【助産師監修】 授乳中の母乳が出すぎる原因とは?

この記事の監修者
監修者プロファイル

助産師松田玲子

医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。

【助産師監修】 授乳中の母乳が出すぎる原因とは?

 

おっぱいが思うように出ない、母乳の量が足りているか不安……と感じているママが多いなか、逆におっぱいが出すぎて困っているママもいらっしゃいます。そこで今回は、「母乳分泌過多」についてお話ししたいと思います。

 

 

母乳分泌過多とは?

「母乳分泌過多」については、明確な定義がないのが現状です。しかし、赤ちゃんが飲みきれないほどの母乳が出て、ママや赤ちゃんに何らかの異常や苦痛を伴うようになったとき、母乳分泌過多と判断されるようです。

 

 

母乳分泌過多の原因

●不適切な授乳間隔

母乳が出るようになると、赤ちゃんが飲んだ分だけ母乳がつくられるようになります。ですが、赤ちゃんが眠りがちだったりして授乳間隔があいてしまうということが続くと、母乳の生産が減少したり、逆に出すぎるようになったりします。

 

●不適切な授乳時間

母乳を飲ませるとき、左右のおっぱいを両方吸わせましょうと説明されると思います。その際に、短時間で左右の授乳を切り替えてしまうというのも、母乳分泌過多の原因になると言われています。

 

●不適切な搾乳

おっぱいが張っているけれど、それほど赤ちゃんがおっぱいを飲んでくれない……ということもあると思います。その際、母乳を搾って飲ませるよう指導されるかもしれません。おっぱいが張ってつらいとき、スッキリするまで搾乳をしてしまうのは逆効果。搾った分だけ、母乳がつくられてしまいます。授乳前後の搾乳も、必要な場合のみにとどめておいたほうがよいと思います。おっぱいを空にする必要はありません。

 

●疾患や薬物の影響など

ママ自身が高プロラクチン血症、下垂体腺腫、甲状腺機能低下症などの病気を持っていたり、薬物の影響で、母乳分泌過多になる場合もあります。

 

 

母乳分泌過多のサイン

授乳をしてもおっぱいが軽くなったような気がしない、授乳後すぐにおっぱいが張ってくるような感じがする、服を濡らしてしまうほど母乳が出るなど、ママが自覚する症状は多々あります。

 

それ以外に、おっぱいを飲んでいるとき、赤ちゃんがむせる、赤ちゃんの口から母乳があふれてくる、頻繁に吐くなどのサインがあるときは、母乳分泌過多かもしれません。

 

 

母乳が出すぎるときの対処法

●授乳姿勢の見直し

母乳分泌過多かなという場合は、まず授乳姿勢を工夫してみましょう。ママが後ろによりかかるような姿勢をして、赤ちゃんをうつぶせにしておっぱいを飲ませます。そうすることで、赤ちゃんがむせることを防ぐことができます。

 

●1回に片方からのみ授乳をする

「一定の間」、1回の授乳でおっぱいがスッキリするまで、片方のおっぱいだけを吸わせるという方法があります。これは一時的な方法で、おっぱいの中に母乳が残る状態をつくることで、母乳の分泌を減らしていくというものです。

 

●キャベツ湿布・ハーブティ

おっぱいが張ってつらいとき、濡れタオルで冷やすと張りが落ち着くことがあります。

乳首と乳輪部を避けてキャベツの葉を貼るのも効果的と言われれています。また、セージをお茶にして飲むことも母乳分泌を抑えることができるとのこと。

 

●食事制限は必要?

母乳分泌過多の対処法として、食事や水分制限をすすめられることがあるかもしれません。極端な食事や水分制限はかえってよくありません。バランスの良い食事を心がけ、適度な水分摂取をしていきましょう。

 

 

母乳が出すぎるというのは、母乳が出なくて悩んでいるママにとってぜいたくな悩みに感じるかもしれません。でも、当事者のママにとってはつらいものです。乳腺炎にならないよう対処しつつ、授乳を楽しんでくださいね。

 

 

 

【関連記事】

母乳のメリット・デメリット-母乳育児を始める前に【母乳育児特集】

おっぱいの形と授乳姿勢-母乳育児を始める前に【母乳育児特集】

母乳が出る仕組みを知ろう!【母乳育児特集】

陥没乳首・扁平乳首(授乳に困難な乳首の形をしている)【授乳中のトラブル】

おっぱいの大きさが左右で異なる【授乳中のトラブル】

乳首が切れる【授乳中のトラブル】

おっぱいの痛み【授乳中のトラブル】

初乳とは何? 初乳の成分と色、特徴まとめ

おもちは本当に母乳にいいの? なぜ母乳にいいと言われている?

職場復帰するママへ! 母乳もれ3大対策

これって母乳不足感? 生後2~3週間の赤ちゃんがおっぱい不足アピール

母乳が足りない…どうしたら増える? 現役ママが実践した対策3つ

完全母乳を目指した私の母乳育児でよかったこと・困ったこと

 

 

◆母乳育児に関するQ&A

 

◆授乳の体験談

最初の授乳は出産直後に助産師さんが吸わせてくれました。小さくて必死な姿が本当にかわいかったです! それからは母子同室で吸わせかたがわからず助産師さんに何度も手伝ってもらい授乳しましたが、体重を測ると2gしか増えておらず、育児用ミルクを足すよう指導され、夜中泣きました。それからは軌道に乗って完母でトラブルなく過ごせています! 助産師さんと頑張って吸ってくれたかわいい息子にに感謝です!

たいがママ さん

現在、2人目授乳中です。正直、上の子の初授乳は覚えていません。そして今回は生まれてまもなく、分娩台の上での初めて授乳しました。それまでずっと自分の指をチュパチュパ吸っていたので、助産師さんにお願いしておっぱいを吸わせてみました。誰からも教わってないはずなのに夢中でおっぱいを吸うわが子に妙に感心したのを覚えています。

きょん×2 さん

1人目の最初の授乳からだいぶ経つのですが、感激した感覚をまだ覚えています。私自身も可能であれば母乳で育てたいと思っていたので、病院選びの際に母乳育児に力を入れているということもポイントの1つとしていました。


私は産後入院中はずっとろくに母乳が出なくて、赤ちゃんも自分も授乳に慣れていないので体勢も定まらず、不自然な格好で授乳していました。産後の疲れた体でヘトヘトでしたが、乳首を吸わせる刺激で出るようになるということで、入院中にスパルタ教育をしてもらいました。


生まれる前の授乳への意気込みが強かったため、このままずっと出なかったらどうしようと不安にも思いましたが、幸い、大きさの割によく出るようになってよかったです。

ぽぽ さん

 

◆おっぱいの悩みについて助産師に相談しよう!(無料)

ベビーカレンダーでは助産師に相談ができます。会員登録は不要です。

 

専門家に無料で相談できます

自分だけではどうしても解決できない不安やお悩みは、助産師・管理栄養士などの専門家に個別相談してみませんか?


\ この記事にいいね!しよう /
現在ログインしていません。ログインしますか?
シェアする

育児中に見ておきたい動画
もっと見る
あわせて読みたい記事
もっと見る
この時期に気になるQ&A
もっと見る

ベビカレアプリ
新コーナー!

✨今すぐ✨
チェック →