【医師監修】流産の種類と切迫流産について

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師池谷 美樹 先生
産婦人科 | 横浜市立みなと赤十字病院産婦人科 副部長

岐阜大学卒業、日本赤十字社医療センターで初期研修後、同センター常勤医師として勤務、東京慈恵医科大学産婦人科講座入局、博士号取得、国立成育医療研究センター周産期診療部勤務、日本赤十字社医療センター産婦人科勤務を経て、現在は横浜市立みなと赤十字病院産婦人科 副部長。

妊娠22週未満に妊娠が終わってしまうことを「流産」と言います。流産の時期によって原因やその後の処置が違います。2回連続して流産した場合をは「反復流産」、3回以上流産を繰り返す場合を「習慣流産」と言い、「不育症」などが考えられますので、治療をおこなう必要があります。

 

流産の4つの種類

  • 完全流産

胎児(胎芽)およびその付属物が完全に子宮から排出されてしまった状態

 

  • 進行流産

流産が進行している状態

 

  • 不全流産

胎児(胎芽)およびその付属物がが完全には排出されず、子宮内に残っている状態

 

  • 稽留(けいりゅう)流産

子宮内で胎児(胎芽)が死亡し、そのままとどまっている状態

 

不全流産や進行流産では出血や腹痛などの症状を伴います。稽留流産の場合は自覚症状はありません。病院で初めて診断される流産です。

 

 

初期流産

時期

妊娠12週未満

 

原因

流産全体の8割ほどがこの時期に起こります。妊娠12週未満に起きる流産は、胎児側の理由がであることがほとんどであり、もっとも多いのは染色体異常と言われています。そのため高年妊娠のほうが流産の確率が高くなります。この時期の流産は運動や仕事のしすぎで起こるわけではありません。重い異常を持った胎芽が流産として自然淘汰されているのです。決してママのせいではありません。

 

その後の処置

完全流産以外の場合は、子宮内の胎児や組織を子宮から取り除く手術をします。手術は全身麻酔をしておこなわれ、10分で終了することがほとんど。当日、もしくは翌日には退院することができます。手術後特に問題がなければ、2~3度生理が来たあとなら次の妊娠に臨んでも大丈夫です。妊娠週数が早い流産の場合は、そのまま待って自然に排出するのを待つ場合もあります。

 

 

後期流産

時期

妊娠12〜21週に起こる流産

 

原因

妊娠12週以降の流産は母体に原因のあるものが増えてきます。子宮筋腫や子宮奇形などの子宮の異常の場合や、子宮頸管無力症、細菌感染による場合もあります。激しい腹痛や、生理のような出血が出るなど自覚症状があるときは注意が必要です。早い段階で気づくことで、流産を防げることもあります。

 

その後の処置

子宮内で胎児が死亡しているときや妊娠の継続が見込めないと判断された場合は、陣痛促進剤で陣痛を起こし、胎児と胎盤を出す処置をします。入院期間は、数日になることが多いです。手術後1週間ほどは出血が続きます。手術後は子宮収縮薬や感染症予防の薬を服用します。

 

 

切迫流産

切迫流産は妊娠22週未満の時期に流産になりかかっている状態をいいます。妊娠11週までの切迫流産には有効な薬剤などがないため経過観察になります。妊娠12週以降の切迫流産は治療により流産を防げることもあります。感染があると判断された場合は、抗生物質や炎症を抑える薬剤を腟内に入れたりします。医師に安静と言われることも多いので、その際には仕事や家事などはしないでおきましょう。

 

切迫流産のイメージ

 

 

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