年利とは違う?学資保険の返戻率とは
返戻率は学資保険選びの重要な指標の一つですが、銀行預金の年利とは別です。
多くの方が学資保険の返戻率を見て「思ったより低い」と感じるのは、銀行預金の年利と混同しているケースが多いためです。返戻率105%と聞くと、年5%の利回りと勘違いしがちですが、実際は保険期間全体での収益率を示しているため、年利換算すると大きく異なります。
保険料の支払総額に対して受け取れる額の割合
学資保険の返戻率とは、支払った保険料の総額に対して、満期時や祝い金として受け取れる金額の割合を示したものです。例えば、総額200万円の保険料を支払い、満期時に210万円を受け取れる場合、返戻率は105%となります。
年利換算との違いは、返戻率が保険期間全体での収益率を示すのに対し、年利は1年あたりの利率を表す点にあります。18年間で返戻率105%の学資保険の場合、単純計算で年利約0.27%相当となり、銀行預金の年利とは計算方法が異なります。
しかし、この数字だけを見て学資保険の価値を判断するのは早計です。学資保険には、保険料払込免除特約という大きなメリットがあります。契約者に万が一のことがあった場合でも、その後の保険料支払いが免除され、満期保険金は予定通り受け取れるという保障機能が大きな魅力です。
また、学資保険は「強制的な積立」という側面も持っています。銀行預金と違い、簡単に引き出せないため、確実に教育資金を準備できます。満期まで継続することで、計画的な資金準備が可能となります。
学資保険の返戻率の計算方法
返戻率の計算は以下の公式で行います。
返戻率(%)=(受取総額÷支払保険料総額)×100
具体例で見てみましょう。
- 月々の保険料:1万円
- 支払期間:18年間
- 支払保険料総額:1万円×12か月×18年=216万円
- 受取総額:220万円
この場合の返戻率は、(220万円÷216万円)×100=101.85%となります。
より複雑な例も見てみましょう。祝い金が複数回ある場合:
- 月々の保険料:1万5千円
- 支払期間:15年間
- 支払保険料総額:1万5千円×12か月×15年=270万円
- 中学入学時祝い金:30万円
- 高校入学時祝い金:50万円
- 大学入学時満期保険金:200万円
- 受取総額:280万円
この場合の返戻率は、(280万円÷270万円)×100=103.70%となります。
計算する際の注意点として、保険会社によっては配当金が加算される場合があります。配当金は保険会社の運用実績により変動するため、確定的な数値ではありませんが、過去の実績を参考に検討することも重要です。
返戻率が低いと元本割れする
学資保険において、返戻率が100%を下回ると「元本割れ」の状態となります。元本割れになると、支払った保険料の総額よりも受け取れる金額が少なくなります。
返戻率が100%を超えていれば、支払総額より多く受け取れるため、教育資金の積み立てとしておすすめです。一方、100%以下の場合は、保障機能を重視した商品である可能性が高く、貯蓄性よりも万が一の備えとしての価値が高いといえるでしょう。
元本割れの要因としては、保険に付帯する医療保障や育英年金などの保障部分に保険料が充てられることが挙げられます。例えば、子どもの入院・手術に備える医療特約を付加すると、その分の保険料が保障に回るため、返戻率は下がります。
返戻率がマイナスになることは、純粋な貯蓄商品としては不利ですが、保障機能を含めた総合的な価値で判断することが大切です。特に以下のような家庭では、返戻率が多少低くても保障重視の学資保険を選ぶ価値があります
- 家計の主な担い手が一人の家庭
- 他に十分な生命保険に加入していない家庭
- 子どもの医療保障を重視したい家庭
- 貯蓄よりも万が一の保障を優先したい家庭
返戻率が100%を下回る商品でも、税制上のメリットを考慮すると実質的な負担は軽減されることもあります。生命保険料控除により所得税・住民税が軽減されるため、総合的に判断することが重要です。
学資保険の返戻率はどのくらい?
