【医師監修】子宮頸がんの症状
子宮がんには、子宮の入口付近にできる「子宮頸がん」と子宮内膜にできる「子宮体がん」がありますが、妊娠できる年齢の女性が特に気をつけたいのは子宮頸がんです。自覚症状が少ないため、検診で早期に発見する必要があります。
症状・危険因子チェック
初期には自覚症状はほとんどありませんが、次のことに心当たりがあれば早めに受診しましょう。
- セックスの後に出血することがある
- 血液の混ざったおりものや茶色いおりものが出る
- 生理日以外にも出血がある
- 性体験がかなり若い時期からある
- 性的パートナーがたくさんいる(交際中の男性にも)
- 分娩回数が多い
- 陰部を清潔にしないでセックスをすることが多い
セックスによって感染しやすい病気
子宮頸がんの原因は、ほとんどがセックスによって感染するウイルス(ヒトパピローマウイルス)によるものです。かなり若いころから性的経験があり、多数の男性との性体験がある人は特に注意が必要ですが、1回のセックスでも感染します。発症は20代から増え始め、40〜50代に最も多くなります。
これまでは30歳以上の女性を対象に自治体や企業が集団検診、定期健診をおこなっていましたが、最近は20〜30代に子宮頸がんが増えているため、厚生労働省では子宮頸がん検診の対象年齢を20歳以上とし、2年に1度の検診となりました。自治体や職場の検診を利用すれば比較的安価に受けられますので忘れずに受けましょう。また、複数の男性との性体験がある人は年齢を問わず年に一度は自費でも検診を受けましょう。
妊娠前の検査・治療が大切
子宮頸がんの初期であれば、子宮や卵巣を残して手術することができます。そのため、妊娠前に治療をすれば傷口が治った半年後には妊娠しても大丈夫です。
妊娠後は、妊娠初期に子宮頸がん検査を受けるケースが多く、その際に発見されることも多いです。その場合、初期のがん(0期)であれば病巣部をレーザーで焼いたり、子宮頸部を円錐状に切除する手術をおこなった後、子宮口を縛ることで妊娠を継続できます。
しかし、進行性のがんの場合には基本的には今回の妊娠は諦め、治療を終えてからの妊娠を目指すようになります。また、妊娠の後半期に発見された場合には、出産を終えてから子宮を摘出する手術をおこなうようにします。