【助産師監修】母乳が出る仕組みを知ろう!

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監修者プロファイル

助産師松田玲子

医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。

【助産師監修】母乳が出る仕組みを知ろう!

 

赤ちゃんを産んだら、自動的に母乳が出るようになると思っていませんか? 確かに赤ちゃんが生まれたら、母乳が出るようにママの体も変化します。でも、それだけでは、赤ちゃんに十分な量のおっぱいを飲ませることはできないかもしれません。ここで母乳が出る仕組みを知っておきましょう。

 

 

母乳はいつごろからつくられるの?

母乳は、胎盤が完成する妊娠16週ごろになるとつくられ始めます。母乳をつくるために働くホルモンが分泌される一方で、まだ母乳を出してはいけませんよというホルモンが同時に働いています。

 

時々、妊娠中に母乳が出てくることもありますが、無理に搾りだす必要はありません。入浴の際にやさしく取り除く程度にしておきましょう。

 

 

赤ちゃんが生まれたら

赤ちゃんが生まれ、胎盤が出ると、まだ母乳を出してはいけませんよという働きをしていたホルモンの濃度が一気に低下していきます。

 

赤ちゃんが生まれてすぐ、ママと赤ちゃんのスキンシップがなされると、母乳を出そう(射乳反射)というホルモンであるオキシトシンの濃度が増加します。このオキシトシンは、おっぱいを吸わせるだけでなく、赤ちゃんの声を聞いたり、においをかいだり、赤ちゃんのことを考えるだけでも分泌されるのです。

 

そして、赤ちゃんがおっぱいを吸う刺激で、母乳をつくる働きをするプロラクチンの濃度が上がります。授乳をしないと2週間で妊娠する前の状態にまで下がってしまうと言われています。

 

赤ちゃんが生まれてすぐは、この2つのホルモンの働きをキープすることがポイントになります。母乳は最初ほんの少ししか出てきません。しかし、お産後になるべく頻回におっぱいを吸わせることで、母乳がつくられるようになり、そのためには、24時間に8回以上の授乳が必要になります。

 

 

帝王切開の場合はどうしたらいい?

産院によっては、手術後すぐに赤ちゃんにおっぱいを吸わせてくれたり、時間ごとに赤ちゃんをお部屋に連れてきてくれるところもあります。しかし多くの場合は、どうしても赤ちゃんを産んですぐに赤ちゃんにおっぱいを飲ませるということが難しいかもしれません。

 

直接おっぱいを吸ってもらえなくても乳首のマッサージをおこなうことで、乳首への刺激が与えられますし、赤ちゃんの写真を見たり、考えたりするだけでもいいんです。まずはママの体の回復を第1に考えてくださいね。

 

 

母乳が出るようになってきたら

お産後、約10日を過ぎると、おっぱいから母乳を出した分だけ母乳がつくられるようになってきます。しかし、たくさんおっぱいを貯めて一気に出すのは逆効果です。長い時間、おっぱいに母乳がとどまっていると、もう母乳をつくらなくていいんだと体が思って母乳分泌が減ってしまうので、3時間以上授乳間隔をあけないように心がけましょう。

 

 

まとめ

母乳で赤ちゃんを育てたいという思いを実現させるためには、少し努力が必要になります。でも、どうしたら母乳が出るようになるのか、あらかじめ理解しておくと、心構えもできて、お産後の頻回授乳も乗り越えられるのではないでしょうか。

 

でも、無理は禁物! ママの心と体と相談しつつ、取り組んでいきましょう。困ったときには、助産師に相談してくださいね。

 

 

 

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◆母乳育児に関するQ&A

 

 

◆授乳の体験談

最初の授乳は出産直後に助産師さんが吸わせてくれました。小さくて必死な姿が本当にかわいかったです! それからは母子同室で吸わせ方がわからず、助産師さんに何度も手伝ってもらい授乳しましたが、体重を測ると2gしか増えておらず、育児用ミルクを足すよう指導され、夜中泣きました。それからは軌道に乗って完母でトラブルなく過ごせています! 助産師さんと頑張って吸ってくれたかわいい息子にに感謝です!

たいがママ さん

現在、2人目授乳中です。正直、上の子の初授乳は覚えていません。そして今回は生まれてまもなく、分娩台の上での初めて授乳しました。それまでずっと自分の指をチュパチュパ吸っていたので、助産師さんにお願いしておっぱいを吸わせてみました。誰からも教わってないはずなのに夢中でおっぱいを吸うわが子に妙に感心したのを覚えています。

きょん×2 さん

1人目の最初の授乳からだいぶ経つのですが、感激した感覚をまだ覚えています。私自身も可能であれば母乳で育てたいと思っていたので、病院選びの際に母乳育児に力を入れているということもポイントの1つとしていました。


私は産後入院中はずっとろくに母乳が出なくて、赤ちゃんも自分も授乳に慣れていないので体勢も定まらず、不自然な格好で授乳していました。産後の疲れた体でヘトヘトでしたが、乳首を吸わせる刺激で出るようになるということで、入院中にスパルタ教育をしてもらいました。


生まれる前の授乳への意気込みが強かったため、このままずっと出なかったらどうしようと不安にも思いましたが、幸い、大きさの割によく出るようになってよかったです。

ぽぽ さん

 

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