学資保険の返戻率について具体的な数値を用いて解説します。平均割合や加入条件ごとの返戻率を知りたい方は、以下を参考にしてください。
平均的な返戻率と推移
現在の学資保険の平均的な返戻率は、102%~105%となっています。返戻率が110%を超える商品は「高い」と評価でき、120%以上となると非常に優れた返戻率といえるでしょう。ただし、現在の市場環境では120%を超える商品はほぼ存在しません。
過去からの推移を見ると、学資保険の返戻率は大きく変動してきました。30年前のバブル期には、返戻率が130%を超える商品も珍しくありませんでした。当時は予定利率が5%~6%という高水準で設定されており、保険会社も高い運用収益を見込めたため、契約者への還元率も高くなっていました。
20年前でも115%~120%の商品が主流でした。2000年代前半は、バブル崩壊の影響を受けつつも、まだ一定の運用環境が保たれていた時期です。しかし、この頃から徐々に予定利率の引き下げが始まり、返戻率も低下傾向に転じました。
10年前から現在にかけては、さらなる低下が続いています。2010年代に入ると、日本銀行の金融緩和政策が強化され、特に2016年のマイナス金利政策導入以降は、保険会社の運用環境が一層厳しくなりました。これにより、多くの保険会社が学資保険の販売を停止したり、返戻率を大幅に引き下げたりする事態となりました。
30年間の変動の背景には、日本の金利政策があります。バブル崩壊後の低金利政策やマイナス金利政策の導入により、保険会社の運用環境が厳しくなったことが、返戻率低下の主な要因といえるでしょう。昔と比べると返戻率は低くなりましたが、現在でも銀行預金よりは有利な貯蓄手段として活用されています。
現在の低金利環境下では、保険会社も運用に苦慮しており、返戻率を維持するために様々な工夫を行っています。例えば、外貨建て学資保険の開発や、運用期間を長期化することで少しでも高い返戻率を実現しようとする動きが見られます。
返戻率は加入条件などでも変わる
学資保険の返戻率は、商品ごとに一律ではなく、加入時の条件によって大きく変わります。同じ保険商品でも、契約条件次第で返戻率に5%以上の差が生じることも珍しくありません。主な変動要因を詳しく見ていきましょう。
契約者の年齢と性別:若い契約者の方が保険料払込期間中に亡くなるリスクが低いと判断されるため、契約者が若いほど返戻率は高くなります。例えば、25歳で契約した場合と40歳で契約した場合では、返戻率に2~3%の差が出ることもあります。また、女性の方が男性よりも女性の方が平均寿命が長いため、返戻率が高くなる傾向があります。
子どもの年齢:加入時の子どもの年齢が低いほど、保険料払込期間が長くなるため、返戻率が上がります。0歳で加入する場合と5歳で加入する場合では、保険会社の運用期間に5年の差が生じるため、返戻率にも影響します。出産予定日の140日前から加入できる商品もあり、より早期の加入で高い返戻率を実現できます。
保険料の払込方法:月払いよりも年払い、年払いよりも一括払いの方が返戻率は高くなります。月払いと一括払いでは、返戻率に5%以上の差が生じることもあります。理由としては、保険会社が受け取った保険料を長期間運用できることと、事務コストの削減効果によるものです。
保障内容:医療保障や育英年金などの特約を付けると、返戻率は下がります。純粋な積立型と保障充実型では、返戻率に10%以上の差が出ることもあります。保障を重視するか、貯蓄性を重視するかは、各家庭の状況により判断が必要です。
満期の設定:18歳満期よりも22歳満期の方が、運用期間が長くなるため返戻率が上がります。ただし、大学入学時に必要な資金を考慮して、適切な満期設定を選ぶことが重要です。
保険料払込期間:同じ満期でも、保険料払込期間を短くすることで返戻率が上がります。18歳満期で18年払いよりも、10年払いのほうが返戻率が高くなります。
途中解約した場合は、解約返戻金が支払保険料を大きく下回ります。特に契約から数年以内に解約すると、解約返戻金が支払保険料の50%~70%程度になることもあります。返戻率が上がったと期待していても、途中解約すると大きな損失となるため、無理のない保険料に設定しましょう。
学資保険の返戻率を高くする4つの方法
学資保険の返戻率を高くする4つの方法を紹介します。なるべくお得に保険を活用したい方は以下をチェックしてください。
保障のないシンプルなプランを選ぶ
返戻率を最大化したい場合は、貯蓄機能に特化したシンプルなプランを選ぶことが基本です。医療保障や育英年金などの特約を付けると、その分の保険料が保障に充てられるため、返戻率は低下します。
