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学資保険が元本割れするのはなぜ?元本割れしない商品の見つけ方も解説

子どもの教育資金を貯める方法として学資保険を検討する家庭は多いですが、一方で学資保険は「元本割れ(受け取り額が支払い額より少なくなる現象)の恐れがある」という話も聞かれます。

昨今はマイナス金利の影響もあり、利率(返戻率:へんれいりつ)が低くなっているのは事実ですが、なぜ学資保険は元本割れを起こしてしまうのでしょうか。

今回は、学資保険が元本割れを起こす仕組みと元本割れをしない学資保険商品の選び方について、詳しく解説していきます。

記事冒頭でもお伝えしましたが、元本割れしない学資保険を見つけるためには、下記5つのポイントを意識することが大切です。

  1. 返戻率を見る
  2. 契約内容を見る
  3. シミュレーションで確認する
  4. 早いタイミングで加入する
  5. 保険のプロに相談する

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目次

学資保険の元本割れとは。なぜ元本割れする学資保険があるの?

なぜ元本割れする学資保険があるの?
まずは、「元本割れ」について説明します。

元本割れとは、積み立てをした保険料よりも受け取れる総額が少なくなってしまう現象のことです。

例えば、毎月の保険料15,000円を18年間支払い続けると324万円を払うことになります。それに対して、受け取れる満期金が300万円であった場合、結果的に受け取れる額よりも24万円を多く支払ったということになります。

この場合の利率(返戻率)は92.5%。返戻率100%を割る状態が、いわゆる「元本割れ」の状態です。

総支払額:15,000円×12ヶ月×18年間=324万円
返戻率:受取金300万円÷支払い額324万円×100=92.59%

では、なぜ学資保険の中には元本割れを起こす商品があるのでしょうか

一般的に、学資保険の利率(返戻率)が低くなる要因として、以下の4つの要因が挙げられます。

  1. マイナス金利の影響
  2. 保障型の学資保険
  3. 加入する際の年齢や性別
  4. 途中解約

複数の条件を満たすほど、元本割れの可能性は高まります。それぞれの詳細は、以下の通りです。

① マイナス金利の影響

2016年以降、日本銀行によるマイナス金利政策の影響で、大手金融機関の普通預金金利が大きく下がりました。

学資保険の仕組みは、私たちが保険料として預けた資金を保険会社が運用し、満期時に運用利益が上乗せされた満期金を受け取るというものです。

保険会社はあらかじめ運用利益の予測を立てたうえで学資保険の販売を行いますが、この時の予定利率(利益の予測)は国債の利回りなどを元に決められるため、金利の影響を大きく受けてしまいます。

