【ファイナンシャルプランナー監修】妊娠・出産と資金計画 - ワーキングママ編
通常の出産(普通分娩)は健康保険の適用(窓口での3割負担や高額療養費)の対象外ですが、出産にかかわる各種給付金があります。ここでは、ママ自身が働いている、または働いていた場合にもらえる給付金についてまとめました。制度をしっかりと確認しましょう。
出産育児一時金(本人が被保険者の場合)
在職中(勤務先の健康保険に加入中)のママの場合、在職中の出産はもちろんのこと、退職した後の出産であっても、条件に当てはまれば、本人が在職中に加入していた健康保険より出産育児一時金を受け取ることも可能です(退職後の健康保険か在職時の健康保険かを給付額等で比較し、有利な方に申請してください)。国民健康保険は、加入中の出産のみが対象です。
在職中の出産及び退職後、国民健康保険加入中の出産の場合 |
●健康保険に加入中であること(加入期間は問いません) |
退職後に出産し、在職時(勤務先)の健康保険を利用する場合 |
●退職前の健康保険加入期間が継続して1年以上あったこと。 |
退職後、配偶者の健康保険の扶養に入っていたときの出産の場合 |
退職後、配偶者の扶養家族になる場合は、「妊娠・出産と資金計画 - 専業主婦編」を参照してください。 |
金額 |
●原則50万円(子ども一人あたり)※双子なら100万、三つ子なら150万円。 |
申請可能期間 |
出産日の翌日から2年以内 |
支払方法と申請方法 |
(1)本人に代わり、分娩費用として、出産育児一時金を直接病院が受け取る方法が一般的です(「直接支払制度」または「受取代理制度」)。出産にかかった費用が出産育児一時金の支給額(原則50万円)より少ない場合はその差額分を健康保険に請求することができます。 |
※添付書類は加入している健康保険によって異なります。
※制度が変更となる場合もありますので、最新の情報はご加入の健康保険にお問い合わせください。
ワンポイントアドバイス
・事前に多額の出産費用を用意する必要がないため、(1)の「直接支払制度」または「受取代理制度」の利用がおすすめです。・帝王切開や吸引・鉗子分娩等の場合には、健康保険が適用となります。詳細は、加入している健康保険にお問い合わせください。
・出産を機に退職する場合は、下記の手続きにも留意が必要です。
失業給付の延長…通常、失業給付は原則、退職翌日から1年以内に申請する必要があります。子育てが落ち着いて就職活動をする場合は、ハローワークに延長の手続きを行うことで、4年以内であれば、受給が可能となります。
出産手当金
産前産後休業期間中、収入が減少することに対し、その補填を健康保険が行ってくれる制度です。
条件 |
●勤務先で健康保険に加入している方。 |
金額 |
●日給(支給開始日以前の12カ月間の標準報酬月額の平均額÷30日)の3分の2相当額 × 上記期間で産前産後休業を取得した日数 |
申請可能期間 |
●産前産後休業開始翌日から2年以内です。 |
申請方法と申請先 |
●加入する健康保険組合等から、申請書を受け取り、必要事項を記入の上、勤務先または健康保険組合等に提出します。 |
育児休業給付金
育児休業期間中、収入が減少することに対し、その補填を雇用保険が行ってくれる制度です。
条件 |
●条件を満たしている雇用保険加入者に支払われます。 |
金額 |
●最初の180日は休業開始時賃金日額の67%、それ以降は休業開始時賃金日額の50%が支給されます。 |
申請可能期間 |
●初回申請については育児休業開始日から、4カ月を経過する日の属する月の末日までに、事業所の所在地を管轄するハローワークに申請する必要があります。 |
申請方法 |
●勤務先を経由して、事業所の所在地を管轄するハローワークに提出します。 |
産前産後・育児休業中の社会保険料減免
産前産後休業及び育児休業中は、無給となるケースが多いため、申出を行うことで、期間中の社会保険料が免除となります。
金額 |
●産前産後・育児休業期間中の社会保険料(健康保険料及び厚生年金保険料)が免除されます。 |
申請可能期間 |
●産前産後休業、育児休業に入った際、それぞれ別途、保険料免除の申出が必要となります。 |
申請方法と申請先 |
●事業主が、保険者(年金事務所・健康保険組合等)に申出書類を提出します。 |
※本記事の内容は、2024年4月の更新時点での情報です。