例えば、基本プランの返戻率が105%の商品に医療特約を付与すると、月々の保険料のうち一定額が医療保障の保険料として消費されるため、返戻率が98%~100%程度まで低下します。
純粋に教育資金の積み立てを目的とする場合は、保障機能を別の保険でカバーし、学資保険は貯蓄に特化させることで、より高い返戻率を実現できます。例えば、親の生命保険は定期保険や収入保障保険で準備し、子どもの医療保障は共済や医療保険で別途加入するということです。
この方法のメリットは、それぞれの保障を必要に応じて見直しできる点です。学資保険に特約として付与した保障は、学資保険を解約しない限り変更が難しいですが、別々に加入していれば、ライフステージの変化に応じて柔軟に対応できます。
早く加入して満期までの期間を伸ばす
子どもが生まれてすぐ、あるいは出産前から加入することで、保険会社の運用期間が長くなり、返戻率が向上します。加入のタイミングは早ければ早いほど有利で、0歳で加入した場合と3歳で加入した場合では、返戻率に数%の差が生じます。
最近では、出産予定日の140日前から加入できる商品も増えています。万が一出産時にトラブルがあっても、すでに学資保険に加入していれば教育資金の準備ができているため、安心感があります。また、出産前に加入することで、出産後の忙しい時期に保険の手続きをする必要がなくなります。
満期までの期間を長く設定することも効果的です。18歳満期よりも22歳満期の方が運用期間が長くなるため、返戻率が高くなります。ただし、大学入学時の資金需要を考慮する必要があるため、以下のような工夫も検討できます:
- 満期を22歳に設定し、18歳時に一部を祝い金として受け取る
- 18歳満期として、満期保険金を据え置いて運用を継続する
- 複数の学資保険に分けて加入し、受取時期を分散させる
保険料はまとめて早く払込む
保険料の払込方法を工夫することで、返戻率を大幅に向上させられます。月払いよりも年払い、年払いよりも一括払いや全期前納の方が返戻率は高くなります。
具体的な返戻率の違いを見てみましょう:
- 月払い:返戻率103.5%
- 年払い:返戻率104.8%
- 10年短期払い:返戻率106.2%
- 一括払い:返戻率108.5%
契約時に一括払いする場合、保険会社は受け取った保険料を長期間運用できるため、契約者に還元する形で返戻率が上がります。また、保険会社にとっても事務コストが削減でき、返戻率に反映されます。
ただし、一括払いには以下の注意点があります:
- 大きな資金が必要となるため、家計への影響を慎重に検討する
- 生命保険料控除は支払った年のみ適用されるため、税制メリットが限定的
- 払込免除特約の恩恵を受ける期間が短くなる
これらの点を考慮して、各家庭の資金計画に合った払込方法を選択しましょう。
契約者を妻名義にする
多くの学資保険では、契約者の性別によって保険料が異なり、一般的に女性の方が男性よりも保険料が安く設定されています。これは、統計的に女性の方が平均寿命が長く、保険金支払いリスクが低いためです。
30歳の夫婦で子供が0歳の場合、返戻率は以下のようになります。
- 夫が契約者:返戻率104.5%
- 妻が契約者:返戻率105.8%
このように、1%以上の差が生じることもあります。18年間の累計で考えると、数万円の差額となることもあるため、検討する価値は十分にあります。
夫婦で検討する場合、妻を契約者にすることで、同じ保障内容でも返戻率を高くできます。ただし、保険料払込免除特約を重視する場合は、主な収入者を契約者にすることも検討すべきでしょう。
契約者選びの判断基準:
- 返戻率重視の場合:妻を契約者に
- 保障重視の場合:主な収入者を契約者に
- 夫婦共働きの場合:返戻率の高い方を契約者に
また、契約者を決める際は、以下の点も考慮しましょう:
- 健康状態(持病がある場合は加入できないことも)
- 年齢(若い方が返戻率が高い)
- 今後の収入見込み(安定した収入が見込める方)
返戻率だけじゃない!学資保険選びの重要なポイント
学資保険を選ぶ際、返戻率は重要な指標ですが、それだけで判断するのは適切ではありません。教育資金の準備という本来の目的を達成するためには、以下のポイントも含めて総合的に検討することが大切です。
保険料払込免除特約:契約者に万が一のことがあった場合、以後の保険料の支払いが免除され、満期保険金は予定通り受け取れる特約です。親の万が一に備えながら確実に教育資金を準備できます。
保険料払込免除の適用条件は保険会社により異なりますが、一般的には以下の場合に適用されます。
- 死亡した場合
- 高度障害状態になった場合
