【医師監修】出生届の書き方、提出の方法と注意点について
赤ちゃんが誕生して、おこなわなければならない大切なことの1つに出生届の提出があります。出生届は赤ちゃんを産んだ日を1日と起算して14日以内に市区町村役場へ提出する必要があります。今回は、出生届の書き方や記入する項目、出生届の提出方法などについて解説します。
【目次】
出生届の用紙
出生届の用紙は、出生届と出生証明書が一体になっており、用紙の右側は、出生証明書、左側は出生届となっています。
赤ちゃんが出生した日時や性別、出生場所などの記録と、分娩を取り扱った医師や助産師などの署名や押印をした物を出産した産院が発行してくれます。
出生届の内容と記載方法
出生届に記入する文字は、楷書で大きくわかりやすい字でていねいに書くことを心掛けましょう。特にカタカナの「ク」や「ワ」、「シ」と「ツ」、「ソ」と「ン」は読み間違える可能性が高いので注意して書くようにしましょう。
出生届の内容と記載方法は以下を参考にしてみてください。
●届出日
出生届を届出する日付を記載します。
●届出先
父か母の本籍地、子どもの出生地、もしくは届出人の住所地か、里帰り先の住所の市区町村長の氏名を記載します。
●子の氏名
出生届の提出期限は出生日より14日以内ですが、14日以内に名前が決まらなかった場合は、名前欄を保留若しくは空欄のまま、出生届の提出することが可能になっています。名前欄を空欄で提出した場合、名前が決まり次第、速やかに「追完届」という書類を提出して手続きをおこなう必要があります。
●父母との続き柄
嫡出子(法律上の婚姻関係がある相手との間に生まれた子)、非嫡出子のどちらか。性別。
※嫡出子と非嫡出子の区別
嫡出子とは法律上の婚姻関係がある相手との間に生まれた子のこと。非嫡出子は法律上の婚姻関係がない相手との間に生まれた子のこと。パートナーとの間で生まれた子や内縁関係、父親が誰かわからない場合は「嫡出でない子=非嫡出子」にチェックします。父親が誰かわからない場合などでも、父親を法律上の婚姻関係がある夫にしておきたい場合は、「嫡出子」にチェックします。
●生まれたとき
赤ちゃんの生年月日、時間を記入。 夜の12時は午前0時、昼の12時は午後0時と記入します。
●生まれたところ
赤ちゃんが生まれた産院などの住所を記入します。
●住所
通常は赤ちゃんの両親が住民登録している現住所になります。
●世帯主の氏名
世帯主が父である場合は、父の氏名を記載してください。 祖父母が世帯主である場合などは父母ではなく、当該世帯主の氏名を記載してください。
●世帯主の続き柄
世帯主が父、赤ちゃんが第1子男児なら、長男。世帯主が祖父の場合は孫など。
●父母の氏名、生年月日
父母の氏名と生年月日、赤ちゃんが生まれた時点での父母の満年齢も記入します。非嫡出子の場合は母の氏名のみを記載します(戸籍法18条2項)。この場合、戸籍の父欄は空欄。父が認知している場合は父の氏名が記載できます。父の氏名だけで提出・受理はされません。婚姻外の出生届は、母にしかできません。
●本籍、筆頭者
父母の本籍地と戸籍筆頭者の氏名を記入します。
※戸籍筆頭者とは、戸籍の最初に記載されている人を指します。
●同居を始めたとき
結婚式をあげたとき、または同居を始めたときのどちらか早いほうを記入します。
●子が生まれたときの世帯のおもな仕事と、父母の職業
国勢調査の年の4月1日から翌年の3月31日までの間に生まれたときだけ記入します。
●その他
赤ちゃんの父や母が戸籍の筆頭者になっていないときは、新しい戸籍が作られますので、この欄に日本国内の希望する本籍地を記します。また日本国籍と外国国籍を持つ方は、「日本の国籍を保留する」と書き、届出人が署名と押印をします。
●届出人
届出人の住所や本籍、そして氏名と生年月日を書き、押印します。
●連絡先
届出人の連絡先を記入します。
出生届の提出方法(期間・届出人・届け出先・持ち物・受付時間・出生届受理証明書など)
