学資保険を検討中の方の中には、「少しでも安い掛け金の学資保険に入りたい」と思っている方もいますよね。
そんな方に向けて今回の記事では、安い学資保険は実際にあるのかどうかと、毎月の保険料を安く抑えるための4つの方法を紹介していきます。
あわせて、学資保険を選ぶ際に重視して欲しいポイントをご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
「ほけんのぜんぶ」は、ファイナンシャルプランナー(FP)が学資保険や教育資金の相談、資産運用、家計の見直しなど、お金に関する悩みの相談に対応してくれます。
複数の保険会社のプランから比較して選ぶため、保険の知識がなくても安心して相談ができるのが魅力!
無料で何度でも相談できるので、お金に関するお悩みを抱えている方はぜひ一度ご相談してみてください。
契約者の年齢などが影響するため「安い学資保険」は存在しない!
「保険料が安い学資保険はないの?」と探してみても、保険料の安さをアピールする学資保険はなかなか見つからないのではないでしょうか。
その理由は、毎月の掛け金(保険料)よりも重要なポイントがあるため。保険料が安いという点だけを重視して学資保険を選ぶのは、実は危険な行為なのです。
そもそも学資保険の保険料は、さまざまな条件によって異なります。
- 満期時にいくら受け取るか
- どれくらいの期間かけて積み立てるか
- 契約者の年齢や性別
- 受け取るタイミング
などなど。
学資保険はそれぞれの家庭ごとにカスタマイズするべき保険であり、「この商品が安い」と言えるものではありません。
ただし、後ほどお伝えする「4つの方法」を取ることで、どの学資保険を選んだ場合でも「毎月の保険料を安くすること」は可能です。
安い学資保険を叶える!月額保険料を抑える4つの方法
学資保険の月額保険料負担を軽くするためには、次の4つの方法があります。
- 満期で受け取る保険金の額を少なくする
- 保険料の払込期間を長くする
- 保障を削る
- 学資保険の契約者を女性にする
どんな学資保険を選んでも、上記の方法なら月々の保険料を下げることができます。それぞれ詳細は、以下の通りです。
① 満期で受け取る保険金の額を少なくする
最も確実なのは、学資保険の受取総額を減らすことです。
参考例として、ソニー生命の学資保険シミュレーションを使い、受取総額を200万円と100万円で試してみました。
【受取総額200万円の場合】
【受取総額100万円の場合】
受け取れる満期金が半分になることで、月払の保険料もちょうど半分になっています。
注意点は、受け取り額が少なくなるため、学資保険以外の教育資金を別途用意する必要があるということです。この点については、後ほど詳しく解説いたします。
② 保険料の払込期間を長くする
学資保険の払込期間が長くなるということは、それだけ支払い回数が増えるわけですから、毎月の保険料は下がり安くなります。
各社の学資保険は払込期間をいくつかのパターンから選択できる場合が多いため、毎月の掛け金を安く抑えたい場合は払込期間の長いタイプを選択すると良いでしょう。
参考例として、再びソニー生命の学資保険のシミュレーションで確認してみます。ソニー生命の学資保険の場合、払込期間は「10歳まで」と「18歳まで」の2パターンです。
【10歳まで払い込む場合】
【18歳まで払い込む場合】
10歳で払い込みを完了する場合と18歳まで払い込みを続ける場合とでは、月々の保険料が6千円以上異なることが分かります。
注意点は、今回のケースの様に払込完了時期を後ろ倒しにする形で期間を延ばすと、返戻率(へんれいりつ)が下がってしまうという点です。
③ 保障を削る
ほとんどの学資保険には、契約者に万が一のことがあった場合にそれ以降の保険料の払い込みが不要になる「払込免除」の保障が付帯しています。(一部付帯していない学資保険もあります)
そして、以下のような保障を加えることも可能です。
- 子どもの怪我や病気に備えるための「医療特約」
- 契約者に万が一のことがあった際に、払込免除に加えて「育英年金」がもらえる特約
特約を加えれば加えるほど、いわゆる「保障型」と呼ばれる手厚い保障のある学資保険となりますが、その分、月々の掛け金は高くなるのが一般的。
毎月の保険料負担を減らして安い学資保険を叶えたい場合は、必要な保障を吟味して、最低限に抑えておきましょう。
④学資保険の契約者を女性にする
生命保険の掛け金は、女性よりも男性のほうが高くなっています。その理由は保険料が平均寿命に基づいて計算されているからです。
学資保険は死亡保障のついた保険であり、生命保険と同等の扱いになります。そのため、学資保険の掛け金は女性が契約者のほうが安いのです。
また、女性を契約者にすれば支払保険料の総額が抑えられるため、返戻率があがるというメリットがあります。
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無理のないプランニングには保険代理店の無料相談が便利
毎月の保険料を安くしたいと検討している方は、ぜひ保険のプロに相談することをおすすめします。
