不妊治療は精神的にも経済的にもかなりの負担がかかります。体外受精は最後のステップとして踏ん切りをつける気持ちで挑みましたが、何度か失敗するうちに引っ込みがつかない自分もいました。本当につらい数年間でしたが、無事に2人出産。そのときの体験談をお伝えします。
体外受精で一区切りつけようと思った理由
不妊治療で自然妊娠は難しそうだとわかってから、体外受精をしてみてダメだったらもう諦められるかもしれない、という思いもありました。
タイミング指導や体外受精をするためには、夫婦でよく話し合い、どちらかがつらい思いをするのではなく、一緒に乗り越えていかなければなりません。それでも、私はなかなかそれができなくて、夫に上手く話すこともできず、生理がくるたびに落ち込んで、つらいのは私ばかりだと思ってしまっていました。
体外受精の負担は本当に大きい
つらい思いをしながらも、とにかく病院に通いました。お金や精神的にも負担が大きいので、余計にそれがストレスになり、妊娠できないのではないかと不安になる悪循環が続きました。
採卵後に受精卵をいくつかつくるのですが、あまりいい結果ではなく、卵は3つしか受精しませんでした。そして1回目の体外受精では、なんとか妊娠反応が出たものの、心拍確認の前に初期流産……。そこからまた検査を重ねて、不育症の診断も出てしまいました。
不育症の診断と体外受精の成功
体外受精の2回目は、妊娠反応が出てからすぐに不育症の薬を飲み始めました。出血が続き、怖い思いもした妊娠生活はとても不安ばかりでしたが、元気な赤ちゃんが生まれてきてくれました。
そして、凍結した最後の受精卵を2年後に移植、こちらも切迫流産などいろいろと大変なこともありましたが、無事に女の子を産むことができました。体外受精をしなければ、愛しいわが子と出会えなかったのですが、本当につらい数年間でした。
不妊に悩む方は多く、体外受精がうまくいかない場合もあります。不妊治療はゴールが見えず、つらい思いもします。ただ私が言えることは、今子どもと生活できていることに感謝し、つらかった日々も乗り越えてきてよかったということです。(TEXT:山田孝子)
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。