つまり、予定利率が高ければ返戻率も高くなりますし、予定利率が低ければ返戻率も低くなるということですね。

高利率だった学資保険のなかには、販売停止となった商品もありました。

学資保険は固定金利型

また、学資保険は契約時の予定利率が満期まで続く「固定金利」型の金融商品です。

そのため、経済情勢が変わって金利が高くなった場合でも、申し込み時に設定された利率(返戻率)が上がることはありません。

親世代の時代と比べて利率が下がり、貯蓄性が低下したことで、教育資金を貯める方法として別の選択肢を選ぶ方も増えてきているようです。

② 保障型の学資保険は元本割れの場合が多い

学資保険には、大きく分けて以下の2種類に分類できます。

  • 貯蓄を優先する「貯蓄型」
  • 医療保障などの特約がついた「保障型」

学資保険に多くの保障や特約を付けるほどさまざまなケースに対応できる反面、当然ですが保険料は高くなります。

同じ受け取り総額であれば、保険料が高いほど返戻率も下がります。そして、一定のラインを超えると支払い額が受け取り額を上回り、元本割れとなるのです。

ただし、保障が充実するというプラスの側面もあるため、あえて元本割れとなる「保障型」の学資保険を選ぶ方もいます。

貯蓄と保障のバランスを考慮しつつ、ご家族のライフプランに合わせた商品選択をしてください。

③ 加入する際の年齢や性別で返戻率が変わる

学資保険は、加入する際の親(契約者)の年齢や性別、そして加入時の子どもの年齢によって返戻率が変わります

下記は、ニッセイ学資保険のシミュレーション結果です。

契約条件の「親の年齢」「性別」「子どもの年齢」を変化させたそれぞれの結果を、比較してみましょう

「親の年齢」「性別」「子どもの年齢」を変化させたそれぞれの結果

基本条件:受取総額300万円・18歳まで払い込み・祝金なし型

契約者の条件 月々の保険料 払い込み総額 返戻率
30歳男性・子ども0歳 13,350円 2,883,600円 104.0%
30歳女性・子ども0歳 13,290円 2,870,640円 104.5%
29歳男性・子ども0歳 13,340円 2,881,440円 104.1%
30歳男性・子ども1歳 14,180円 2,892,720円 103.7%

上記の結果を見ても分かるように、男性より女性が契約したほうが返戻率は高くなります

また、親・子ども共に若ければ若いほど高い返戻率となっています。

元本割れを防ぎ、少しでも返戻率を上げるための工夫として、親の性別を加味したうえで、できるだけ子どもが小さいうち(親も子どもも若いうち)に加入すると良いでしょう。

④ 途中解約は元本割れの可能性が高い

学資保険に限らず、保険商品の途中解約は元本割れリスクが高いです。

途中解約をした場合は「解約返戻金(かいやくへんれいきん)」として今まで貯蓄していた金額が戻ってきますが、支払った金額が全額返金されるわけではなく、掛け捨ての特約分や保険を運営する経費などを差し引いた金額が返金されるため、元本割れのリスクが非常に高いのです。

学資保険を選ぶ際は、途中解約せずに最後まで積み立てることを念頭において、無理のないプランを立てましょう。

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元本割れしない学資保険の見つけ方

元本割れしない学資保険の見つけ方
ここからは、元本割れしない学資保険を見つけるためのポイントについて解説していきます。

元本割れしない学資保険を見つけるためには、下記5つのポイントを意識してください。

  1. 返戻率を見る
  2. 契約内容を見る
  3. シミュレーションで確認する
  4. 早いタイミングで加入する
  5. 保険のプロに相談する

① 返戻率を見る

各保険商品の「返戻率」を見れば、元本割れかどうかが一目で確認できます

また、返戻率は次の計算式でも計算できます。

「返戻率=受け取れる保険金の総額÷払い込む保険料の総額×100」

返戻率が100%以下の場合は元本割れということですし、100%を超えれば支払い金額よりも多く受け取ることができます。

複数の学資保険を比較検討する際は、ぜひ返戻率の違いを確認しておきましょう。

② 契約内容を見る

満期時に受け取れる金額が同じでも、返戻率が違えば月々の保険料も変わってきます

さらに、特約や手厚い医療保障が付いたプランの場合はその分の保険料が加わるため、返戻率は低くなり、場合によっては元本割れになってしまうこともあります。

気になる学資保険を見つけたら、「どんな保障が付いているのか」「月々の保険料はどれくらいか」など、細かい内容もしっかり確認したうえで契約しましょう。

③ シミュレーションで確認する

学資保険を取り扱っている保険会社の中には、保険契約のシミュレーションができるサービスをHPで公開している会社もあります。

申し込みする前に、こうした保険会社のシミュレーションを試しておきましょう。

もらえる満期金や返戻率の違いだけでなく、毎月の保険料や支払総額、受け取るタイミング、保障などの特約もあわせて比較してみると良いですよ。

④ 早いタイミングで加入する

学資保険は、親も子どもも早い(年齢が若い)タイミングで加入したほうが、返戻率が高くなり、元本割れのリスクは少なくなります

妊娠中から加入できる学資保険もありますので、教育資金の準備に学資保険を考えている方は、早めの行動を心がけましょう。

⑤ 保険のプロに相談する

学資保険にはたくさんの種類があり、専門的な用語の理解も必要なため、自分で調べることに限界を感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。

そんな時は、保険のプロに相談してみましょう。

たくさんの保険商品を扱っている保険代理店なら、保険会社の垣根を越えて希望にあった商品を紹介してくれます。

なかでも、「ほけんのぜんぶ」と「ほけんガーデン プレミア」は学資保険に特化した相談サイトを用意。学資保険アドバイザーが最適なプランを無料で提案してくれますので、一度相談してみてはいかがでしょうか。

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元本割れする学資保険は解約したほうが良い?

