産院の選び方-費用、距離、出産方法、食事など8つのポイント

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産婦人科の選び方イメージ

 

産院のサービス内容が多様化する昨今、どこで出産したらいいか悩んでいる女性は多いのではないでしょうか。人気の産院はすぐに分娩予約が埋まってしまうため、産院選びはできるだけ早めにおこなう必要があります。とはいえ、特に初めての妊娠・出産の場合は、何を基準に選べばいいのかわからないものです。そこで今回は、産院の選び方や注意点についてご紹介します。

 

 

出産できる産院の種類、費用とそれぞれのメリット・デメリット

出産できる施設は病院・診療所(クリニック)・助産院と複数あり、また、どの施設で出産するかによって、費用も大きく変わります。ここでは出産できる主な施設とそれぞれのメリット・デメリット、また一般的な費用についてご紹介します。
※ここでいう「一般的な費用」とは、分娩・入院にかかる費用を指します。別途、帝王切開時の費用や通院費、マタニティアイテム購入費などがかかりますのでご注意ください。

 

●診療所(クリニック)
「〇〇産婦人科医院」や「〇〇レディースクリニック」などと名前のつくことの多い施設です。豪華な食事を提供してくれたり、産後にエステを受けられたりなど、他の産院に比べてサービス内容が充実しているという特徴があります。

 

また出産方法や育児内容(母乳育児など)に院長の方針が強く現れることも特徴の1つ。出産方法や育児内容にこだわりがある場合は、各診療所(クリニック)の方針と合っているかを確認しておいたほうがよいでしょう。

 

【一般的な費用は?】
それぞれが提供しているサービス内容によって大きなばらつきがありますが、平均額は501,408円となっています。
(※1)

 

食事や入院する部屋が豪華だったり、エステなどを受けられたりする場合、場所によっては100万円ほどかかるところもあります。特に都心では高い傾向にあるようです。
退院の際に驚かないよう、産婦人科選びの際には前もって見積りを出してもらっておくと安心でしょう。

 

●総合病院・大学病院
総合病院は100以上の許可病床があり、産婦人科以外に内科や外科などの主要な診療科を有する施設です。大学病院は、診療以外に研究や教育といった役割も担っています。

 

病院によっては、NICU(新生児集中治療室)という、出産後特別な治療が必要な赤ちゃんに対応するための設備を設けているところや、総合周産期母子医療センターというMFICU(母体・胎児集中治療管理室)とNICUを備え、母体の救命救急への対応やハイリスク妊娠に対する医療、高度な新生児医療を行うための設備を設けているところもあります。母体や胎児、生まれた赤ちゃんに大きな問題があった場合でも迅速に処置ができるため、出産リスクに不安を感じている場合は、総合母子周産期センターやNICUのある総合病院を選ぶのがよいでしょう。

 

また総合病院・大学病院は、4Dエコーなど医療機器が充実しているところが多いのも特徴の1つとなっています。

 

その一方、受診者が多く、診察の待ち時間が長くなる場合があるというデメリットも。また大学病院は、時期によっては研修生の立ち会いがある場合もあるため、他の人に見られたくないという場合は一度医師や助産師に確認したほうがいいかもしれません。

 

【一般的な費用は?】

総合病院・大学病院の出産費用の平均額は511,652円となっています。(※1)


病院によっても異なりますが、公立病院の場合は診療所(クリニック)よりも安いところが多いようです。一方、私立病院は高い場合もあるため、一度病院に問い合わせてみるのとよいでしょう。

 

●助産院
助産師が開院している分娩機関で、少人数制であることや、ほかの機関に比べて家庭的でリラックスしやすい雰囲気のところが多いことなどが主なメリットとなっています。また妊婦さんの理想の出産の形に合わせてくれることもあり、出産方法にこだわりのある人などの利用も多くみられます。

 

一方、助産院では医療行為ができないため、助産院は母子ともに正常経過である場合しか利用できません。そのため帝王切開など手術が必要な場合や、逆子などリスクが伴うことがあらかじめわかっている場合には助産院での分娩はできません。また血液検査などは総合病院などで受けなければならないため、予約が面倒というデメリットがあります。ほかにも、分娩中に母子が危険な状態になった場合、もしくは妊娠中に何か問題があった場合は別の産院へ搬送しなければならないため、その点も了承した上で助産院を利用するのがよいでしょう。

 

【一般的な費用は?】
助産所での出産費用の平均額は464,943円となっています。
(※1)

 

診療所(クリニック)同様、助産院によってばらつきがあるため、事前に確認しておくのがおすすめです。

 

 

産院を選ぶポイントは?