戸籍法第49条によると、出生届は赤ちゃんを産んだ日を1日と起算して14日以内に住んでいる場所かもしくは出生した産院近くの市区町村役場へ提出して受理される必要があります。
夜間・休日受付の窓口では、出産日を含めた14日目がたまたま市区町村役場の休日であったり閉庁日の場合には、その翌日まで提出が可能となる場合もあります。よく確認して、提出期限を守るように予め準備しておきましょう。
主な持ち物は下記をご覧ください。
・出生届1通
・母子健康手帳
・届出人の印鑑 (シャチハタ・スタンプは不可)
・国民健康保険被保険者証
・身分証 ※児童(こども)手当
・乳幼児医療助成制度
・出産一時金の申請のため必要となります。
・養育者の外国人登録証(子どもの養育者が外国籍の場合のみ)
また、正当な理由がなく提出期限の14日以内に出生届をしなかった場合、戸籍法第135条によって5万円以下の罰金を受けることがありますので注意してください。事故や天災など、届出人の責任によらない理由で期日が過ぎてしまった場合には、警察や病院などで「届出遅延理由書」を発行してもらいましょう。書類の提出ができるようになってから14日以内までに、出生届と合わせて提出すれば問題ないようですので安心してください。
出生届で役所の夜間・休日の受付窓口を利用すれば、土日でも受付してもらうことができ、24時間365日受付が可能です。この場合、市区町村役場にもよりますが夜間通用口にいる警備員に預け、役所が受付開始してから、担当の職員が記載内容を確認し、順次受付処理をおこなう形になります。
もしも記載内容に不備があって受理できなかった場合には、後日、受付時間帯に役所に行く必要が出てきます。夜間・休日の届け出は可能ですが、あくまで出生届を預けたという感覚になります。受理されるまでには時間がかかるという点については注意が必要です。
出生届の提出先として、基本的には下記役所の戸籍課に提出します。
・父母の現住所がある役所
・出生した産院の市区町村の役所
・父母の本籍地の役所
・里帰り先の役所
里帰り出産の場合には、滞在している地域の役所にて提出できます。また父母の現住所や本籍地の役所では、出生届は1通で済みますが、もしそれ以外の役所へ提出する場合には、2通用意しなければならない場合があります。事前に市区町村役場で確認をするようにしてください。
出生届の提出、手続きが可能な方は以下のようになっています。
・嫡出子で生まれた場合は父または母
・嫡出子で両親が離婚をしている場合、認知の有無は関係なくその母
・非嫡出子で法律上の婚姻関係がない男女間の子の場合は母
・同居人 ・出産に立ち会った医師や助産師またはそのほかの者
・上記以外の法定代理人
法定代理人による手続きも可能になってきますが、届出人はその父、もしくは母としなければならないようですので、注意してください。出生届の届出人と呼ばれる人は、必要事項を記入して届出人署名欄に署名と押印をした人のことを言います。役所に書類を提出する人とは異なってきます。
こんなときはどうする?(海外で出産した場合、両親が外国人の場合など)
戸籍法第49条によって、海外で出産した場合においては出生の日から数えて3カ月以内に、出生届を提出しなければなりません。外国で生まれたとしても日本人夫婦の子は、日本の戸籍に記載をする必要があるため、出生届を出す必要があります。
届出先は、その国の日本の大使館や公使館、領事館もしくは夫婦の本籍地に住んでいる市区町村役場になります。
また日本に住んでいる外国人夫婦が、日本国内で出産したときは、出生届提出、子の在留資格取得、外国人登録、本国政府に申請の4つの手続きが必要になります。
まとめ
出生届は、新しくこの世に誕生した赤ちゃんを戸籍に入れるための大切な手続きです。生まれる前から事前に勉強をして、しっかりと手続きをしてあげたいですね。
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