すでに加入している学資保険が元本割れするものであった場合、解約したほうが良いのでしょうか?

結論から言うと、解約をすることで「解約返戻金」がもらえますが、元本割れは免れないため、むやみな途中解約はおすすめしません

少しでも返戻率を上げるために今からできる4つの方法をご紹介しますので、ぜひ検討してみてください。

  1. 不要な保障や特約を外す
  2. 払込方法を変える
  3. 払込期間を短くする
  4. 祝金を据え置きする

① 不要な保障や特約を外す

子どもの医療保障や育英年金制度などの特約などが付帯した「保障型」の学資保険に加入している場合は、保障や特約を外すことで元本割れを回避できるかもしれません。

ただし、保険の内容や種類によっては、保障や特約を外せない場合もあり、保険会社に確認が必要です。

② 払込方法を変える

保険料の支払い方法は、「月払い」のほかに「半年払い・年払い・一括払い」などが用意されています。

そして、月払いよりも年払いで一気に支払ってしまったほうが、返戻率が上がります

ニッセイのシミュレーション結果の中でも、月払い保険料と年払い保険料が記載されていました。月払い保険料の下に年払い保険料の記載があり、年払いの返戻率のほうが高いことが確認できますね。
ニッセイのシミュレーション結果
月払いから年払いにすると一度に払う金額が高いと感じてしまいますが、毎月の保険料に換算すると安くなっている場合が多いため、お得になります。

保険料の支払い方法が変更できるかどうか、保険会社に確認してみましょう。

③ 払込期間を短くする

保険料の払い込みが早めに完了すれば、それだけ保険会社の運用期間が長くなるため、返戻率は高くなる傾向にあります。

保険会社によって異なりますが、払い込み完了期間を5年・10年・15年など、複数準備している商品は多いです。

一回に支払う保険料の負担は大きくなりますが、資金に余裕がある方は検討してみると良いでしょう。

まずは保険会社の担当者に相談して、払込期間を変えれば返戻率が変わるかを確認してみてください。

④ 祝金を据え置きする

学資保険には、祝金をすぐに受け取らず、保険会社に預けておくことができる据え置き制度というものがあります。

据え置いた祝金は、保険会社が運用に充てて利益を出し、その利益が利息として還元される仕組みです。

据え置いた場合は、その後いつでも引き出すことが可能です。

対応していない場合もあるので保険会社に相談しよう

ここまで、契約中の学資保険の返戻率を上げる方法を解説してきましたが、すべての学資保険商品が対応しているわけではありません。

保険会社や保険の種類によって対応していない場合もありますので、どんな方法が可能なのか、まずは契約している保険会社に相談してみることをおすすめします。

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学資保険で元本割れを防ぐために無料の保険相談を活用しよう

学資保険は商品の種類が非常に多いため、自分に合った保険を自分で探し出すのは非常に困難です

数多くの保険商品の中から家族のライフプランに合った商品を見つけるためにも、ぜひ無料の保険相談窓口を利用してみましょう。

学資保険の相談、見直しや比較などはもちろん、学資保険以外の保険の相談も可能です。

まずは資料を取り寄せる方法も

まずは資料を取り寄せる方法
気になる保険を見つけたら、資料を取り寄せて自分なりに比較検討してみても良いですね。

複数の学資保険の資料を無料で一括請求できるサービスがありますので、そちらを利用して資料を取り寄せてみましょう。

資料を確認して前提知識を付けた上で無料相談をすれば、カウンセラーの話も理解しやすいはずです。

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この記事の監修
清水凌|ファイナンシャルプランナー

保有資格:FP技能士2級/証券外務員I種/web解析士
学習院大学法学部法学科卒。
インターネット企業で大手出版社や大学メディアのコンサルティング業務全般に従事。
プライベートでは財テクメディアを運営し、投資・ポイ活関連の情報を発信している。










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