- 三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)に罹患した場合(特約による)
- 所定の要介護状態になった場合(特約による)
保険料払込免除特約があれば、家計の主な担い手に万が一のことがあっても、子どもの教育資金は確保されます。
受取時期の柔軟性:大学入学時だけでなく、中学・高校入学時にも祝い金が受け取れるプランや、大学在学中に分割して受け取れるプランなど、家庭の教育計画に合わせて選べます。
受取パターンは以下の4つです。
- 大学入学時一括型:18歳時に全額受取
- 大学入学・在学型:18歳時に一部、以降毎年分割受取
- 進学祝い金型:12歳、15歳、18歳時に分割受取
- 据置型:満期後も据え置いて必要時に受取
特に私立学校への進学を検討している場合は、中学・高校入学時にもまとまった資金が必要となるため、段階的に受け取れるプランが適しています。
保険会社の信頼性:長期間にわたる契約となるため、保険会社の財務健全性や格付けをチェックすることも大切です。主な確認ポイントは以下の4つです。
- ソルベンシー・マージン比率(200%以上が健全性の目安)
- 格付け機関による評価(A以上が望ましい)
- 保険会社の規模と歴史
- 契約者保護機構への加入状況
付帯サービス:育児相談サービスや医療相談サービスなど、子育て世帯に役立つ付帯サービスの充実度も検討材料となります。
主な付帯サービスは以下の5つです。
- 24時間電話健康相談
- セカンドオピニオンサービス
- 育児相談ホットライン
- 教育情報の提供
- 優待施設の利用割引
税制上のメリット:学資保険は生命保険料控除の対象となるため、所得税・住民税の軽減効果があります。年間の支払保険料に応じて、最大で所得税4万円、住民税2.8万円の控除が受けられます。
返戻率を重視しつつも、各家庭の状況に最適な学資保険を選ぶことが、後悔のない選び方といえるでしょう。特に、保障機能と貯蓄機能のバランスは、各家庭のリスク許容度や他の保険加入状況により最適解が異なるため、じっくりと検討することが大切です。
【2025】返戻率が高い人気の学資保険ランキングTOP5
2025年現在、返戻率の高さで人気を集める学資保険をランキング形式で紹介します。各商品の返戻率は、契約条件により変動しますが、以下は代表的な条件での数値です。実際の返戻率は個別の契約条件により異なるため、必ず各社でシミュレーションを行い、比較検討することをおすすめします。
1位:ソニー生命:最大121.5%
項目 | 内容 |
加入可能年齢 | 0歳~10歳 |
払込期間 | 10年、15年、17年、18年 |
特徴 | 返戻率重視のⅢ型は業界トップクラスの返戻率。学資金の受取時期を選択可能 |
その他のメリット | ライフプランナーによる対面相談、契約後のアフターフォロー充実 |
※契約者30歳男性、被保険者0歳、10年払込、22歳満期の場合
ソニー生命の学資保険は、3つのプランから選択できます。特にⅢ型は返戻率を重視したプランで、大学入学時から22歳まで毎年学資金を受け取れるため、大学4年間の学費に対応しやすい設計となっています。
2位:明治安田生命:最大127.4%
項目 | 内容 |
加入可能年齢 | 0歳~6歳 |
払込期間 | 10年、15年 |
特徴 | 一括払いで高返戻率を実現。保険料払込免除特約が標準付帯 |
その他のメリット | 教育資金と同時に医療保障も準備可能、24時間妊娠育児相談サービス付き |
※契約者30歳男性、被保険者0歳、一括払い、21歳満期の場合
明治安田生命の「つみたて学資」は、シンプルな設計で高い返戻率を実現しています。受取総額300万円コースなど、必要な教育資金に合わせて設定できる点も魅力です。
3位:日本生命:最大107.2%
項目 | 内容 |
加入可能年齢 | 0歳~6歳 |
払込期間 | 5年、10年、18年 |
特徴 | 配当金により返戻率が上乗せされる可能性あり。柔軟な受取プラン |
その他のメリット | 業界最大手の安心感、全国に営業拠点があり相談しやすい |
※契約者30歳男性、被保険者0歳、10年払込、22歳満期の場合
日本生命の「ニッセイ学資保険」は、祝い金の受取時期を選択できる柔軟性が特徴です。また、契約者配当金がある場合は、返戻率がさらに向上する可能性があります。
4位:フコク生命:最大108.7%
項目 | 内容 |
加入可能年齢 | 0歳~7歳 |
払込期間 | 11年、14年、17年 |
特徴 | 兄弟割引あり。祝い金の据え置きで返戻率アップ可能 |
その他のメリット | キティちゃんがイメージキャラクター、子ども向けイベント開催 |
