【医師監修】妊娠安定期までの過ごし方

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師天神尚子 先生
産婦人科 | 三鷹レディースクリニック院長

日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。

感染症と妊娠の関係

 

【医師監修】妊娠安定期までの過ごし方

 

風疹だけではなく、「水ぼうそう」「はしか(麻疹)」「おたふく」「りんご病」など、子どもに多い感染症も妊娠に影響がまったくないとは言えません。家族が発病してしまったという場合、感染防止のため、可能であればその期間は実家など感染した家族と一時的に離れて生活することをおすすめします。

冬に入るとインフルエンザや風邪が流行しますが、妊婦さんは疲れやすく免疫力が落ちているため、感染しやすく、こじらせやすいということを知っておきましょう。人ごみの中には極力行かないこと、手洗いやうがいを普段以上に徹底すること、「風邪気味かな?」と思ったら、おいしい物を食べてあたたかくして寝ているのが一番です。特に働いているお母さん、無理は絶対にしないでくださいね。

 

タバコ、アルコールの影響

タバコ、アルコールは、妊娠前から控えることが理想です。アルコールは胎盤を通過することがわかっています。その影響はまだすべて解明されていませんが、妊娠を機に控えるほうがよいでしょう。

 

タバコ、アルコールの影響

 

タバコは絶対にやめるべきです。タバコを吸っているから妊娠率が悪くなるということはないのですが、早めにやめるに越したことはありません。なぜなら、お母さんの体内にニコチンが入ることで血管が収縮し、お母さんと赤ちゃんをつなぐ胎盤に酸素や栄養分がうまく届かなくなるからです。その結果、低出生体重児など、さまざまな悪影響を胎児に及ぼすことがわかっています。


コーヒーも飲み過ぎはいけませんが、1日1〜2杯程度だったら大丈夫でしょう。今はノンカフェインの物もあるので、そういう物を利用するのもいいでしょう。

 

妊娠期の食事

 

【医師監修】妊娠安定期までの過ごし方

 

やはり刺激物はあまり良くないですね。特に塩分の強い物は避けてください。妊娠高血圧症候群の原因にもなりますので、うす味を心掛けましょう。例外として、つわりの時期はあまり気にせず、食べたい物を食べて構いませんが、ずっとその食生活ではいけません。

生肉や刺身などは極力避けたほうが無難ですね。生野菜は特に問題ないと思いますが、よく洗って食べるようにしましょう。魚については一時水銀汚染が話題になりましたが、火を通して、食べ過ぎなければ問題はありません。食事は神経質になり過ぎず、バランス良く食べることを心掛けていれば大丈夫です!

 

不足しがちな栄養とサプリメント

市販品のサプリメントには副作用が出るほどの含有量のものは少ないため、よほどとり過ぎなければ害はないので構いません。ただ、せっかく食べられるのだったら食事からとるほうがいいと思います。

不足しがちな栄養素としては、鉄分やカルシウムが代表的です。妊娠中は心掛けてとらないといけません。目安としては、普段の2倍くらい摂取するつもりで食べましょう。いつもの食事だけでいいやと思っていると足りなくなってしまいます。なお、葉酸を多く含む食品は比較的鉄分やカルシウムも多く含むものが多いので、これらをバランスよく食べることで不足分を補うことが期待できます。

 

(監修/天神 尚子先生)

 

 

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