保険代理店は複数の保険会社の商品を扱っており、中立的な立場で条件にあった学資保険を紹介してもらえるというメリットがあるからです。
なかでも、「ほけんのぜんぶ」と「ほけんガーデン プレミア」は学資保険の専門相談サイトを用意しているため、相談もしやすいのではないでしょうか。
相談は何度でも無料ですし、無理な勧誘はありません。ぜひ、学資保険を含めた選択肢の中から最適なプランを提案してもらってください。
複数の保険資料を集めて比較検討する
保険代理店に相談する前に、自分でも資料を集めて比較検討したい場合は、気になる学資保険の資料を一度に集められるサービスがおすすめ。
複数の学資保険の資料を取り寄せたら、「毎月の保険料」「受け取り金額」「返戻率」などを比較してみましょう。
保険のプロに相談する前に予備知識を持っておけば、不明な点や気になることをその場で解決できますよ。
安い掛け金の学資保険はお得になる?毎月の保険料を安くすることのデメリットとは
学資保険は、毎月の保険料を安くすることのデメリットもあります。最終的に、メリットとデメリットを十分に検討して加入する学資保険のプランを決定してください。
具体的なデメリットは、以下のような内容です。
- 受け取れる満期金が少ないと学費を別途用意する必要がある
- 払込期間が長くなると返戻率が下がる場合がある
- 保障を削りすぎると万が一の場合に備えられなくなる
受け取れる満期金が少ないと学費を別途用意する必要がある
前述した通り、学資保険は受け取れる満期金の総額を減らせば、毎月の保険料は下げられます。
しかし、必要以上に満期金を減らしてしまうと、お子様の進学に必要な教育資金を貯められない可能性があります。
参考までに、2パターンのシミュレーション結果を見てみましょう。
受け取り額の合計が100万円の場合
18歳で払い込みが完了し、18歳から22歳の5年間に渡って20万円ずつ受け取るという設定でソニー生命の学資保険シミュレーションを行ったところ、毎月の保険料は4,510円という結果になりました。
【ソニー生命の学資保険 「Ⅲ型」のシミュレーション結果】
毎月4,510円という掛け金であればそこまで大きな負担にはならないかもしれませんが、毎年20万円ずつの受け取りのため、学費をまかなうためには別途資金が必要になるでしょう。
合計200万円を受け取る場合(40万円×5年)の毎月の掛け金は9,020円、合計300万円を受け取る場合(60万円×5年)の毎月の掛け金は13,530円です。
※いずれもソニー生命の学資保険「Ⅲ型」を同条件でシミュレーションした場合
毎月の保険料を安くするという視点だけでなく、「学資保険で学費の何割を補うか」という視点を持ち、お子様の大学進学時に慌てないよう備えましょう。
受け取るタイミングも重要
同じソニー生命の学資保険でも、18歳の満期時に一括で満期金を受け取るⅡ型の場合、毎月の保険料はⅢ型よりもやや高くなります。
【ソニー生命の学資保険 「Ⅱ型」のシミュレーション結果】
100万円を5年間に分けて20万円ずつ受け取るⅢ型の保険料は毎月4,510円で、100万円を18歳時に一括で受け取るⅡ型の保険料は毎月4,590円。その差はわずかですが、Ⅲ型の方が保険会社に預け入れている期間が長いため返戻率が上がり、その分保険料が安くなっています。
トータルの受け取り額を変えずに少しでも毎月の保険料を安くするためには、受け取り完了までの期間が長い学資保険プランを検討してみてください。
払込期間が長くなると返戻率が下がる場合がある
払込期間を長くして支払い回数を増やせば、それだけ毎月の保険料は安くなります。
しかし、この方法には注意が必要です。
その理由は、払込完了時期を後ろ倒しにする形で払込期間を長くしてしまうと、払込完了から満期までの期間が短くなってしまうため。その分、保険会社の運用期間が短くなり、返戻率が下がってしまうのです。
実際、前述した事例では、10歳で払い込みが完了する場合の返戻率が105.5%であるのに対し、18歳で払い込みが完了する場合の返戻率は102.6%でした。
安い学資保険、という観点だけではなく返戻率もしっかりと確認しましょう。
払込期間が長くなることで返戻率が上がるケースも
逆に、払込期間が長くなることで学資保険の返戻率が上がるケースもあります。それは、申し込みのタイミングを早めることで払込期間が長くなった場合です。
例えば、3歳から18歳まで15年間かけて保険料を支払う場合と0歳から18歳まで18年間かけて保険料を支払う場合とでは、後者の方が保険会社の運用期間が長くなるため返戻率はむしろ上がります。
こちらのシミュレーション事例については、以下の記事でもご紹介していますので、併せてご確認ください。
保障を削りすぎると万が一の場合に備えられなくなる
基本的に、保障を削れば削るほど学資保険の保険料は安いです。
ですが、契約者に万が一のことがあった場合にそれ以降の保険料を免除する「払込免除」の保障まで削ってしまうと、最悪の場合子どもの教育資金を用意することができなくなってしまいます。