※契約者30歳男性、被保険者0歳、11年払込、22歳満期の場合
フコク生命の「みらいのつばさ」は、兄弟姉妹が加入している場合、保険料が割引になる独自の制度があります。2人目以降の子どもの学資保険を検討している家庭には特にお得です。
5位:住友生命:最大101.7%
項目 | 内容 |
加入可能年齢 | 0歳~9歳 |
払込期間 | 12年、15年、18年 |
特徴 | 中学・高校入学時にも祝い金あり。育英年金特約を付加可能 |
その他のメリット | 総合的な保障設計が可能、スミセイ未来応援サービス付き |
※契約者30歳男性、被保険者0歳、12年払込、22歳満期の場合
住友生命の「スミセイのこどもすくすく保険」は、教育資金の準備と同時に、契約者の万が一に備えた保障も充実させることができます。
その他の学資保険の返戻率一覧
保険会社名 | 返戻率 | 特徴 |
第一生命 | 103.1% | 「Mickey」は段階的に祝い金を受取可能 |
JA共済 | 102.6% | 「こども共済」は地域密着型のサービス |
太陽生命 | 102.3% | 「わくわくポッケ」は保障充実プランあり |
かんぽ生命 | 101.8% | 郵便局で相談可能、全国どこでも対応 |
東京海上日動あんしん生命 | 101.5% | 5年ごと利差配当付で返戻率向上の可能性 |
アフラック | 101.2% | 「夢みるこどもの学資保険」は短期払込可能 |
SOMPOひまわり生命 | 100.9% | 保障を重視したプラン設計 |
こくみん共済 | 100.5% | 掛金が手頃で加入しやすい |
※各社とも代表的な契約条件での返戻率を記載
ランキングは2025年現在の情報であり、保険商品は定期的に改定されるため、最新の情報は各保険会社に確認してください。また、返戻率は契約条件により大きく変動するため、自身の条件でのシミュレーションを必ず行いましょう。
ランキング上位の保険会社はシンプルな商品設計で余計な保障を省き、貯蓄機能に特化しています。また、保険料の払込期間を短くすることで、高い返戻率を実現している点も特徴的といえるでしょう。
一方で、返戻率がやや低めの保険会社の商品にも、それぞれの強みがあります。例えば、かんぽ生命は全国の郵便局で相談・手続きができる利便性があり、地方在住の方には大きなメリットです。こくみん共済は、掛金が比較的安く設定されており、家計への負担を抑えながら教育資金の準備ができます。
学資保険を選ぶ際は、以下の手順で検討することをおすすめします:
- 必要な教育資金の算出
- 進学予定の学校種別(国公立・私立)
- 自宅通学か下宿か
- 大学4年間の総費用見込み
- 家計の状況確認
- 毎月無理なく支払える保険料
- 一括払いが可能な資金の有無
- 他の貯蓄や投資との兼ね合い
- 複数社でのシミュレーション
- 同じ条件で各社の返戻率を比較
- 保障内容の違いを確認
- 付帯サービスの充実度をチェック
- 最終的な判断
- 返戻率だけでなく総合的に評価
- 家族で相談して決定
- 無理のない保険料設定を心がける
学資保険は長期にわたる契約となるため、加入後も定期的に見直すことが大切です。家計の状況が変わったり、より有利な商品が登場したりした場合は、払済保険への変更や、新規加入を検討することも選択肢の一つです。
また、学資保険だけで教育資金のすべてを準備する必要はありません。以下のような他の方法と組み合わせることで、より効率的な資金準備が可能です。
- つみたてNISA:運用益が非課税で、長期投資に適している
- ジュニアNISA:2023年で新規受付終了したが、既存契約は継続可能
- 定期預金:元本保証で安全性重視の方に適している
- 財形貯蓄:給与天引きで確実に積立できる
- 投資信託:リスクはあるが高いリターンも期待できる
それぞれメリット・デメリットがあり、リスク許容度や運用期間により最適な組み合わせは異なります。学資保険の「確実性」と「保障機能」を基盤としながら、他の運用方法で収益性を補完するという考え方もおすすめです。
最後に、学資保険選びで最も重要なのは「継続できること」です。どんなに返戻率が高い商品でも、途中で解約してしまっては元本割れします。無理のない保険料設定で、子どもが大学を卒業するまで確実に続けられる商品を選ぶことが、結果的に最も賢い選択となるでしょう。
学資保険は、子どもの将来への投資であると同時に、親の愛情の形でもあります。返戻率という数字だけでなく、家族の幸せな未来を描きながら、最適な商品を選びましょう。各保険会社では無料相談も実施していますので、まずは気軽に相談してみることから始めてみてはいかがでしょうか。