産院を選ぶポイントは人によって異なりますが、ここではぜひチェックしておいてほしいポイントを8つご紹介します。

 

1.分娩費用
前述したとおり、どの施設で出産するかによって、費用は大きく変わります。出産の際には加入している健康保険組合から「出産育児一時金」という形で42万円の助成金が支払われるため、すべてを自己負担する必要はありませんが、どれだけ支払えるかを事前に計算しておくのは大切なこと。分娩予約する前には、事前にどれくらい費用がかかるのかを相談しておくとよいでしょう。

※出産育児一時金の金額は2019年12月5日時点の情報です。

 

2.家からの距離
サービスが充実しているからといって、家から遠い産院を選んでしまうと、交通費がかさんでしまうという心配が出てきます。また産気づいたときに、産院に着くまでに時間がかかるというのもつらいですよね。夜中に産気づいた場合、なかなかタクシーがつかまらないという可能性もあるので、交通費だけでなく、いざというときの交通手段を検討したうえで適度な距離にある施設を選ぶのがおすすめです。

 

3.出産方法
一般的に総合病院や大学病院は、分娩台の上で出産するスタイルを取っているところが主流ですが、助産院や診療所(クリニック)の場合はそれぞれの考えに合わせた出産方法を取り入れていることが多いようです。また、妊婦さんの要望に合わせた方法を取り入れてくれるところもあるため、こだわりがある場合は、対応してくれる産婦人科を選ぶのがよいでしょう。

 

4.立ち会い出産できるか
夫や両親に立ち会ってほしい場合、出産の際に立ち会いが可能かどうかをチェックしておいたほうがよいでしょう。産院によっては「立ち会いはひとりだけ」「立ち会い自体がNG」など制限がある場合もあるため、事前に確認しておくことをおすすめします。

 

5.入院部屋の様式
出産後しばらく過ごすことになる入院部屋には、個室と相部屋の2タイプがあります。個室はゆっくり過ごせる反面、料金が高めというデメリットがあります。一方、相部屋は料金を抑えられる反面、他の人と一緒に過ごさなくてはいけないため、人によってはストレスを感じる場合もあります。予約状況や出産当日の部屋の状況によっては希望の部屋に入れないこともあるため、その点も合わせて確認しておくのがおすすめです。

 

6.赤ちゃんと過ごせるかどうか
出産後、赤ちゃんと同じ部屋で過ごす産院もあれば、授乳のときだけ会えるというところもあります。赤ちゃんと離れるのは寂しいですが、出産後はお母さんも疲労困憊の状態。ご自身の体力なども考慮したうえで検討するのがよいでしょう。

 

7.ごはんがおいしいか
特に産婦人科医院やクリニックの場合、入院中のごはんがとても豪華なところがあります。出産後は体力を消耗しているだけでなく、母乳も与える必要があるため、ごはんを食べてしっかり体力をつけたいところ。頑張ったお母さんのご褒美という意味でも、ごはんのおいしさを選定基準にするのは悪いことではありません。

 

8.先生との相性
出産を任せる先生との相性も産院選びにおいては大事なポイントです。「先生」と呼ばれていても、相手は人間。性格や考えが合わないこともあるでしょう。先生との相性が合わずにストレスを抱えてしまうと、心身ともに悪い影響が出ることもあり得ます。安心して出産できる環境を見つけるという意味でも、産院選びの際には先生と一度話をしたり、実際に産院を訪れて助産師などから話を聞いたりして、任せられるかどうかを確認しておくほうがよいでしょう。

 

 

里帰り出産または転院する場合の注意点

●健診助成金の扱いについて
多くの自治体では、健診にかかった費用を一部負担してくれることが一般的です。しかし里帰り出産や転院などで自治体が変わる場合は、その間助成が受けられないことがあります。これは管轄の自治体が異なるためで、里帰り中の健診代は自己負担となる可能性があります。


ただし、自治体によっては出産後の申請によって、いくらか還付してくれる場合もあります。場合によっては書類が必要になることも多いので、スムーズに還付してもらうためにも、事前に健診助成金について自治体に確認しておくとよいでしょう。

 

●いつから転院するか

転院のタイミングは決まっていませんが、人気のある産院などは、すぐに予約が埋まってしまうことがあるため、早めの受診をおすすめします。遅くとも妊娠30週から35週ごろまでには出産予定の産院で健診を受けたほうがよいでしょう。

 

また転院の際には、それまで通っていた産院から紹介状を書いてもらわなければいけないため、里帰りする場合は早めに時期を医師や助産院に伝えておきましょう。紹介状作成には2,000円〜3,000円ほど費用がかかることも、合わせてチェックしておくと安心です。

 

 

まとめ

産院の選び方は人それぞれですが、大切なことは心身ともに安心して出産できるところを選べるかどうかです。「安心できる」と感じる要素は人によって異なるため、まずは自分が最も大切にしたい産院ん選びのポイントが何か洗い出したうえで、どこで出産するかを決めるのがよいでしょう。