学資保険の中には「払込免除」の保障もなくすことで返戻率をアップさせている商品もありますが、子どもの将来の備えとして、親に万が一の場合にも対応できる体制は整えておきたいものです。
「払込免除」保障だけでなく、その他の特約保障に関しても、ライフプランによっては加入しておいた方が安心できるという場合も多くあります。
安い保険料というだけでなく、「安心」とのバランスという観点も踏まえたうえで、ベストなプランを作成してください。
資金に余裕があるなら月々の保険料以外のポイントを意識する
資金にある程度の余裕がある方は、毎月の保険料の金額よりも「学資保険の受取金額をいくらにしたいのか」という点を優先しましょう。
子ども一人の教育資金の相場
学資保険の受取金額を決めるにあたり、参考になるのが「子ども一人あたりの教育資金相場」です。
公的機関が行った平成30年度に調査によると、子ども一人あたりの学費相場は以下の通りでした。
幼稚園から大学まで、全部公立を選択 | 698万円〜 |
幼稚園から高校まで公立、大学は私立を選択 | 993万円〜 |
幼稚園から大学まで、全部私立を選択 | 2,380万円〜 |
資料引用:文部科学省「平成30年度子どもの学習費調査」
資料引用:独立行政法人日本学生支援機構 平成30年度学生生活調査」大学昼間部
幼稚園から高校までは公立に進み、大学は私立大学に進学する場合、子ども一人につき約1,000万円の学費が必要であるという結果が出ています。
また、特にお金が必要となる大学に限って調査したデータもあります。
【大学生(昼間部)の平均学費総額】
区分 | 授業料、その他学校納付金 | 修学費、課外活動費、通学費 | 合計 |
国立大学 | 497,900円/年 | 139,800円/年 | 637,700円/年 (4年で2,550,800円) |
公立大学 | 538,000円/年 | 128,700円/年 | 666,700円/年 (4年で2,666,800円) |
私立大学 | 1,223,800円/年 | 150,100円/年 | 1,373,900円/年 (4年で5,495,600円) |
大学1年間の学費は、約60万〜130万円ほど。このうち、いくらを学資保険でまかなうかという点を、あらかじめ検討しておく必要があるでしょう。
学資保険に早く加入して保険会社の運用期間を長くするほど返戻率は上がる
学資保険を決める上で大切なのは、払った金額に対する受け取り額の割合を表す「返戻率」です。
そして、返戻率を上げるためにはできるだけ保険会社の運用期間が長くなる払込方法を意識する必要があります。
具体的に意識したいのは、以下の2点です。
- 払込完了を早くする
- できるだけ早く申し込む
例えば、日本生命の学資保険は「5年・10年・学資金受け取り開始時期まで(17歳または18歳)」の3つの払込期間を選べるのですが、いずれも0歳から支払いを開始した場合を比較すると、下記のような結果となります。
【契約例:契約者30歳男性、子ども0歳、受取総額300万円】
払込期間 | 月払い保険料 | 払込保険料総額 | 返戻率 |
5年間 | 46,060円 | 2,763,600円 | 108.5% |
10年間 | 23,320円 | 2,798,400円 | 107.2% |
18年間 | 13,350円 | 2,883,600円 | 104.0% |
5歳で払い込みを完了させた場合と18歳で払い込みを完了させた場合で、受け取り総額に10万円以上の差があることが分かりますね。
もちろん、その分月々の保険料は高くなりますが、返戻率という観点からは非常にお得になるというわけです。
また、払込完了時期が同じ場合は、できるだけ早期に申し込み、払込期間を長くした方が返戻率は高くなります。
払込完了時期が18歳と仮定すると、0歳から払い込みを開始する場合と3歳から払い込みを開始する場合では、0歳から払い込みを開始した方が保険会社の運用期間が長くなるため返戻率も高くなるのです。
資金に余裕がある方は、「できるだけ早く申し込む」「できるだけ早く払い込みを完了させる」という2点を意識して、少しでもお得に学資保険を利用することをおすすめします。
学資保険の安い掛け金プランを探す前に保険代理店に相談しよう
学資保険の保険料は、選択したプランや契約者の条件、希望する満期金額などで大きく異なります。
そのため、学資保険を選ぶ際は毎月の保険料の安さではなく、「希望する金額が受け取れる学資保険」であるかどうかを優先して考えることをおすすめします。
その上で、毎月の保険料を下げるための工夫を行い、無理のない契約内容にしていきましょう。
早めの加入を検討している方は、次の記事も参考にしてください。
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清水凌|ファイナンシャルプランナー 保有資格:FP技能士2級/証券外務員I種/web解析士 学習院大学法学部法学科卒。 インターネット企業で大手出版社や大学メディアのコンサルティング業務全般に従事。 プライベートでは財テクメディアを運営し、投資・ポイ活関連の情報を発信している。