと良いです。
また、キャリアが主催するポイントプログラムも、解約と同時にポイントが失効する場合があります。貯めていたポイントが大量にある場合は、乗り換え前に使い切るか、他のポイントサービスに移行できないか確認しておきましょう。
このように、格安SIMへの乗り換えによって利用できなくなるサービスや決済手段が存在する可能性があります。知らずに乗り換えを実行すると、思わぬ不便を感じるかもしれないので、事前のリサーチが欠かせません。
格安SIMをiPhoneに入れる手順と設定方法
iPhoneを使っているユーザーも多い現代では、格安SIMへの乗り換えを検討する際にiPhoneでの設定手順が気になるところでしょう。ここでは、SIMカードの挿入方法からAPN設定、eSIMを利用する場合の注意点までを解説します。
iPhone特有の設定や注意点を押さえておくことで、乗り換え後もスムーズに利用開始できます。
SIMカードの挿入方法
iPhoneで格安SIMを利用する場合、SIMカードトレイの位置を確認する必要があります。通常、iPhoneの右側面か上部に小さな穴があり、そこに付属のSIMピン（またはクリップ）を差し込むことでトレイが出てきます。
トレイにSIMカードを載せる際は、金属面と切り欠きの位置をよく確認して、正しい向きで置きましょう。誤った向きで挿入すると、トレイが奥まで入らなかったり、カードが破損したりする恐れがあります。
SIMトレイを戻した後、iPhoneを起動して電波が入っているかどうかを確認します。もし「圏外」や「SIMなし」という表示が出る場合は、SIMカードの向きや挿入状況を再度確認しましょう。
また、最近のiPhoneではDual SIM（物理SIM + eSIM）に対応したモデルも増えています。物理SIMを利用する場合は、SIMカードトレイのスロットにしっかり挿入することが重要です。
APN設定の手順
iPhoneの場合、プロファイルと呼ばれる設定ファイルをインストールすることで簡単にAPN設定を行うことができます。格安SIM事業者のサイトからプロファイルをダウンロードし、「設定」アプリ内でインストールすれば、自動的にAPN情報が反映される仕組みです。
プロファイルのダウンロードリンクは、事業者の公式サイトや申し込み完了メールに記載されている場合が多いので、インターネットに接続可能なWi-Fi環境下で手続きしましょう。インストールが完了したら、「設定」→「一般」→「プロファイル」の項目から確認できます。
手動でAPNを設定する場合は、「設定」→「モバイルデータ通信」→「モバイルデータ通信ネットワーク」からAPN情報を入力します。事業者ごとに異なるユーザー名やパスワード、APN名などを入力し、保存してください。
設定が終わったら、Safariやメールアプリなどを開き、インターネットへアクセスできるかをチェックします。通話やSMSも正常に利用できれば、APN設定は完了です。
eSIMを利用する場合の設定方法
iPhoneの中には、eSIMに対応しているモデルがあります。eSIMを利用する場合は、物理SIMカードを使わずにオンライン上での手続きだけで回線を開通できるのが特徴です。格安SIM事業者のeSIMプランを契約すると、QRコードが発行されるか、専用アプリを使って設定を行うケースが一般的です。
設定手順としては、「設定」→「モバイル通信」→「モバイル通信プランを追加」を選択し、表示される画面でQRコードを読み取ります。あるいは手動で事業者から提供された情報を入力し、プロファイルをダウンロードして設定することもあります。
eSIMを活用すれば、海外旅行の際に現地のeSIMを追加したり、仕事とプライベートで回線を分けたりといった使い方も可能です。ただし、対応端末であることと、対応する格安SIM事業者が限られる点には注意が必要です。
設定完了後は、物理SIMと同じようにAPN設定が反映されるため、データ通信や通話、SMSなどを通常通り利用できます。複数回線を同時に待ち受ける「Dual SIM」機能を使う場合は、どちらの回線をメインにするかなどの設定もiPhone本体の操作で簡単に切り替えられます。
格安SIM乗り換え完全ガイド：まとめ
今回は、格安SIMに乗り換えるメリットから具体的な手順、注意点や失敗しやすいポイントまで幅広く解説してきました。月額料金の大幅な節約はもちろん、自分に合ったプランを自由に選べる格安SIMには魅力がたくさんあります。
一方で、大手キャリアのようにサポート体制が充実していなかったり、通信速度が混雑時に低下しやすかったりといったデメリットも存在します。乗り換えを検討する際は、事前に情報をしっかり集め、自分のスマホ利用スタイルや予算、サポートへのニーズを照らし合わせて最適なサービスを選びましょう。
さらに、MNPを活用することで現在の電話番号をそのまま引き継ぐことができるほか、期間限定のキャンペーンやキャッシュバックを使えばさらにお得に乗り換えられます。タイミングを見計らい、更新月や月初などを狙うと費用を抑えられる可能性も高いです。
格安SIMは契約の縛りが少ないものが多いので、万が一合わなければ別の事業者に乗り換える自由度も大きい点がメリットです。ぜひ本記事を参考に、あなたにぴったりの格安SIMライフを始めてみてください。快適かつコスパの良いスマホ生活を送りましょう！