 

参考:

※1 統計情報 出産費用 平成28年度|国民健康保険中央会 出産費用の全国平均値、中央値

 

 

 

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◆出産に関するQ&A

 

産院選びの体験談

近所の人や体験談などのクチコミで選びました。個人医院のほうが、入院部屋がかわいかったり、診察でエコーの録画サービスや対応が良さそうで迷いましたが、初めての出産で体の不安もあり、いざというときに頼りになるだろうと総合病院にしました。たくさんの先生が24時間いつでも対応してくださり、安心して出産できました。

こみえママ さん

 

以前から婦人科系で何度かお世話になっていて自宅からも近く、病院の方針が私の考えるお産に近いと思ったので選びました。念のため他の病院も検討しましたが、同じ先生に診てもらおうと思ったら曜日や時間をやりくりしないといけなかったりで、私には合わないと思ってやめました。


フリースタイル出産(私はあおむけけが楽だったのでそうなりましたが、四つんばいや横向きで出産した人もいるそうです)、カンガルーケア、母子同室、母乳指導等々、妊娠中に大きなトラブルがなかったこともありますが、私にとってはほぼ理想どおりのお産ができました。

きょん×2 さん

 

1人目出産時は実家近くの総合病院で出産しました。何かあってもすぐに処置してもらえるという安心感はありましたが、食事もいかにも病院食、設備も個人病院にはとうてい及ばないものだったので、2人目のときは地元で有名な人気の個人産院で出産しました。出産の人数も制限されていて、キャンセル待ちが続いていたらしいですが、私は妊娠判定の時点で出産予約を入れていたので大丈夫でした。部屋もきれいでアメニティや食事も充実、LDRでゆったり出産、カンガルーケア、総合病院と提携しているなど、条件をクリアしているのを確認していたので、安心して選ぶことができました。

ゆうこ さん

 

総合病院での出産をしました。お料理などは少し味が落ちるかもしれませんが、お産のお金が安かったのでおすすめです。お金がとても安かったのでまた総合病院で産みたいです。あと、母子同室でした。母親学級などもあり、分娩のお部屋を見せてもらいました。安心してお産に臨めました。

そばかす さん

 

総合病院よりも個人病院のほうが、アットホームな感じでいいかなあと漠然と希望していたのですが、近隣の個人の産婦人科が次々と婦人科のみになっていて、個人病院でお産できるところは自然と限られており、そこに決めました。仕事をしていたので、職場と自宅の間にあり通院しやすいというメリットもありました。

あっちママ さん

 

妊娠8カ月までの妊婦健診は自宅近くの婦人科(分娩設備なし)で受け、総合病院を予約していたのですが、そこの対応が悪く、待ち時間もかなり長く妊娠9カ月目で別の個人クリニックに変えました。総合病院は安く、緊急時にも安心と思っていましたが、後悔しないように思い切って変更しました。個人クリニックはきめ細かいサービスで、総合病院とも提携していて、変えてよかったです。

ろろとと さん

 

総合病院のほうが何かあったときに安心ですが、個人医院のほうが一患者さんとの距離が近い気がして、個人医院を選びました。今はネットがあるので、口コミをみると選びやすいかと。個人医院は、こだわりの強い売りがあることが多いので、自分に合った病院をしっかり探されると、気持ちいい出産ができると思います!

ぽぽ さん

 

実家近くの産院に決めました! 産後は里帰りする予定でしたし、有名な産院で私が生まれた産院でもあるで、そこにすると幼いときから決めていました。人気なので健診の待ち時間は長かったですが、4Dエコーで毎回DVDに入れてくれて、出産は陣痛から分娩までひとつの部屋で行えるLDRでした。個室で食事もおいしく、エステまであり、またすぐにでも出産したくなるような本当におすすめな産院です。設備も対応も文句なし! 費用も出産一時金でおつりが出ちゃうんです。

たいがママ さん

 

里帰り出産で、総合病院を選びました。以前、婦人科の病気で入院したことがあり、そのときの印象もよかったからです。 個人病院のような派手さはありませんが、安心感はありますよ。生まれた娘が小さかったので、NICUに入院になりましたが、同じフロアーなので授乳に行くのも楽でしたし。沐浴もほぼ毎日入れられて、退院後も自信をもって沐浴できました。病院によっては、里帰り出産の場合は、一度受診しないと分娩予約できないところもありますし、地域によっては分娩予約自体少ない所もあるので、里帰りを考えている方は、早めにリサーチしておくといいですよ。

ざべママ さん

 

 

監修者・著者

助産師 REIKO


医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。


2019/07/19

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