【助産師監修】授乳中の乳管のつまり・おっぱいのしこり

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助産師松田玲子

医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。

【助産師監修】授乳中の乳管のつまり・おっぱいのしこり

 

通常産後3~4日もすると、おっぱいが張ってきます。これは産後の生理的な経過の1つです。しかし、乳管がつまって母乳の流れが悪くなったり、適切に母乳が排出されないとしこりが生じたりすることも。このように乳管がつまったり、おっぱいにしこりができたりする状態を「限局性の乳汁うっ滞」と言います。  今回は、限局性の乳汁うっ滞の原因や対処法についてお話ししたいと思います。

 

 

限局性の乳汁うっ滞の原因

限局性の乳汁うっ滞の原因はいろいろあります。

 

●母乳の流れが妨げられる

おっぱいがきついブラジャーなどで圧迫されることで、母乳の流れが妨げられてしまうことがあります。妊娠前に比べておっぱいのサイズが大きくなるので、自分のサイズに合ったブラジャーを着けるようにしましょう。ブラジャーは、ワイヤー入りではない物がよいです。ブラジャーがきつい場合は、乳帯を使用してもよいですね。ブラジャー以外にも、抱っこひもや車のシートベルトなど、おっぱいを圧迫してしまうような状況は、母乳の流れを妨げてしまうことがあるので注意が必要です。

 

●乳栓・白斑・乳疱

乳栓は母乳に含まれるカルシウムやカゼインの混合物であると言われています。また、乳首の先端に直径1mmくらいの白いものができることがあります。これは、白斑、あるいは乳疱と呼ばれるもので、赤ちゃんにおっぱいを飲ませるときに強い痛みを伴うことがあります。乳腺や白斑、乳疱ができると、母乳の流れが悪くなったり、乳管が閉塞してしまうことがあります。

 

●効果的な授乳がおこなわれていない

赤ちゃんが効果的に母乳を飲みとることができないと、つくられた母乳はそのままおっぱいに留まります。効果的に母乳を飲みとれない原因は、ママの抱き方や乳首の含ませ方に問題がある、赤ちゃんの吸てつ力が弱いなどがあります。

 

●1回の授乳時間が短い、授乳間隔が長い

1回の授乳時間が短かったり、授乳間隔が長かったりすると、おっぱいに母乳が溜まった状態が続いてしまいます。おっぱいに母乳が溜まり続けていると、乳腺炎になる恐れがあるほか、母乳分泌が減ってきてしまうこともあります。

 

●母乳分泌過多

授乳のあともおっぱいが張っているというとき、搾乳で対応する場合もあるかと思います。その際に、おっぱいがスッキリするまでしっかり搾乳してしまうと、その分だけ母乳がつくられてしまい、さらにおっぱいが張ってしまうという悪循環が生じる可能性があります。そのような状況で授乳間隔があいてしまったりすると、乳汁のうっ滞につながってしまいます。

 

●食事

カロリーの高い物、乳製品、脂っこい物、お餅など、おっぱいがつまってしまうので避けたほうがよいと言われている食べ物がいくつかあります。ですが、食事がおっぱいのつまりやしこりの原因になるという、確固とした裏付けはないようです。

 

 

限局性の乳汁うっ滞の症状と発生しやすい部分

乳汁がうっ滞すると、その部分が赤くなったり、硬くなったり、押すと痛みが生じたりします。乳汁のうっ滞は、おっぱいのどの部分にも起こり得ますが、特にうっ滞しやすい部分があります。

 

うっ滞しやすい部分

※うっ滞しやすい部分

時計でいうと1時~2時の間、10時~11時の間

 

限局性の乳汁うっ滞の対処法は?

まず、うっ滞の原因はないか見直してみましょう。赤ちゃんに効果的におっぱいを吸ってもらうことで、改善が期待できます。

 

【対処法】

・赤ちゃんが欲しがるときに欲しがるだけおっぱいを吸わせましょう。授乳間隔は3時間以上あけないように注意しましょう。

・授乳の際には、赤ちゃんが吸いやすいように乳首と乳輪のマッサージをして、やわらかくしておきましょう。

・うっ滞している部分に赤ちゃんの顎が来るような授乳姿勢を工夫しましょう。

肩ごし授乳

【肩ごし授乳】

うっ滞しやすい部分に赤ちゃんの顎を乗せた授乳姿勢

※赤ちゃんの呼吸状態に十分注意しておこないましょう

 

・おっぱいの張りが強く痛みがあってつらいようであれば、濡れタオルをあて冷やしましょう。

・食事が原因で乳汁うっ滞が生じるという確固たる裏付けがないとはいえ、やはり暴飲暴食はNG。バランスのとれた食事をきちんと食べるように心がけましょう。

 

 

限局性の乳汁うっ滞は、乳腺炎の原因にもなります。乳腺炎になると、お熱が出たり、痛みがあったりとママもつらいです。乳腺炎になる前にきちんと対処できるとよいですね。

 

 

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◆母乳育児に関するQ&A

 

 

◆授乳の体験談

最初の授乳は、出産直後に助産師さんが吸わせてくれました。小さくて必死な姿が本当にかわいかったです! それからは母子同室で吸わせ方がわからず、助産師さんに何度も手伝ってもらい授乳しましたが、体重を測ると2gしか増えておらず、育児用ミルクを足すよう指導され、夜中泣きました。それからは軌道に乗って完母でトラブルなく過ごせています! 助産師さんと頑張って吸ってくれたかわいい息子にに感謝です!

たいがママ さん

現在、2人目授乳中です。正直、上の子の初授乳は覚えていません。そして今回は生まれてまもなく、分娩台の上での初めて授乳しました。それまでずっと自分の指をチュパチュパ吸っていたので、助産師さんにお願いしておっぱいを吸わせてみました。誰からも教わってないはずなのに夢中でおっぱいを吸うわが子に妙に感心したのを覚えています。

きょん×2 さん

1人目の最初の授乳からだいぶ経つのですが、感激した感覚をまだ覚えています。私自身も可能であれば母乳で育てたいと思っていたので、病院選びの際に母乳育児に力を入れているということもポイントの1つとしていました。


私は産後入院中はずっとろくに母乳が出なくて、赤ちゃんも自分も授乳に慣れていないので体勢も定まらず、不自然な格好で授乳していました。産後の疲れた体でヘトヘトでしたが、乳首を吸わせる刺激で出るようになるということで、入院中にスパルタ教育をしてもらいました。


生まれる前の授乳への意気込みが強かったため、このままずっと出なかったらどうしようと不安にも思いましたが、幸い、大きさの割によく出るようになってよかったです。

ぽぽ さん

 

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